【はじめてのカメラ】スマホ撮影からの卒業!超初心者がカメラを始める前に知っておきたいこと 【はじめてをはじめる#11】

生活

【はじめてのカメラ】スマホ撮影からの卒業!超初心者がカメラを始める前に知っておきたいこと 【はじめてをはじめる#11】

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やりたいけれど一歩踏み出せない、新しい趣味を見つけたい。

そんな人の背中をそっと押す企画「はじめてをはじめる」。

今回のテーマは、「カメラ」です。

国内外問わず、しょっちゅう旅に出かけている私(最近はなかなか行けませんが……)。いつもなんとなく形だけ、安いコンパクトデジカメを持って行き、旅先での思い出を撮っていたのですが、スマホで撮るのと出来栄えに大差なし。だったらわざわざ荷物を増やさずにスマホで撮れば良いのでは……?と、最近はデジカメを持参することさえなくなっていました。

とは言え、せっかくそこでしか見られない風景、食べられない食べ物を撮るのだもの、クオリティが良いに越したことはありません。一眼レフなど、高機能のカメラを使いこなせれば、きっとステキな写真が撮れるんだろうなぁ。でも、生粋の機械オンチだから絶対に無理だ……。そう思って、これまでずっと手を出せずにいました。

しかし、そんな私に手を差し伸べてくれる人が現れたのです。それは、『すずちゃんのはじめてのカメラとレンズ』など、初心者向けのカメラの本を何冊も執筆している、フォトグラファーの鈴木知子さん。鈴木さんに聞けば、もしかしたら「脱・スマホ写真」の願いが叶うかもしれない!そう思って、早速お話をうかがいました。

手にフィットする、見た目が好き、それでOK

佐藤

これまで、スマホとコンパクトデジカメでしか写真を撮ったことがありません。極度の機械オンチなのですが、本格的なカメラに挑戦できるでしょうか?

鈴木

もちろん!大丈夫ですよ!実は私も機械オンチですから(笑)。

佐藤

え、本当ですか?それは勇気がわいてきます!

鈴木

各メーカーで「エントリークラス」と言われる簡単に撮影できるモードが搭載された、初心者にやさしいカメラが出ていますから、まずはそれを手に取ってみるのがいいかもしれません。

佐藤

初心者にやさしいカメラ!ありがたいです……。ところで、それは「一眼レフ」なんでしょうか?それとも「ミラーレス」でしょうか?恥ずかしい話、正直、そのあたりの区別もついていなくて……。

鈴木

わかりました。そこからですね。カメラには大きく、「一眼レフカメラ」と「ミラーレス一眼」の2つの種類があります。

佐藤

「ミラーレス一眼」ということは、「ミラーレス」も一眼レフカメラなんですね!

鈴木

そうですね。カメラの構造として「一眼レフカメラ」には存在する「ミラー」がないものが、「ミラーレス一眼」と呼ばれます。

佐藤

あ、カフェインが入っていないコーヒーを「カフェインレスコーヒー」というように、ミラーのない「一眼レフカメラ」を「ミラーレス一眼」というのですね。

鈴木

「一眼レフカメラ」は、レンズから入ってきた光をミラーで反射させる仕組みです。反射した光景がファインダー(目でのぞく部分)に映し出され、シャッターを押した瞬間にミラーが上がります。そして、ミラーの裏側にあるセンサーに情報が取り込まれ、写真になるんです。

佐藤

へぇ!そういう仕組みなんですね。知りませんでした。

鈴木

「ミラーレス一眼」は、その名の通りミラーが存在しないカメラです。レンズから入ってきた光は、画像センサーで電気信号に変えられ、液晶モニターに映し出される仕組みです。

佐藤

ということは、「一眼レフカメラ」はファインダーをのぞいて写真を撮りますが、「ミラーレス一眼」は、液晶モニターを見て写真を撮るということですね。

鈴木

「ミラーレス一眼」でもファインダーが付いたタイプが出ています。一眼レフとミラーレス一眼では、ファインダーの種類が異なります。ファインダーのないカメラでは、液晶モニターを見て撮ることになります。

佐藤

となると、初心者が憧れる「撮っている感」が出るのは、「一眼レフカメラ」の方ですね。

鈴木

エントリークラスで比べると、そうかもしれませんね。でも、「ミラーレス一眼」はミラーがない分、「一眼レフカメラ」に比べて軽量でコンパクト。持ち歩きしやすいので、とても人気が高いです。

佐藤

せっかくカメラを買っても、重くて持ち歩かなくなってしまうのは、もったいないですね。超初心者の私には、「ミラーレス一眼」の方が合っているかも。

鈴木

そして、機能はもちろん大切ですが、手に持ったときのフィット感、見た目、シャッター音などが気に入るかもとても重要です。長く使うなら、愛着が持てるものにするのが一番ですよ。

佐藤

最初はあまり予算をかけられないなぁと思っているのですが、安めのものでおすすめはありますか?

鈴木

各メーカーで定期的に新型を発売しているのですが、その一つ前のモデル、いわゆる「型落ち」になったものが狙い目です。

佐藤

なるほど!何も最新型でなくてもいいですもんね。このあたりの機種はどうでしょうか?

 

鈴木

いいと思います!ぜひ店頭に足を運んで、重さやフィット感を試してみてください。

佐藤

レンズは別売りなんですね!

鈴木

そうです。「一眼レフカメラ」も「ミラーレス一眼」もカメラ本体のみの販売なので、初めて買う人は、「レンズキット」と呼ばれる本体とレンズがセットになったものを選ぶのが良いですよ。

佐藤

別々に買うよりお得ということですね。

初心者がまず覚えたい、カメラの基本3機能

佐藤

ほかに、カメラを買う際に気にするべきことはありますか?

鈴木

カメラの画質を左右する「センサーサイズ」に気を付けてください。

佐藤

初めて聞く単語です!

鈴木

「センサーサイズ」は、大きいほど高画質な写真が撮れると覚えておいてください。主に、「1型」「マイクロフォーサーズ」「APS-C」「フルサイズ」があり、順に画質が高くなっていきます。

佐藤

どれを選べば良いですか?

鈴木

「マイクロフォーサーズ」「APS-C」「フルサイズ」のいずれかならばOKです。たいてい、「一眼レフカメラ」や「ミラーレス一眼」の入門機は、「マイクロフォーサーズ」か「APS-C」が主流です。

佐藤

わかりました!ほかに、覚えておいた方がいいカメラの機能はありますか?

鈴木

「露出」「フォーカス」「ホワイトバランス」の3つは、初心者が最初に覚えたい機能です。

佐藤

以前に使っていたコンパクトデジカメにも、そのような機能がありましたが、イマイチよくわかっていませんでした。教えていただけますか?

鈴木

まず「露出」は、写真の明るさを調整する機能のこと。オートモードを使えば、適正な明るさで撮ることができますが、実際の見た目よりも明るくしたり、暗くしたりすることで、雰囲気のある作品を撮ることができます。

佐藤

「+」「-」の表記が付いているボタンを押して、「+1」や「-2」など数値を変えればいいんですね。

▲このカメラでは、「+3」から0.25刻みで「-3」まで変えられます。

鈴木

そうです。これは露出補正という機能ですが、「+」の数値を大きくすればするほど明るく、「−」の数値を大きくすればするほど暗く撮ることができます。

ライター佐藤が実践! 露出が異なる3つの写真

▲露出「-2」で撮影。まだ日が出ている時間でしたが、かなり暗く写りました。

▲露出「0」で撮影。紅葉の赤がちょうど良い明るさで撮れました。

▲露出「+2」で撮影。紅葉の色が飛んでしまいました。

鈴木

次に、「ホワイトバランス」という色の調整機能です。室内では白いお皿が黄色っぽく写ってしまったり、曇りの日には景色が青っぽく写ってしまったりしますよね?

佐藤

そうですね。

鈴木

「ホワイトバランス」を調整することで、それをなるべく見たままに近い色で撮ることが可能です。

佐藤

このお日様や雲、電球などのマークがある部分を操作するんですね。

▲電球、蛍光灯、晴天、曇天、晴天日陰などのマークから選びます。

鈴木

上から電球、蛍光灯のマークに行けば行くほど青っぽく(寒色系で)撮ることができ、下の雲、家のマークに行けば行くほど、赤っぽく(暖色系)で撮ることができます。

ライター佐藤が実践! ホワイトバランスが異なる3つの写真

▲「AUTO」で撮影。全体的にさわやかなイメージ。

▲「曇天」で撮影。ほっこり温かみのあるイメージ。

▲「蛍光灯」で撮影。「AUTO」と「曇天」の中間という感じ。私はこれが好きでした。

鈴木

写真にとって最も大切なのはピントです。オートフォーカスを使えば、一番見せたい部分に簡単にピントが合わせられます。設定を変えることで、背景がボケた写真が撮れるようになります。

佐藤

初心者からすると「背景ボケ」=「玄人の技術」という感じがします!

鈴木

そうですね。この「ボケ」については、この後、詳しく説明しますね。

佐藤

はい、ぜひ!玄人の写真に近づきたいです!ところで、例えば「風景モード」とか「ポートレートモード」など、カメラにあらかじめある機能を使うのは、やはり邪道ですか?

鈴木

そんなことはありません。設定に手こずってシャッターチャンスを逃さないためにも、最初はカメラに備わっているいろいろなシーンのモードを使って、撮影に慣れましょう。

佐藤

意気込み過ぎて、いきなり全てマニュアル設定にしたくなってしまいますが、焦りは禁物ということですね。

鈴木

少しずつ必要な機能を覚えていって、全自動オートや、シーンモードを使わずに撮影できるようになっていきましょう。

憧れの「背景ボケ」は、「F値」を操るだけ

佐藤

いよいよ、憧れの「背景ボケ」の作りかたを教えていただけますか?

鈴木

まずは、カメラのモードを変えるダイヤルを回して、「A(カメラによってはAv)」に合わせます。

佐藤

カメラの上側に付いているダイヤルですね。

▲P、S、A、Mやカメラのマークなどが付いている部分です。

鈴木

そして、液晶モニターを見て、「F」が付いている数字を見つけてください。この数字は絞り値(F値)と言います。

佐藤

ありました!

▲このカメラでは、「F3.5」から「F18」まで変えることができました。

鈴木

手前に主役となる被写体があるとき、この「F」の数値を小さくすればするほど奥(背景)がボケます。逆に、数値を大きくすればするほど奥(背景)にもピントが合って、ボケません。

佐藤

なるほど。やってみます!

鈴木

シャッターボタンを半押ししてピントを合わせてから、下まで押し込んでくださいね。

ライター佐藤が実践! ボケが異なる3つの写真

▲「F18」で撮影。手前の椿にも、奥の木にもどちらにもピントが合っています。

▲「F9」で撮影。奥の木よりも、手前の椿の方に若干ピントが合っています。

▲「F3.5」で撮影。完全に手前の椿にピントが合っています。

鈴木

「F」の数値をどれだけ小さくできるか、大きくできるかは、使っているレンズによって変わるんです。

佐藤

そうなんですね。

鈴木

レンズに、35mmとか55mmとか、書いてありますよね。これは「焦点距離」と言って、数字が小さければ小さいほど写せる範囲が広がり、大きければ大きいほど写せる範囲が狭くなって、遠くのものを大きく撮ることができます。

佐藤

初心者は、どんなレンズを使えばいいですか?

鈴木

「レンズキット」に付いている標準ズームレンズで十分です。風景写真や狭い室内を広く撮りたい場合などは「広角レンズ」を、運動会や動物園を撮りたい場合などは「望遠レンズ」を買い足すと良いでしょう。

佐藤

「焦点距離」についてはちょっと難しそうなので、撮りたいものが撮れるか、店頭で相談してみたいと思います。

構図にこだわれば、写真はもっと良くなる

佐藤

カメラの機能を使いこなすのはもちろんですが、やはりプロは被写体の切り取り方が違うなぁと常々思っていて。どんなことに気を付けて撮ればいいですか?

鈴木

まず、人物の写真なら背景に気を配ること。そして、余計な部分はできるだけ入れずボカすことで、主役である人物を引き立てることができます。ピントは人物の「目」に合わせてください。

佐藤

わぁ!ステキな写真。背景の赤い花が効いていますね!

鈴木

ペットは、目線の高さまで下がって撮りましょう。表情を豊かにとらえられ、背景に奥行きや広がりも出しやすくなります。また、逆光を選ぶことで、立体的に見せることもできます。

佐藤

逆光にすると、顔が暗くなりませんか?

鈴木

露出を少しプラスに調整して明るめに撮るようにすると良いですよ。

鈴木

食べ物の写真にはいくつかのポイントがあります。色が青っぽいと美味しそうに見えないので、「ホワイトバランス」を調整して、暖色系になるようにしましょう。また、向かい側に窓がある反逆光の状態だと、立体感や質感を出しやすいです。

佐藤

構図もおしゃれですね!

鈴木

お皿は全部を入れようとせず、一部切れてしまうくらいの方が食べ物をより美味しそうに写すことができますよ。

ライター佐藤が実践! 美味しそうな食べ物の写真

▲窓辺のテーブルに置き、グッと寄ってみたら、いつもの朝食が良さげに撮れました。

▲ランチの冷麺はホワイトバランスを「蛍光灯」にして撮ったところ、涼しげな感じが出ました

鈴木

ドラマチックな夕焼け空を写真に撮ると、見た目よりもおとなしい印象になってしまったことはありませんか?

佐藤

はい。写真にすると、全然ステキさが伝わらないです……。

鈴木

夕焼けを撮るときは、「ホワイトバランス」を変えてみましょう。「ホワイトバランスプリセット」から日陰や曇りのマークを選ぶと、よりオレンジ色を鮮やかに表現できます。

佐藤

日没ごろによく散歩に出かけるので、ぜひ撮ってみたいと思います。

ライター佐藤が実践! ホワイトバランスが異なる3つの夕焼け写真

▲「AUTO」で撮影。夕陽のオレンジが肉眼よりもかなり薄いです。

▲「曇天」で撮影。「AUTO」よりはオレンジが濃いです。

▲「晴天日陰」で撮影。「曇天」よりもオレンジが濃く、空全体にも温かい色が広がっていて、肉眼に近い景色が撮れました。

鈴木

あとは、水のある場所で映り込みを見つけて撮るのもおすすめです。身近な場所でいうと、道路にできた水たまり。この写真では街の風景を映し込んでいます。

佐藤

何気なく道路を写しているだけなのに、すごくステキです!

鈴木

立っている時の目線では見つかりづらいのですが、低い位置から覗くとまわりの景色が映り込んでいるのがわかるはずです。撮るときは、風のないタイミングを狙いましょう。

佐藤

旅先やイベントだけでなく、日常を上手に切り取れるのは、かっこいいですよね。

鈴木

特別な場所に行かなくても、身近なところに魅力的な被写体は見つかるものです。例えば、これは足元。緑の葉っぱの上に色づいた落ち葉がありました。

佐藤

落ち葉が主役の写真ですね!

鈴木

落ち葉からは、季節を感じることができますよね。足元だけでなく空を見上げたり、いつもと違う道を歩くことで、新しい出会いが待っています。

何気ない日常が輝く、カメラの魔法にかかって

佐藤

鈴木さんは、いつからカメラを始めたんですか?

鈴木

最初は高校生のときに、ライブハウスで好きなミュージシャンの写真を撮る程度でした。でも、映画やテレビの世界に興味があって、写真大学の映像学科に進学したのをきっかけに、写真を学び始めたんです。

佐藤

写真ではなく、映像を撮りたかったということですか?

鈴木

そうです。でも、写真の授業は必須だったので、映像も写真もどちらも学んでいました。

佐藤

それから写真を選んだのは、どうしてですか?

鈴木

映像はさまざまな仕事が分業制になっているチームプレーの世界なのですが、私はマイペースな性格的なので、スタンドプレーで動ける写真の方が向いているかなと思ったんです。

佐藤

今ではプロになって、ご自身で撮り続けながら、著書やワークショップ、セミナーなどを通して「撮ること」を人に教えているわけですが、写真の魅力ってどんなところだと思いますか?

鈴木

何気ない日常を、切り取り方ひとつで違う世界観で表現できるところに、とても惹かれます。

佐藤

確かに、毎日新たな写真を掲載して更新されている鈴木さんのブログを見ていると、ふとした街の風景や、どこにでもありそうな日常のひとコマが、とてもステキな作品になっていますもんね。

鈴木

それに、写真の特性でもある「記録」の重要性にも惹かれます。年を重ねるごとにあらゆるものが変化していきますが、その変わりゆく姿を写すことの意義を感じるんです。

佐藤

家族写真なども、そうですよね。

鈴木

私が最初に撮ったのは、実家で飼っていた犬の写真なんですが、その子が亡くなってしまった今、そのときの1枚がかけがえのないものになっていて。

佐藤

大切な思い出ですね。

鈴木

街もどんどん変化していきますし、身近なもの、大切なものの姿を写して残しておけることは、写真ならではの良さだと思います。

佐藤

カメラ初心者に向けて、メッセージをいただけますか?

鈴木

やみくもにシャッターを切るのではなく、「何を伝えるか」「何を見せたいか」を考えながら撮るようにすれば、すぐに上達すると思いますよ。写真は、撮れば撮るほど上手になります。楽しみながら、たくさん撮ってくださいね。

佐藤

ありがとうございます。鈴木さんに教わったことをしっかり復習しながら、実践を繰り返してみたいと思います。次の海外旅行には、自信を持ってカメラを持っていけることを目指します!

カメラを始める際にかかる費用

ミラーレス一眼カメラ+レンズで、新品だと5万円~

SDカードや予備バッテリー、レンズ保護フィルター、ブロアー、レンズクロスなどのケア用品

1万円程度

 

カメラのために貯金する

「はじめてのカメラ」先生の紹介

本日の講師鈴木 知子
ブログhttps://suzucamera.exblog.jp/
Twitterhttps://twitter.com/suzucamera
Facebookhttps://www.facebook.com/suzucamera.31392/

神奈川県横浜市出身。東京工芸大学短期大学部卒業後、広告撮影プロダクションに入社。写真家・柳瀬桐人氏などのアシスタントを経験後、コマーシャルフォトを中心に活動。現在フリーランスとして地元横浜に事務所を構え、カメラ片手に日々奮闘中。近年は雑誌への作品提供やフォトコンテストの審査、セミナー講師、写真ハウツー書籍の執筆も行っている。1日1枚の写真でつづるライフワークのスナップ写真を、ブログにて毎日更新中。

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