暖冬とはいえ、毎日寒い日が続きますね。ベッドに入っても、足先が冷えてなかなか眠れない。とにかく朝起きるのが辛くて気が滅入る…。そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
実は、これ、毎日の「お風呂の入り方」を変えることで、ググッと改善するらしいんです!
正しいお風呂の入り方を教えてくれるのは、眠りとお風呂の専門家であり、睡眠改善インストラクターの小林麻利子先生。
先生いわく、体を芯から温め、ぐっすり眠れるスペシャルな入浴法があるのだそう。
でも、忙しいビジネスパーソンには、ちょっと手抜きしてシャワーで済ませたい日もありますよね。
そこで、今回は毎日の生活で取り入れたいお風呂の入り方を金賞・銀賞・銅賞の3種類に分けてご紹介。金賞の入り方を毎日続けるのは難しくても、銀賞、銅賞の入り方を組み合わせれば、お風呂がちょっとおっくうな日も体を温めることができます。ライフスタイルに合わせて、ぜひ取り入れてみてくださいね!
目次
小林先生も20代の頃は不眠に悩んでいた
小林先生自身も、20代の頃は仕事を頑張りすぎるあまり、不眠や不調のお悩みがあったそう。
大手メーカーで営業をしていた20代。残業続きで、帰りが遅く、お風呂ではなくシャワーで済ます毎日でした。そのうちストレスによるめまいや吐き気などの体調不良が積み重なり、過呼吸にまでなってしまったんです。
そこで小林先生が見直したのは、お風呂の入り方。どんな効果があったのでしょうか。
お風呂の入り方を改善したところ、毎日ぐっすり眠れるようになりました。さらに私の場合、運動なしで8キロ痩せたんです。
そんなにいいことづくめなら、試さない手はありません!早速小林先生のメソッドをご紹介しましょう。
お風呂が眠りに効くワケ
でも、どうしてお風呂に入ると、ぐっすり眠れるようになるのでしょう。
その秘密は、体温にありました。
人は手足がポカポカ暖かくなり、内臓や脳などの体の中の「深部体温」が下がるときに眠さを感じます。さらに、深部体温は一旦上げてから急降下させると、より深く質の高い睡眠を取ることができます。
そのために、お風呂で体の「深部体温」をググッとあげることが大切になってくるわけです。
お風呂と睡眠はセットで考えましょう!
まずはお湯を溜める時にひと工夫!
まずどんな入り方でも最初に気をつけてほしいのが、浴室の温度。特に冬場はお湯を溜めている間に、給湯器の設定温度よりも実際の水温が下がってしまいがち。換気扇はお湯を入れる時から、お風呂から上がるまでOFFに!
冬に換気扇をつけたままお湯を溜めると、お湯の温度が設定温度より約2℃も下がってしまうことがあるのです。
さらに、多くの人が入浴前に浴室内の寒さを感じているそう。
そこで、おすすめなのが、脱衣所で服を脱いでいる間に浴室内でシャワーを出しっぱなしにしておくこと。
シャワーの出し始めの冷水を出し切って、浴室内を温かいお湯で温めておきましょう。
もちろんこの時も換気扇はOFF!バスタブ内のお湯の温度を下げたくないので、お風呂の蓋は閉めたままにしましょう。
さあ、いよいよ入浴です!!
週に2日で体質改善!TOTAL30分・金賞の入浴法
まずは理想的な金賞のお風呂の入り方から!
本気で体質改善をしたい人は、毎日行ってみて。
難しい人は、週に2日取り入れてみましょう。一週間を気持ちよく始められるようになる日曜日と、週の真ん中にリフレッシュできる水曜日がオススメ。
①頭を洗う
頭を最後に洗うという方も多いと思いますが、実はそれはもったいない!せっかくお湯につかって温まった体が冷えてしまいます。まずは最初に頭を洗っておきましょう。
冬場は冷えるので、この時にオケにお湯をためて、足湯をするのもおすすめです。
もちろん先にお湯にちゃんぷんとつかるのもOK!ただし、その場合も洗髪後にきちんと②のやり方で湯船につかるのをお忘れなく。
もちろん先にお湯にちゃんぷんとつかるのもOK!ただし、その場合も洗髪後にきちんと②のやり方で湯船につかるのをお忘れなく。
②40℃のお湯に15分つかる
ポイントはの40℃のお湯に15分つかること。こうすることで体の深部体温がしっかり上がり、良質な睡眠につながります。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい、逆に寝付けなくなることもあるので40℃が基本です。給湯器の温度設定よりも下回ることも多いので、水温計があると便利です。
額からじんわり汗が出てきたら、体が温まったサインです。
さらに、「ああ〜」と声を出すことで血圧上昇が防げます!長くて15分もつかれない!という方は、スマホでドラマやアニメでも見ましょう。確かにスマホを見ない方がリラックスはできますが、しっかりお湯につかれる環境づくりが優先。スマホは脳の刺激の原因でもあるので、お風呂から上がったら見るのをやめるのが大切です。
③体を洗ってから、上がる
実はお風呂にしっかりつかると、それだけで体の5割の汚れは落ちることがわかっています。
ですからあとは皮脂の多い胸、背中、脇、足の裏を洗えばOK。ひざ下のような乾燥するところは、ボディソープをつける必要もありません。体を流して、上がりましょう!
お風呂から上がった後は、足先から冷えていきます。脱衣所では、パンツよりも先にまず靴下を履きましょう!
お風呂から上がって、30分〜60分空けてからベッドに入ると、ちょうど体の深部体温が下がるタイミングで眠ることができます。
普段はこれでOK!TOTAL20分・銀賞の入浴法
とはいえ、15分もお湯につかるのは、体力的にも時間的にもなかなかしんどいもの…。その場合は、時短バージョンの銀賞の入浴法にトライ!
銀賞の入り方では湯船につかる時間が短いので、お風呂から上がった後、いかに体を冷やさないか考えて入浴するのがポイント!
①頭&体を洗って、ボディオイルを塗っておく
お風呂上がりの髪の毛を乾かす時間を短縮!頭を洗った後、すぐに吸水性の高いタオルで頭を包みましょう。
さらに、体も先に洗ってしまいます。その後、お風呂上がりの乾燥を防ぐため、脂溶性のキャリアオイルやボディクリームを先に塗っておきます。保湿をしたままマッサージをすることができ、一石二鳥です!
キャリアオイルは酸化しにくいホホバオイルがお手軽でオススメですよ。もちろんオイルを塗らずに、湯船に入ってもOKです。
オススメはコレ!
②41℃のお湯に5〜10分つかる
ポイントは41℃のお湯に5分〜10分つかること。これ以上の温度のお湯は、交感神経を刺激してしまい、逆に目が覚めてしまうので気をつけて!
炭酸ガス系の入浴剤を使うと体がさらに温まりやすく。濃度が60ppm以上のものを選ぶようにして。
③すぐに寝る!
お風呂から上がったら、スキンケアやヘアドライを素早く行い、すぐにベッドへ!!体が温まったとはいえ、保温する持続力はないので、深部体温はすぐに下がってきます。
寝室環境にも一工夫!お風呂に入って間、暖房器具で寝室の温度を20℃ぐらいになるように温めておきましょう。冬は乾燥しているので、エアコンの使用に関わらず加湿器も準備。10℃以上の場合、湿度が高い方が体感温度も上がるんですよ。眠る前までポカポカな状態でいることが大切です。
まとめ
金賞・銀賞の入浴方法をもう一度おさらい!
TOTAL30分・金賞の入浴法
①頭を洗う
②40℃のお湯に15分つかる
③体を洗ってから、上がる
TOTAL20分・銀賞の入浴法
①頭&体を洗って、ボディオイルを塗っておく
②41℃のお湯に5〜10分つかる
③すぐに寝る!
この2種類の入り方をマスターすれば、ベッドでもポカポカでぐっすり眠れます!さっそく今晩から実践してみてくださいね。次回は、さらにお手軽なシャワー&足湯の方法をうかがいます。
第三回目 UNDER3000円!小林先生おすすめバスグッズ編
教えてくれたのは…
小林麻利子(こばやし まりこ)先生
眠りとお風呂の専門家。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロンFluraを開業。最新のデータ、研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる『うっとり美容』を指導。生活に合った無理のない実践的な指導が人気を呼び、2000名以上の女性の悩みを解決。TVや雑誌、講演会でも活動。睡眠改善インストラクター・温泉入浴指導員・上級心理カウンセラーなど数々の資格を持つ。著書に『ぐっすり眠れる、美人になれる! 読む お風呂の魔法 』(主婦の友社)『寝かしつけ0秒、夜泣きもなくなる赤ちゃんとママの熟睡スイッチ』(ジー・ビー)『あきらめていた「体質」が極上の体に変わる』(ダイヤモンド社)などがある。
イラスト Hiroshi Masuda