圧倒的なロープ美技で観客を虜に!進化するストリートスポーツ「ダブルダッチ」の魅力とは?【マイナースポーツ特集#59】

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圧倒的なロープ美技で観客を虜に!進化するストリートスポーツ「ダブルダッチ」の魅力とは?【マイナースポーツ特集#59】

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「縄を跳んでいる」という概念ではない――。ダブルダッチを初めて見て、そう思いました。アクロバティックな動きやリズミカルなダンスをしているところに、”ただ縄が存在しているだけ”のように見えたんです。

しかし実際には、2人のターナー(回し手)が回す縄の内側を、ジャンパー(跳び手)が飛んでいます。ニューヨークで”ストリートカルチャー”として始まったダブルダッチは現在、世界的な”スポーツ”として広がっています。

そんなダブルダッチで、世界大会3連覇を成し遂げた日本のプロダブルダッチチームが、「REGSTYLE(レグスタイル)」です。

今回は、REGSTYLEの女性メンバー・YUIさんに、ダブルダッチの面白さや、普及への想い、トレーニングなどについて伺いました。

競技とパフォーマンスの二面性を持つ「人を育てる」スポーツ

写真提供:OVER THUMPZ

――まずは、ダブルダッチについて教えてください。

YUIさん

ダブルダッチは、2本のロープを使って3人以上で行うスポーツです。REGSTYLEが得意とするパフォーマンスという競技(※)では、ロープのなかでアクロバティックな動きやダンスをします。

最近だと、ロープを投げてキャッチするリリースというロープトリックもあったりして、進化し続けている競技だと思います。

※ダブルダッチには、スピード・フリースタイル・パフォーマンスの3種目があります。

――「REGSTYLE」はどんなチームなんですか?

YUIさん

REGSTYLEは、「REGALE(リゲイル)」と「STYLE(スタイル)」という言葉がチーム名の由来になっています。REGALEというのは、「おもてなしをする・楽しませる」という意味なんです。

私たちは、「ダブルダッチでみんなを楽しまて、おもてなしをする」っていう意識でそれぞれのメンバーが動いてますね。

――ダブルダッチのパフォーマンスは、見ていて本当に楽しめますよね!!

YUIさん

競技でもあり、パフォーマンスでもある、という二面性を持つのがダブルダッチの面白さです。

これは私の意見ですけど、ダブルダッチのような”ストリートカルチャー”は、いろんな人の想像力でクリエイトされて、それが新しい表現や技につながっているんだと思います。

――パフォーマンスをする際に、チーム内で意識していることはありますか?

YUIさん

チーム内の呼吸を合わせることに集中して取り組んでいます。

――チーム内の呼吸を合わせるのは、とても難しいことに思えます。

YUIさん

私もダブルダッチを始めたときは、めちゃくちゃ苦労して。ひとつひとつの繊細なパフォーマンスをするために、コミュニケーションの大切さを学びました。

ダブルダッチをしていると「人を思いやって言葉を伝える。受け取る側も相手を思いやってそれを受け取る」というのを自然と考えられるようになるんですよね。だから私は、ダブルダッチは「人を育てるスポーツ」だと思っています。

300年前にニューヨークのストリートで発祥。日本での愛好者数は約35万人も!

――常に進化を続けているというダブルダッチですが、その歴史は意外と古いんですよね。

YUIさん

ダブルダッチは、約300年前にニューヨークで生まれました。「ダブルダッチのメッカはどこなの?」って言われたら、誰もが「ニューヨークです」って答えます。

――300年も……。想像以上に歴史を感じます。

YUIさん

300年前にストリートの遊びから生まれて、いまに受け継がれている。そこには本当に歴史を感じるし、素晴らしいことだと思いますね。

――そしていまでは、世界的なスポーツに。

YUIさん

そうですね。世界では約60か国で親しまれています。

日本では、2015年の段階で愛好者数が30万人以上という統計が出ています。でもそれからさらに増えてると思うので、いまは35万人くらいだと思います。

――日本のチームは、REGSTYLEを筆頭に世界大会で何度も優勝しているイメージです。日本以外だと、どこの国が強いんですか?

YUIさん

アメリカや、ヨーロッパだとベルギー、フランスも勢力を上げてきてるかな。最近だと、中国や韓国の若者たちが積極的に取り組んでいる印象です。

地道なトレーニングを経て、大学最後の全国大会で感動的なパフォーマンス

――YUIさんがダブルダッチを始めたきっかけは?

YUIさん

高校2年生のとき、3歳上の姉が通ってる大学に友達とフラッと遊びに行って。路上に人だかりができていたので見に行ったら、大学生がダブルダッチをやっていたんです。

それを見たときに、なんとも言えない衝撃を受けて。感覚的に「うわっ、これやりたい!」って思ったのがきっかけですね。

――ダブルダッチに”ひとめぼれ”したんですね!

YUIさん

そうですね。当時はちょうど「新しい挑戦をしたい」って思っていた時期だったので、なおさらグッとハマりました。

そこからはダブルダッチをするために受験の準備をしたり、行動が早かったです。

――大学に入学して、実際にダブルダッチを始めたときの印象はいかがでしたか?

YUIさん

最初に仮入部で跳んだときは、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。ちょっとした小技もできたりしたので、サークルの先輩たちに「すごい!才能あるね!」って言われて。

でも、いざ入部すると、自分のできないことが露骨に出てきて。そこからは地味な基礎練とかを積み上げていく時間でした。入部前に思い描いていた、華やかなダブルダッチショーへの”遠さ”を感じましたね。

――大学時代は地道なトレーニングを積み重ねた、と。

YUIさん

そうです。当時は毎日毎日、授業が終わってから学校が閉まるまでずっと練習していました。

――大学時代でとくに印象に残っていることはありますか?

YUIさん

大学3年生のとき、私の家族が最後の全国大会を観に来てくれたんです。そこで完璧なパフォーマンスができて、自分たちのパフォーマンスを出し切れたんですよ。

そしたら、3歳上の姉が駆けつけてきて「本当に良かった!感動した!」って言いながら私を抱きしめてくれて。「こんなにすごいことをやってたなんて、知らなかった!」って言ってくれたんです。

――お姉さんの心を打つパフォーマンスだったんですね。

YUIさん

実はそれまでの姉は、ダブルダッチに対してあまり理解がなかったんですよね。”チャラい”みたいなイメージを持ってたりして。

でもその姉が興奮気味に自分の気持ちを伝えてくれたことが、すごい嬉しくて。そのときに「自分を磨き上げれば、誰かに感動を与えたり、楽しんでもらえたりするんだ」というのを感じたので、それを私の”生きがい”にしようって思いました。

3年間の芸能活動を経てREGSTYLEに加入。ダブルダッチ本来の楽しさを感じる日々

――じゃあ大学を卒業してすぐにプロを目指し始めたんですか?

YUIさん

いや、パフォーマーとしての自分の役目みたいなものは、大学生活でなんとなく区切りをつけていて。

ダブルダッチ代表として、次は違う分野にチャレンジしていこうかなと。もっと発信する側にシフトチェンジしようと思ってましたね。それで3年間ほど、芸能活動をしていました。

――大学から直接、プロの世界に飛び込んだわけではなかったんですね。

YUIさん

芸能活動をしている間も、裏方としてダブルダッチに関わり続けてはいたんです。でも、とにかくプレーはしないって自分のなかで決めてしまっていて。

――なるほど。そこからパフォーマーに戻った経緯というのは?

YUIさん

3年くらいして芸能の仕事が行き詰まったときに、周りの人に相談したら「それだけダブルダッチに気持ちがあって、体力もあるのに、やらない理由って何なの?」って言われて。

改めて自分の中でダブルダッチと向き合って、「また少しずつ始めてみようかな」と思ったんです。それから、本当に久しぶりにダブルダッチを再開しました。

――REGSTYLEに加入したのも、その時期なんですか?

YUIさん

そうです。ちょうどその時期にREGSTYLEが声を掛けてくれました。最初は「アメリカでダブルダッチのワークショップをするメンバーが必要なんだけど、一緒にどうかな」って言ってくれて。

もともと好きなチームだったので、一緒にダブルダッチができるのは嬉しかったですね。そのときから「REGSTYLEのメンバーとは波長が合うな」とも感じていました。

――REGSTYLEのメンバーと一緒にいるときのYUIさんは、本当に楽しそうです。

YUIさん

REGSTYLEとダブルダッチをするようになってから、「仲間と跳ぶ、音楽で自由に遊ぶ」というダブルダッチ本来の楽しさを感じるようになりました。

メンバーと会ってコミュニケーションを取るのも楽しいですし、改めてダブルダッチを再開してよかったなって思います。

――チームの絆が固いからこそ、2019年に世界大会3連覇を達成できたんですね。REGSTYLEでの今後の活動方針は?

YUIさん

いまはコロナ禍という厳しい状況下で、「自分たちはどういうアクションをすべきか?」というのをチームで話し合って、行動していますね。

ダブルダッチ業界全体としては、2028年ロサンゼルスオリンピックでの正式種目入りを目指していて。そこに向けて、私たちも一緒になってアクションを起こしています。

2度の開催延期を乗り越え、ダブルダッチ業界初の高校生大会「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2021」を開催

写真提供: ITADAKI 実行委員会

――そのアクションのひとつとして、2021年10月30日にはダブルダッチ業界初となる高校生の大会「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2021」のアンバサダーを務めました。

YUIさん

この状況下でイベントや大会を開催するのは、とても大変だったと思います。それを形にした運営の皆さんは本当に素晴らしかったです。

――コロナ禍で2度の延期に直面したと伺いました。

YUIさん

そうなんです。延期が重なったなかでも、そこに標準を合わせて勝ちにきた高校生たちは、スキルの面だけじゃなくて、体力・気力の面でも本当に凄かったなと思います。

――YUIさんはMCを務められたんですよね。いかがでしたか?

YUIさん

めちゃくちゃ楽しかったですよ。大成功だと自負しております(笑)。

写真提供: ITADAKI 実行委員会

――DA PUMPのKIMIさんがアンバサダーを務めたことも話題になりました。

YUIさん

KIMIさんと一緒にできて、最高でしたね。彼の人間力みたいなものを言葉の節々に感じました。

コメントのひとつひとつだったり、会場のお客さまやスタッフの皆さんへの対応だったりっていうのは、横にいて学ばせてもらうものがありました。

――『OH! 舞DA PUMP!!』という番組では、KIMIさんと一緒にダブルダッチのパフォーマンスを披露してましたね。

YUIさん

そうなんです。KIMIさんもダブルダッチに取り組むなかで、ダブルダッチの楽しさやかっこよさだけじゃなく、難しさや厳しさっていうのも肌で感じてくれて。

だからITADAKIでも、ダブルダッチを知っている人からしか出ない言葉をたくさん残してくれましたね。

身体のケアは欠かさない。自信を持ってパフォーマンスをするため

――ちなみに、REGSTYLEは週に何回練習しているんですか?

YUIさん

チームで決まった練習日は週に2回です。1回はスタジオで、もう1回は公園のような少し広い場所を使って練習しています。

それ以外は、各々で練習したりトレーニングしたりしています。

――YUIさん自身はどんなトレーニングを?

YUIさん

私はGRITNATION Shibuyaのキャプテンを務めていて、そこのジムエリアでよくトレーニングをしています。

昔はガムシャラにボディメイクをしていましたが、今では思い通りに動くためのカラダづくりや有酸素のサーキットなどでスタミナをつけています。

トレーニングでは今の自分に足りないものを補うように意識していますね。

――身体のケアにはかなり気を配っている?

YUIさん

ボディケアには「ハイパーボルト」を愛用しており、ケガ予防や疲労回復にはもちろん、血行をよくして全身のウォームアップとしても活躍しています。

――普段からトレーニングや身体のケアを怠らないからこそ、本番で圧倒的なパフォーマンスができるんですね。

YUIさん

そうですね。どんなシーンでも堂々としているために、頭からつま先まで自分が納得のいく状態にすることが大事なことだと思っていて。

自分が納得できる身体の状態にすることで、マインドにもつながると思うんですよね。自信を持ってステージに立つために、できる限りの準備を整えています。

――ダブルダッチは観客に”魅せる”スポーツですもんね。

YUIさん

顔が下を向いていたら、お客さまがプレーヤーの表情を見れなくなってしまいますし。ダブルダッチで表現したいものは、お客さまに向けるべきだと思っています。

ダブルダッチはダイバーシティなスポーツ。あなたの一歩踏み出す勇気を包み込む!

――ダブルダッチはどんな人に向いているスポーツですか?

YUIさん

ダブルダッチをやっている人は本当に偏りがなくて。こんなにダイバーシティな人たちが集まる競技、ほかにあるかなっていうくらいなんです。

やりたいって気持ちさえあれば、絶対その人の居場所があるので。「誰でも来てください!」って気持ちです。

――ダブルダッチは子どもから大人まで、幅広い世代に親しまれていますよね。

YUIさん

そうなんです。世代とか性別とか関係なく、「何かに挑戦したい!」って思ってる人には、ぜひダブルダッチと出会ってほしいなと思いますね。

――どうやってダブルダッチを始めたらいいですか?

YUIさん

毎月1回、「LET'S PLAY DOUBLE DUTCH」という無料体験イベントを行っていて。そこで、ダブルダッチがどんなものかを体験できます。

もし「自分でやってみたい!」という方は、ダブルダッチ用のロープをゲットしてもらって、家で回してみたり、友達と一緒にやってみたりするのもいいと思います。

――ロープはどこで購入できるのでしょうか。

YUIさん

日本ジャンプロープ連合(JJRU)のホームページで買えますよ。そのロープが一番回しやすいと思います。

――ありがとうございます。最後に、ダブルダッチを始めようとしている人にメッセージをお願いします。

YUIさん

ダブルダッチは、あなたの一歩踏み出す勇気を包み込んで、「始めて良かった!」って思える素敵なスポーツです。ぜひお待ちしております!


(撮影:望月柚花)

ダブルダッチを始めるのにかかる費用

JJRU公認ダブルダッチ用ロープ2,500円~3,500

問い合わせ先

OVER THUMPZ(REGSTYLE所属)https://ov-t.com/index.html
一般財団法人日本ジャンプロープ連合https://jjru.sport/index.html

 SNS・ホームページ

YUIさんのツイッターとインスタグラムhttps://twitter.com/Official_YUISSK
https://www.instagram.com/yui_regstyle/
REGSTYLEのツイッターとインスタグラムhttps://twitter.com/dd_reg
https://www.instagram.com/dd_reg/
ホームページhttps://ov-t.com/regstyle.html

 

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