裸足で走り、ボールを蹴る開放感!アクロバティックなプレーが光る「ビーチサッカー」に迫る【マイナースポーツ特集 #52】

趣味

裸足で走り、ボールを蹴る開放感!アクロバティックなプレーが光る「ビーチサッカー」に迫る【マイナースポーツ特集 #52】

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青い海、青い空が目の前に広がる、真っ白な砂浜を舞台にプレーする「ビーチサッカー」。

世界大会も行われているメジャーなスポーツですが、日本ではまだまだ知名度は高くありません。そんななか、「ビーチサッカーを沖縄から盛り上げよう!」と、2020年に「FC琉球ビーチサッカークラブ」を立ち上げた現役日本代表選手がいます。日本で数少ないビーチサッカーのプロ選手として活躍する、後藤崇介さんです。

後藤さんが感じる、ビーチサッカーの魅力や、今後の展望などについて話を聞きました。

日本ではサッカーやフットサルと一緒にやる人がほとんど

――ビーチサッカーは、どこで生まれたスポーツなんでしょうか?

後藤さん

ブラジルが発祥です。競技人口もブラジルが一番多いんじゃないでしょうか。サッカーもそうですが、ブラジルなどの南米、そしてイタリア、ロシア、ポルトガル、スペインなど、ヨーロッパのレベルが高いですね。

――南米やヨーロッパでは、メジャーなスポーツなんですか?

後藤さん

そうですね。専用のスタジアムもあるし、プロリーグもある。普通にテレビでビーチサッカーの試合が放映されていますよ。

――それは日本と大きく違いますね。サッカーと同じように、W杯があるんですよね。

後藤さん

はい。競技人口が増えて、2005年からW杯が始まりました。最初は毎年開催されていたんですが、2009年から2年に一度になり、今年の大会が終わったら、4年に一度になるのではと言われています。

――サッカーと同じ開催サイクルになるんですね。日本での普及状況はどうなんですか?

後藤さん

はっきりとはわかりませんが、競技人口は2万人くらいじゃないでしょうか。でも、サッカーやフットサルをしている人がビーチサッカーもやっているというのが現状で、ビーチサッカーだけをやっている人となると、500人くらいかもしれません。

――どんな大会があるんですか?

後藤さん

全国9地域にリーグがあって、それぞれでリーグ戦が行われています。そこで勝ち上がったチームによるチャンピオンシップが年に一度開催されます。ほかにも、JFAが主催する「全国ビーチサッカー大会」があって、地域予選と全国大会が行われます。

――プロのチームはあるんでしょうか?

後藤さん

全国でプロのチームは5~6つほど。でもそこに所属している選手も、ビーチサッカーだけでは食べていけないので、アルバイトをしている人がほとんどです。ビーチサッカーだけで生活しているプロ選手は、日本では5人以下だと思いますよ。

――そうなんですね。後藤さんはそんな数少ないプロ選手の1人なんですね。日本の世界でのレベルはどうなんでしょうか?

後藤さん

2005年のW杯でベスト4に入ってはいますが、それ以降、なかなか勝てていません。アジアでは、イランが飛び抜けています。イランにはプロリーグもありますし。二番手を日本、UAE、オマーンが争っているという状況ですね。

――なるほど。日本人で海外のチームで戦っている選手はいるんですか?

後藤さん

ほんの数人ですね。世界のレベルが高いので、なかなか日本人選手が入り込む余地がありません。ヨーロッパのリーグも、助っ人で呼ばれるのはブラジルの選手がほとんどです。

――世界の壁は高いんですね。

オーバーヘッド、ダイレクトシュートなど華麗なプレーが見もの!

――基本的なルールを教えていただけますか?

後藤さん

コートはフットサルよりも少し大きいくらい。ベンチに入るのは12人で、そのうち5人がプレーします。交代は何回してもOKです。試合時間は12分×3ピリオドですが、コートの外にボールが出ると時計が止まるので、実質20分×3ピリオドくらいですね。

――道具はボールだけですよね。裸足でプレーするので、シューズもすね当てもないですもんね。

後藤さん

そうですね。ボールはサッカーと同じ大きさで、材質が違います。裸足で蹴っても痛くないビニール製です。

――敷かれている砂は、何か決まりはあるんですか?

後藤さん

40cm以上と深さが定められていますが、砂の種類は特に問わないみたいです。

――ということは、会場によって全然砂の感触が違いますよね。

後藤さん

そうなんです。特に海外は日本よりも深い場合が多いので、慣れるのに苦労します

――ルールはサッカーと同じですか?

後藤さん

ほとんど同じですが、ビーチサッカーにはオフサイドがありません。それに、体にぶつかっていくようなラフプレーに対して、審判がファウルを多くとるのが特徴ですね。

――素足でプレーしてますし、砂の上は不安定なので、ファウルをしっかりとらないと危ないですもんね。

後藤さん

いや、意外とビーチサッカーはケガをしにくいんですよ。激しいプレーをしても砂がクッション代わりになって衝撃を吸収してくれるので。ファウルをよくとるのは、オーバーヘッドなどアクロバティックなプレーが多いからですね。

――そうなんですね!オーバーヘッドはサッカーの試合ではたまにしか見かけませんが、ビーチサッカーでは多いんですか?

後藤さん

砂の上はボールを転がしにくいので、ビーチサッカーは浮き球を使ったプレーが多いんですよ。転がさずにボールを浮かせたパスをしたり、パスされたボールをそのままダイレクトでシュートしたり。だから、オーバーヘッドもビーチサッカーではよく行われます。

――おぉ。それは見ていても楽しいですね。

後藤さん

ビーチサッカーの魅力は、なんと言ってもアクロバティックなプレーにあります。プレーしている方も楽しいですし、コートと客席の距離が近いので、観客も楽しめます。

――迫力がありそう!

後藤さん

それに、サッカーよりコートが狭くてフットサルよりゴールが大きいので、1試合で各チームが10点とるというのも普通。試合展開の速さもおもしろさだと思いますよ。

――そんなに点数が入るんですね。見応えがありますね!

後藤さん

ゴールキーパーの役割もすごく大きくて。キーパーが投げたボールをそのままシュートして得点するということもたくさんあるので、キーパーの選手も試合によく絡めて、やりがいがあると思います。

――コートが狭いからこそできるプレーですね。

後藤さん

試合を見に来てもらえたらわかるんですが、音楽がガンガンかかっていて、クラブのような雰囲気で。お酒を飲みながら見られるのもいいところかなと。

――ビーチバレーやサーフィンも陽気な音楽がかかっているイメージですが、海でやるスポーツはエンターテインメント性も重視しているんですね。楽しそう!

ピッチをラクに走れるように!さらには脳にもいい影響!?

――ビーチで走り回っていると、体幹が鍛えられそうですよね。

後藤さん

それはすごく感じます。サッカーしながら筋トレしているようなものなので、ビーチサッカーをはじめると、みんなスタイルが良くなりますよ。

――それはすごいですね。

後藤さん

走るのが速くなるし、技術の精度も上がります。だから、サッカーが上手くなるためにビーチサッカーをはじめる人が多いんですよ。僕も、ビーチサッカーからサッカーに戻った時期があったんですが、ピッチをすごく軽く走れました。

――確かに、ビーチサッカーで鍛えてサッカーをプレーするというのは理にかなっていますね。

後藤さん

ブラジルなんかは、子どもの頃からビーチサッカーをしていた人がサッカー選手になることが多い。とてもいい土台ですよね。でも、日本はサッカーを最初に始めて、その後にビーチサッカーをやるのがほとんど。それはもったいないなぁと思うんです。

――そうですね。子どもたちがもっとビーチサッカーを気軽にプレーできる環境がないと難しいですよね。

後藤さん

そう思って、「TAKAフィールド」というビーチサッカーができる施設を作って、子どもたちにビーチサッカーを教えています。そこでもう10年ほど子どもたちを教えてきて、足が速くなる以外に、砂の上を裸足でプレーすることの価値を見つけたんです。

――え、何ですか?

後藤さん

足の裏ってツボがたくさんあるじゃないですか。ビーチサッカーは常にそのツボが刺激されている状態。だから、脳が活性化されて頭の回転が速くなるんですよ。

――え、ほんとうですか?

後藤さん

子どもたちを見ていてそう感じますし、自分自身も実感しています。間違いないです、これは。

――おぉ。ツボの刺激は健康にも良さそうですし、そういう目的でやるのもありかもしれませんね。ビーチサッカーをやってみたいと思ったら、どうすればいいでしょうか?

後藤さん

地域ごとにアマチュアのチームがたくさんあるので、そこの練習に参加してみては。どのチームもウエルカムだと思いますよ。日本ビーチサッカー連盟のホームページ(https://jbsf.or.jp/region//)で、地域ビーチサッカー連盟の参加チームを探してコンタクトをとってみてください。

19歳で日本代表に。初めてのW杯で感じた悔しさが糧になった

――後藤さんはもともとサッカー選手で、ビーチサッカーに転向したんですよね。

後藤さん

はい。サッカー選手時代、オフにビーチサッカーの大会に出場したんですが、そこでプレーを見ていた人から声をかけられて。「今度ビーチサッカーのチームを立ち上げるから、うちに来ないか」と。

――なぜ転向を決断したんですか?

後藤さん

そのチームにはブラジル人のすごい選手がいたんです。練習を見に行ったとき、その選手のプレーに魅了されて、「これはサッカーをやっている場合じゃないぞ。こっちの方がおもしろそうだ」と思ったんですよ。

――レベルの高い選手とプレーがしたかったんですね。その後、後藤さんはヨーロッパのチームなどでもプレーしていますが、常に高みに挑戦する性格なんですか?

後藤さん

チャレンジ精神が旺盛なんです。それに、飽きっぽいから新しいものに飛びつきたくなる。後先考えずに、おもしろそうだと思ったことに突き進んでいくタイプです。

――海外での選手生活で、言葉や文化の壁は不安ではなかったですか?

後藤さん

いえ、全然。ノリです、ノリ!好きなビーチサッカーをやって、海外にも行けて、なんて幸せなんだろうと思ってやってきました。

――ものすごくポジティブなんですね。日本代表にもずっと呼ばれ続けていますが、これまで一番心に残っている試合は何ですか?

後藤さん

うーん。やっぱり最初のW杯でしょうか。そのときは19歳だったんですが、若かったので日本代表の自覚も責任もなかった。正直、半分観光気分で行った大会でした。日本でそこそこプレーできていたので、自信もありましたし。

――実際にプレーしてみてどうだったんですか?

後藤さん

何にもできなかったんですよ。本当に、何にも。それがすごく悔しくて。舐めていたなと実感しました。それから、練習に臨む気持ちも変わったように思います。

――その挫折があったからこそ、今の後藤さんがあるのかもしれませんね。2020年には沖縄に「FC琉球ビーチサッカークラブ」を立ち上げて、代表兼選手として活躍していますが、どうしてチームを起こしたんですか?

後藤さん

沖縄は昔からずっと好きな土地だったし、サッカー選手生活を始めたのも沖縄のチームで。現役生活を終えるなら、沖縄でと思っていたこともありましたし。沖縄のビーチサッカーを盛り上げよう!と頑張っています。

――沖縄はバスケットボールのBリーグのチームが盛り上がっていますもんね。

後藤さん

そうなんです。琉球ゴールデンキングスというチームがあるんですが、立派なスタジアムがあって、サポーターも多くて盛り上がっているので、いいお手本です。沖縄の人たちに愛されるチームになりたいし、ビーチサッカーを沖縄の文化にできたらと思っています。

――最後に、ビーチサッカー初心者の方にメッセージをいただけますか?

後藤さん

プレーをしてみたい人も、観戦してみたい人も、とにかく一度会場に来てほしい。それが大きな一歩だと思います。一度見たら絶対ファンになるはず!その一歩をぜひ踏み出してください!

後藤さんが所属しているチーム

FC琉球ビーチサッカークラブhttp://www.fcryukyu-bs.com/

ビーチサッカーを始めるのにかかる費用

ボール5,000円前後

貯金をして挑戦する!

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