世界的ボードゲームが競技に!ドイツ生まれの頭脳派ゲーム「競技カタン」の奥深さ【マイナースポーツ特集#45】

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世界的ボードゲームが競技に!ドイツ生まれの頭脳派ゲーム「競技カタン」の奥深さ【マイナースポーツ特集#45】

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世界のボードゲームの中で2000万個以上の販売数を誇る、ドイツ発祥の超大ヒットゲーム「カタン」。カタンという無人島を舞台に島全体を開拓していくゲームです。

今回インタビューしたのは、カタンに競技として取り組む「競技カタン」のプレイヤーで、数々のタイトルを獲得されている、だてあずみ。さんです。

だてさんはカタンをはじめとしたボードゲームが好きで、「人見知りで友達が少ないけど、みんなでボードゲームをして遊びたい!」という思いから、ボードゲームカフェ「アソビCafe」をオープンしたそう。

だてさんに、カタンの魅力や競技として取り組むやりがいなどを伺いました!

資源を集め開拓地を建てる!島開拓ゲーム「カタン」

——「カタン」とはどういったゲームなんでしょうか?

だて

無人島「カタン」を舞台に、拠点となる開拓地を建てて、そこから島全体を開拓していくゲームです。基本的には、3〜4人でプレイします。

島に開拓地を建てるなど、開拓を行うことでポイントを獲得していき、10点先取したプレイヤーが勝ちとなります。

——ゲームの流れを教えていただけますか?

だて

わかりました! カタンはルールが複雑で、詳しく解説すると長くなってしまうので、大まかな流れに沿ってお話していきますね。

——はい、お願いします!

【ゲームの流れ】
1.地形タイルを盤に並べる(ゲーム開始前準備)
2.開拓地を建設する
3.資源を手に入れる
4.開拓地を増やして陣地を広げる


だて

まずはゲームを始める前に、地形タイルを盤に並べます。
地形タイルは、「森林・丘陸・畑・牧草地・山地・砂漠」の6種類です。後でまた説明しますが、ゲームを進める中で、各地形から木材や鉱石などの資源を獲得していき、それを元に開拓地を建設して陣地を広げたり、開拓地を都市にアップグレードしたりしていきます。

——地形タイルの並べ方に決まりはありますか?

だて

ある程度の法則はありますが、完全にランダムで置いてもOKです。数字は説明書に書かれている「ABC配置」で行うのがおすすめです。

地形タイルの配置は2兆通り以上あるとも言われていて、毎回まったく違うゲーム展開が楽しめるのも、カタンの特徴です。

——2兆通りってすごいですね!

だて

地形タイルと数字を配置して盤面が完成したら、地形タイルが交差する角に各自の開拓地を建設します。これを「初期配置」といい、各プレイヤー2回ずつ行います。

初期配置が終わったら、自分の番がきた時にサイコロを振ります。サイコロの出目と同じ数字が書かれた地形の周辺に開拓地があるプレイヤーが、その土地から資源をもらえるんです。

——なるほど、それを繰り返して資源を獲得しながら開拓地を建設して、陣地を増やしていくんですね!

だて

これが基本の流れです。加えて、プレイヤー同士で交渉し合って資源の交換をしたり、うまく使えば有利にゲームを進められる「発展カード」があったり、ボーナスポイントがあったりと、ポイントを獲得する方法はいろいろあります。

詳しいルールはこちらの動画にまとまっているので、よかったら参考にしてみてください!

競技性のあるゲームが好きで、徐々にカタンにのめり込むように

だてさんがオーナーを務めるボードゲームカフェ「アソビCafe」。世界中のボードゲームが楽しめます!

——だてさんは競技カタンのプレイヤーとして活躍されていますが、そもそも遊びとしてやる場合と競技の場合、どんな違いがあるんでしょうか。

だて

一番の違いは、勝ちにこだわるかどうかです。遊びとして行う「エンジョイカタン」は、みんなでゲームをすることそのものが楽しめればOK。

一方、「競技カタン」は大会で成績を残すのが目的です。勝ちにこだわる必要がありますし、負けてしまう場合でも、1点でも多く獲得できるようプレイを進める必要があります。

——「負ける場合も1点でも多く獲得する必要がある」というのは?

だて

公式戦では4回試合を行い、勝利回数と獲得した点数によって順位が決まります。1点の差で優勝を逃すこともあるので、1点にこだわる姿勢が大切になってくるんです。

——だてさんはいつ、どんなきっかけで競技カタンを始めたんですか?

だて

2011年に始めてカタンをプレイして、その面白さに魅了されて翌年には日本カタン協会が主催する「カタン名人戦」に出場しました。

でも、1人で参加したこともあり「大会の場でいきなり、知らない人とカタンをするのは少し怖いな」と感じて……。その後しばらく大会には出場しませんでした。

——大会に出ない間、カタンはやっていなかったんですか?

だて

カタンそのものは好きで毎日のように遊んでいました。たくさん遊んでいくうちに「強い人と戦ってみたい」という思いはあったので、自分でカタン大会を主催するようになったんです。当時はカタンに限らず、いろいろなボードゲームイベントを主催していました。

——ご自身でイベントを主催していたんですね!

だて

大会を開く中でいろんなカタンプレイヤーと知り合い、試合を重ねる中でますますカタンにはまっていきました。

そして2014年に、日本カタン協会主催の「今年最後のカタン大会」で優勝することができました。そこから、他の大会にも積極的に参加するようになりました。

——だてさんは、ボードゲームカフェ「アソビCafe」のオーナーでもありますよね。「アソビCafe」を立ち上げた経緯を教えていただけますか?

だて

主催していたボードゲームイベントが好評で、最初は月に1回でしたが徐々に増えていき、年間70回くらい開催するようになっていったんです。
お客様に楽しんでいただけるのは嬉しかったんですが、イベントの都度、キャリーケースに大量のボードゲームを詰めてイベント会場へ運ぶのが、体力的に大変で……。

——なるほど……だったらお店を構えてしまおう! ということですね。

だて

そうですね。お店を構えれば、ボードゲームをしたい時にいつでも来られるので、お客様にとってもいいんじゃないかと考えました。それで、神保町に「アソビCafe」をオープンしたんです。

カタンの魅力はコミュニケーションと選択肢の多さ

——カタンの「ここが魅力!」というポイントを教えてください。

だて

プレイヤー同士がコミュニケーションを行えるところだと思います。

カタンでは、他のプレイヤーと交渉して資材を交換できるルールがあるんです。ゲーム中に会話をしてプレイヤー同士が「麦が欲しいんだけど、くれない?」「鉄をくれるんだったらいいよ」みたいに会話しながらゲームを進められるのは、カタンならではだと思います。

——会話が必要ということで、初めて会う人同士でも打ち解けやすそうですね。

だて

あとは、選択肢が多いのもカタンの魅力です。
カードを引く、開拓地を建てる、道を作る、交渉する……など、できることがすごく多いので、しっかり戦略を練る必要があります。

一方で、引いたカードやサイコロの結果にも左右されるので、運次第では初心者の方が経験者に勝つこともあるんです。そこも含めて、奥が深いゲームだなと思います。

——競技として取り組む場合に「ここが難しいポイント」というのがあれば教えてください。

だて

周囲のプレイヤーの状況も踏まえて判断をしないといけないところですね。これはかなりレベルの高いプレイングです。

たとえば、自分が木材を欲しいタイミングで「木材をあげるから、土をちょうだい」と交渉されたとします。そこですぐに交換してはいけなかったりします。

——欲しい資源をもらえるのに、交換したらダメなんですか?

だて

相手の状況によっては、その土を自分があげたことで相手を勝たせてしまう場合があるからです。そうなると、自分が木材を手に入れていようとゲームが終了してしまうので関係ないですよね(笑)。

——なるほど!

だて

もちろん仲間内楽しくで遊ぶ分にはそこまで気にしなくても構いませんが、大会でいい成績を残したいのであれば勝ちにこだわるプレイングをする必要があります。
勝ちにこだわるためには、相手を安易に勝たせないための選択をする必要があり、それを見極める力が必要になるのです。

——競技カタンをやっていたことで身についた能力や癖などはありますか?

だて

「相手が今どういう状況か?」を相手の立場になって考える癖がつきました。

カタンでは、「相手が今この行動を取ったのはなぜなのか?」と、相手の行動から手札や伏せているカードの中身を予測する必要があります。

カタンを始めてからは、他のゲームをする時以外でも相手の視点で考えて行動する癖がつきましたね。

目指すはカタン日本一! ゆくゆくは世界大会でも活躍したい

——普段はどこでカタンを練習しているんですか?

だて

基本的には自分のお店ボードゲームカフェ「アソビCafe」ですね。イベントの開催中は人数調整で入るくらいですが、競技プレイヤー同士で集まって練習をする時にも、うちのお店に集まって練習をすることが多いです。

——実際に集まってゲームをやる以外に、練習する方法はあるんでしょうか?

だて

最初のうちはアプリのカタンで初期配置(=開拓地を建てる)の練習をひたすらやっていました。初期配置によって、ゲームの勝率は大きく変わるんです。

アプリでは、毎回地形タイルがランダムに配置されます。地形の配置と相手(コンピューター)が開拓地を建てる場所を踏まえて、自分の初期配置を考る……というのを、初心者のうちは1日50回くらいやっていました。

——1日50回! 何のアプリを使っているんですか?

だて

カタンの公式アプリは「Catan Universe」「Catan Classic」の2つで、私が初期配置の練習に使っていたのは「Catan Classic」です。

私はやったことはありませんが、アプリではオンライン対戦もできますよ。「Catan Universe」の方がオンライン対戦は盛んですが、海外プレイヤーがほとんどだそうです。

——これまで出場した大会の中で、嬉しかった・悔しかったなど印象的なエピソードを教えてください。

だて

嬉しかったのは、2016年の名人戦で4戦4勝の結果で優勝できたことです。運が味方してくれた面もありましたが、全勝して優勝できることはそうないので、すごく嬉しかったです。決勝で戦った相手は全員強いプレイヤーたちで、その中で勝てたのも自信につながりました。

——逆に、悔しい思いをした大会はありますか?

だて

2019年日本選手権の決勝への出場を、ギリギリのところで逃してしまったのが1番悔しかったです。

日本選手権は全国で地域予選を行い、上位数名が決勝に進む流れです。1人につき3回まで予選に参加することができます。

——一度負けても、別の地域で予選に参加して勝てれば決勝に行ける、ということですね。

だて

私は大阪・東海・北陸の3ヶ所で予選に参加しましたが、東海と北陸の2ヶ所では、どちらも僅差で決勝出場権を逃してしまいました。
特に東海では、ほんのわずかなポイント差で負けてしまって……。本当に悔しかったです。

——だてさんの、今後の目標を教えていただけますか?

だて

日本選手権で優勝するのが目標です! 2019年に決勝進出を逃した後、2020年・2021年はコロナの影響で大会が中止になってしまったので、2022年の優勝を目標にしています。

日本一になると、世界大会への出場権を得られるんです。海外の方が競技人口が多い分、レベルの高いプレイヤーもたくさんいるので、まずは日本一になり、その後海外の大会にも出てみたいですね!

夢はカタン専門店を作ること。多くの人にカタンに触れてもらいたい

——今後、競技カタンをどのように盛り上げていきたいですか?

だて

もっと多くの方にカタンに触れていただきたいので、カタンの専門店を作りたいと考えています。現状は、カタンをやりたい場合は「アソビCafe」でカタンのイベントをやる時に来ていただく形になっていますが、単発イベントではなく、いつ来ていただいてもカタンで遊べるお店を作りたいんです。

——やはり、より多くの方にカタンを広めたい気持ちがあるんでしょうか。

だて

カタンは奥が深く、面白いゲームであるものの、ルールの複雑さゆえハードルを高く感じてしまう方も多いんです。

プレイヤー自体は多いカタンですが、競技としてカタンに取り組んでいるプレイヤーは、日本国内では100〜200名程度と認識しています。競技としてのカタンの面白さをもっと多くの人に知ってもらうことが、カタンプレイヤーを増やすことにつながるのではないかと考えています。

——たしかに、競技人口を増やすのは重要ですよね。

だて

個人的にカタンは、将棋や麻雀、eスポーツと並べるくらい魅力のあるゲームだと思うので、もっと認知度を高めていきたいです!

——普及に向けて取り組んでいることはありますか?

だて

お店で継続的にイベントを開催しているのと、noteで「強くなるためのカタンマガジン」を書いています。

カタンについて学びたくてもなかなか情報がなくて、苦労した経験があったので、noteでは学びを深めたい方に向けた実践的な内容を紹介しています。
よかったら見てみてくださいね!

強くなるためのカタンマガジンhttps://note.com/datecocco/m/mec5c1c69df03

「極める面白さ」を味わえるのが競技カタンの魅力。ぜひ一度体験を!

——カタンはどんな人に向いていますか?

だて

いろいろな要素があるゲームなので、幅広い方に楽しんでいただけると思います。お子さんからご年配の方まで年齢問わず遊んでいただけます。
特に、自分の思考が結果に反映されるゲームが好きな人にとっては、すごく楽しめるゲームです。

——思考が結果に反映される、とは?

だて

たとえば、すごろくはサイコロの出目によってゲームが進むので、自分であれこれ考える余地はありませんよね。でもカタンは、戦略を考え、相手と交渉し、どんな行動をするかを選ぶ……というように、自分の思考がゲーム内容に反映される部分が大きいんです。自分の選択がうまくいって勝つと、喜びもひとしおですよね。

——カタンをやりたくなったらまずはなにから始めたらいいのでしょうか?

だて

カタンは定価4,000円前後で買えるので、そちらを購入して家族や友達と遊んでみるのもいいですし、ルールを教わりながらできるボードゲームカフェに行くのもいいと思います!

ただ、ボードゲームカフェやイベントの中には運営元が不確かなお店もあるので、お店やイベントを選ぶ際には、必ず店名や運営元の団体名などをネットで事前に調べてから行くのをおすすめします。

——アソビCafeでカタンをやりたい! と思ったら、いつ行けばできるんでしょうか。

だて

大会で勝てる実力をつけたい人向けの毎月2回開催の「アソビCafeカタン部」と、どんな人でも楽しんでいただける「アソビCafe火曜はカタン曜日」があります。
「アソビCafeカタン部」ではだてが必ず参加し、部員の人にカタンの指導も行っています。

持ち物は特になく、手ぶらで来ていただければOKです!
それぞれの詳細は、アソビCafeのサイトをご覧ください。

アソビCafeカタン部http://asobicafe.com/archives/330
アソビCafe火曜はカタン曜日http://asobicafe.com/archives/2654

——ちなみに、ボードゲームカフェって1人で行ってもいいものなんですか……?

だて

もちろんです! ボードゲームカフェ「アソビCafe」には「おひとり様を手厚くサポートする」という信条があります。

私自身、「人見知りで友達が少ないけどボードゲームで遊びたい!」という思いからイベントを主催するようになったので、同じような思いの人にも1人で気軽に来ていただきたいと思っています。

——では最後に「競技カタン」を始めようとしている人へメッセージをお願いします!

だて

カタンは奥が深いゲームなので、極めれば極めるほど楽しくなります。また、実力をつけて大会で優勝する喜びは、なかなか味わえるものではありません。カタンを通じてプレイヤー同士で仲良くなれるのも、楽しいポイントです。

——何かの大会で優勝する……って、大人になるとなかなかありませんもんね。

だて

週末に家族や友達と遊ぶのももちろん楽しいですが、「極める面白さ」を味わえるのが競技カタンの醍醐味です。

まだ競技人口が少ないので、今から本格的に始めて大会で上位を狙うのも夢ではありません。

まずはカタンで遊んでみて、興味がわいたら「競技カタン」の世界にもぜひ足を踏み入れていただきたいです。お待ちしています!

競技カタンを始めるのにかかる費用

ボードゲームカフェ利用費用1時間500円+1ドリンク から ※ボードゲームカフェ「アソビCafe」の場合

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