『ハリーポッター』に登場する魔法界のスポーツが人間界でも?!「クィディッチ」の世界を知る【マイナースポーツ特集#04】

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『ハリーポッター』に登場する魔法界のスポーツが人間界でも?!「クィディッチ」の世界を知る【マイナースポーツ特集#04】

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映画『ハリーポッター』に登場する魔法界のスポーツ「クィディッチ」。ほうきに乗って空を飛びながら戦うこのスポーツが、マグル(人間)の世界でも行われているのはご存知ですか?

クィディッチは現在世界40ヵ国でプレーされていて、日本にもチームがあります。今回お話を伺ったのは、クィディッチチーム「KATAYABURIクィディッチ」のキャプテン・眞柴啓輔さん

眞柴さんは学生のころから「コミュニティ」に関心があり、「生活を充実させるための第三の居場所」として、勉強会やスポーツを通じたコミュニティ作りの活動をしていました。その中でマイナースポーツのもつ求心力に可能性を感じ、現在はクィディッチをはじめ様々なマイナースポーツを普及させる活動を行なっています。

眞柴さんに、クィディッチのルールや魅力について、たっぷりと語っていただきました!

クィディッチは「ラグビー・ドッジボール・鬼ごっこ」を混ぜたようなスポーツ

——『ハリーポッター』のクィディッチは空中戦のイメージがあるのですが、マグル版のクィディッチはどんなスポーツなんでしょうか?

眞柴

空を飛ぶ代わりに、ほうきを模した棒にまたがりながらプレイするスポーツです。コート上にある2種類・計4つのボールを使いながら、7人1組の男女混合チームで相手チームと戦い、得点数を競います。

——ボールが4つも?! それぞれのボールの役割を教えてください

眞柴

1つは、得点専用の「クアッフル」と呼ばれるボールです。クアッフルを相手チームのゴールに入れると、10点を獲得できます。

残り3つのボールは「ブラッジャー」。ブラッジャーは、相手チームの選手を妨害するためのボールです。ブラッジャーを当てられた場合、持っていたボールを地面に落とし、自チームのゴールまで戻ってタッチしなければならないんです。

ピンク色のボールが「ブラッジャー」・3色のボールが「クアッフル」

——ドッジボールのように相手のボールを避けながら、ゴールを狙う必要があるんですね

眞柴

そうですね。メジャーなスポーツで例えるとするならば、タックルしてボールを奪ったり、相手チームにボールを当てて妨害したりするので、ラグビー・ドッジボール・鬼ごっこを混ぜたようなイメージです。

——ポジションは分かれているんでしょうか?

眞柴

4つのポジションがあります。それぞれの役割は下記のとおりです。

役割一覧

 
チェイサー(3名)「クアッフル(フィールド上に1つ)」で得点する
ビーター(2名)「ブラッジャー(フィールド上に3つ)」で相手チームの妨害をする
キーパー(1名)相手チームの得点を阻止する
シーカー(1名)スニッチを捕まえる

 

眞柴

クィディッチルールの解説動画を見ると、よりイメージを膨らませられますよ。

 

——シーカーの役割「スニッチを捕まえる」についてですが……『ハリーポッター』では、スニッチは羽の生えた金色のボールでしたよね。マグル版では、何で代用するんですか?

眞柴

腰に黄色いタグを付けた人が「スニッチ」の役割を担います。スニッチはどのチームにも所属しない中立的な存在で、ゲームの途中で投入されるんです。どちらかのチームがスニッチの腰のタグを取ると、試合終了です。スニッチを捕まえたチームは30点獲得し、その時点の合計得点で勝敗が決まります。

クィディッチのゴール。どのフープに入れても得点は10点

——魔法が使えなくてもプレイできるような工夫がたくさんされているんですね! 魔法界のスポーツがまさか現実に行われているとは思いませんでした。

眞柴

クィディッチは日本ではまだあまり知られていませんが、2005年にアメリカの大学生がマグル版クィディッチを始めて以降、実は世界40カ国でプレーされているんです。W杯も開催されているんですよ。次回大会は2020年。日本代表も出場予定です。

日本には現在5チームあり、代表選考会も兼ねた日本選手権に向けて練習に励んでいます。日本代表になるチャンス、逃したくないですね!

世界中に友達ができるのが、クィディッチの魅力

——クィディッチを知った経緯を教えてください

眞柴

もともと、オランダ発祥のマイナースポーツ「コーフボール」をやっていたんです。コーフボールを学ぶためにオランダに3年間移住してプレイするほどにやり込み、実は今年の夏も日本代表として南アフリカで開催された世界大会に出場してきました(笑)。

眞柴

マイナースポーツをやっていると、別のマイナースポーツの情報も集まりやすくて。コーフボールのメンバーから「こんなのあるよ」と教えてもらったのがクィディッチを知ったきっかけです。それが去年2018年のことでした。

9月ごろに日本クィディッチ協会が定期開催している体験会に参加したんです。そこで初めてクィディッチに触れました。

——そこから、なぜクィディッチのチームを立ち上げようと思ったのでしょうか

眞柴

クィディッチを初体験したのとほぼ同時期に立ち上げたマイナースポーツの普及活動団体『V-SPORTS PROJECT』のシンボルになるスポーツだと感じたためです。

マイナースポーツは種目は違えど、抱えている課題感には共通のものが多くあります。「リーダーを務められる人がいない」「道具や場所がない」といった課題をみんなで協力し合って解決しマイナースポーツを広めていけたらとの想いを強くし、団体設立にいたったところだったんです。

立ち上げ間もなく、クィディッチ初の日本選手権が2か月後の12月に開催されると耳にして。クィディッチを実際にやってみた上で「ちょうどいいタイミングでチームのシンボルになるスポーツに出会えた」と感じ、これはチームをつくるしかないぞとクィディッチチーム「KATAYABURIクィディッチ」の活動を始めたんです。

——なるほど、団体設立と日本選手権開催発表のタイミングがちょうど重なったんですね!

眞柴

はい。それに、クィディッチはコミュニティとして広がりを持ちやすそうだなと。「『ハリーポッター』に登場するスポーツ」ということで、マイナースポーツなのに知名度があって興味を持たれやすいことと、男女を問わないスポーツであることが相まって、人が集まりやすいのではないかと考えました。

——眞柴さんが思うクィディッチの面白みはどんなところにありますか?

眞柴

フィジカル戦だけではなく頭脳戦でもあるところですね。個人的に頭を使うスポーツが好きなのですが、クィディッチはボールが複数あるので、他のスポーツと比べてものすごく頭を使うスポーツなんですよ。「この場合はこう動く」と事前に戦略を立てようとしたら、それぞれのチームがどの種類のボールをいくつ持っているかによって戦術が異なるので200以上ものパターンになってしまって(笑)。覚えきれないので、その場の状況判断も必要になってきます。そこが難しいけれど面白いところですね。

——クィディッチを1年近く続けていてよかったと思うことはありますか?

眞柴

クィディッチをやっていると、世界中に友達ができるんです。今年2019年の7月に韓国で開催されたアジア・パシフィック選手権に日本代表として参加したときに、色々な国の代表選手との交流を楽しみました。海外選手はFacebookでたくさん申請をくれるので、タイムラインが英語だらけになる日もあります(笑)。

メジャースポーツをしていても海外と繋がれる機会なんて、そうそうないじゃないですか。各国のプレイヤーが普及を頑張っているフェーズにあるマイナースポーツならではの貴重な経験だと思います。

——チームにはどんなメンバーがいるんでしょうか。年齢や職業など教えてください

眞柴

年齢は20代が中心で、30代も少しいます。職業は本当に多種多様ですね。CAやSE、フリーランス、保健室の先生、ゲストハウスの経営者……。管理栄養士のメンバーもいて、トレーナーとしてチームに食事面のアドバイスをしてくれています。

——個性豊かなメンバーが集まっているんですね。クィディッチを続けてきた中で、印象的な出来事はありましたか?

眞柴

アジア・パシフィック選手権は、チームの結束が強まるいい機会でしたね。オーストラリア・香港・韓国・ベトナム・マレーシアなどが参加した大会で、日本からは「KATAYABURIクィディッチ」を含めた4チームが参加しました。

うちのチームは個性豊かなメンバーが集まっているゆえ、なかなか練習時間を揃えるのも難しく……。大会で初めてフルメンバーが揃うような状態で、「このチームで勝てるのか?」とメンバー全員が不安を抱えながら試合に臨みましたが、なんと2勝できたんです!

——その状態で勝てるってすごいですね……!

眞柴

うちのチームは、普段はフットサルとか別のスポーツをやっているような運動能力や適応能力が高いメンバーが多いんです。事前に考えていた戦術に各メンバーをうまく当てはめられたことと、大会中にメンバー間で関係性を深められたことが、勝てた理由だと思います。国際試合で勝てたことで、メンバーのクィディッチに対するモチベーションも高まりました。このメンバーでしっかり練習を積んでいけば、すごく強いチームになるんじゃないかと感じましたね!

「持ち運びしやすく低コスト」を目指し、道具をアップデート

——クィディッチに必要な道具について教えてください

眞柴

ゴール用のフープが3つと、ほうき(棒)、「ブラッジャー」用のボールを3つ、「クアッフル」用のボールを1つ。それと、ビーター・チェイサー・キーパー・シーカーの各ポジションごとに色分けされた4色のバンド。これがマストで必要なものですね。

——それらの道具はどこで揃えているのでしょうか?

眞柴

クィディッチの道具は公式のものが用意されているわけではなくて、IQA(国際クィディッチ協会)のルールブックに記載されているサイズの規定に沿って、各チームで用意しているんです。たとえば、ゴール用のフープは分解できるフラフープを、サッカーのドリブル練習用の棒に取り付けて作成しました。

——手作りなんですね。道具へのこだわりはありますか

眞柴

持ち運びしやすくて低コストで準備できることを意識しています。他のスポーツの道具を見て、「これはクィディッチに使えるな」と考えることも多いですね。クィディッチを普及させる上でも「持ち運びやすく低コスト」であることは重要だと考えているので、工夫しながら道具はアップデートしています。

——普段の練習や大会は、どのくらいの頻度でおこなっているんでしょうか

眞柴

普段の練習は、基本的には週1〜2回、トータルで月に5〜6回くらいの頻度ですね。大会前など多いときは週3~4回になることもあります。大会は、日本クィディッチ協会主催の日本選手権や各チームが主催する大会など現在は年に4回程度ですね。

日本代表として世界で活躍したいなら今がチャンス!

——「クィディッチをやってみたい!」と思ったらまず何から始めればいいですか?

眞柴

日本クィディッチ協会が三鷹で定期的に体験会を開催しているので、まずはそちらに参加していただくのがいいと思います。協会のFacebookで毎回イベントページを作っているので、そこから申し込みができます。

運動できる服装とシューズ、参加費の2,000円があればどなたでも参加可能です。勝つためよりも楽しむためのクィディッチを体験できるので気軽に足を運んでみてください。友達づくりを目的に、チームには所属せず毎回体験会に参加する人もいるみたいですよ。

眞柴

また、KATAYABURIクィディッチをはじめ、どこのチームも基本的に初心者歓迎で練習を行っているので問い合わせてみるのもいいと思います。

——クィディッチはどんな人におすすめですか?

眞柴

家と会社以外の居場所が欲しい人や、新しい繋がりを作りたい人にはおすすめです。特別な道具を用意する必要もなく、学生時代に経験していた人もほとんどいないため「初心者だから……」と気後れする必要なく始められます。

ただ試合に出るようなチームに所属するとなると、楽しむよりも勝ちに行く意識が強くなるので、ある程度運動の経験がある方のほうがいいと思います。ボールを奪いあったりパスをまわしたりするので、ラグビーやバスケットボールの経験がある人だと即戦力になれる可能性が高いですね。

——これからクィディッチを始めようかと考えている人へ、メッセージをお願いします!

眞柴

クィディッチはまだまだマイナーなスポーツですが、徐々に認知度が高まりつつあります。今後、チーム数も増えていくと思いますが、競技人口が増える前の今であれば、日本代表として世界で活躍できるチャンスがあります。

「面白そうだな」「やってみたいな」と少しでも思ったら、その瞬間が始めるタイミングです! 日本でクィディッチを盛り上げてくれる仲間をもっと増やしていきたいので、まずは気軽に体験会に参加してみてくださいね!

——眞柴さん、ありがとうございました!

クィディッチ体験にかかる費用

協会主催体験会参加費社会人2,000円、学生1,000円(※4人で参加すると8000円→4000円に割引)

室内用シューズ

約6,000円
合計約8,000円

※基本は屋外で行うスポーツですが、日本クィディッチ協会主催の体験会は室内のフットサルコートで行われています。

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