自然の中で体を動かし自分と向き合う。日本チャンピオンが語る「ディスクゴルフ」の奥深さ【マイナースポーツ#35】

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自然の中で体を動かし自分と向き合う。日本チャンピオンが語る「ディスクゴルフ」の奥深さ【マイナースポーツ#35】

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ディスクゴルフは、フライングディスクを使用してバスケット型のゴールに何投で入れられるかを競うスポーツ。アメリカ発祥で、現在は欧米を中心に世界27カ国でプレイされています。

今回インタビューしたのは、日本ランク1位のディスクゴルフプレイヤー・梶山学さん。
国内外の公式戦で100回以上の優勝経験を持ち、2020年6月にはアメリカのディスクゴルフブランド「Prodigy」より、日本人初となるシグネチャーモデルディスクが発売されました。

 
 
 
 
 
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世界で活躍するトッププレイヤーである梶山さんに、ディスクゴルフを始めたきっかけや魅力について語っていただきました!

ディスクを投げてゴールを狙う!アメリカ発祥の世界的スポーツ

——「ディスクゴルフ」とはどんなスポーツなんでしょうか?

梶山

フライングディスク(フリスビー)を使い、バスケット型のゴールに何投で入れられるかを競うスポーツです。より少ない投数でゴールに入れられた選手が勝ちとなります。
アメリカ発祥のスポーツで、現在は欧米を中心に世界の27ヶ国でプレイされているんです。欧米ではメジャーなスポーツとして、多くの人に親しまれています。

——フライングディスクには、いろいろな種類がありますよね。違いを教えてください!

梶山

ディスクには、パター・アプローチ・ドライバーの3種類があります。ゴルフクラブのように、場面に合わせてディスクを取り替えながらゴールを狙います。
飛距離を出したい時はドライバー、ゴールに近づけるために短い距離を飛ばしたい時にはアプローチ、ゴールを狙う時にはパターを使います。

——そこはゴルフと似ていますね。コースの長さはゴルフとは違うんでしょうか。

梶山

ゴルフよりも飛距離が短いので、その分コースも短いんです。アメリカだとゴルフコースの半分くらいですね。基本的には18ホールですが、日本は国土が狭いので9ホールのコースも多いです。
プロとアマで飛距離が異なるので、大会ごとに参加者のレベルに合わせて、ホールごとのパーの数(※)を決めます。ここはゴルフと同じ点ですね。

※パー:コースの長さにより決められた規定打数。パーを基準に、より少ない打数を目指す。

——ディスクの投げ方に決まりはありますか?

梶山

基本的には、どんな投げ方でもOKです。一般的なのは上空に飛ばす投げ方ですが、上空に木などの障害物がある場合は、ディスクを地面に転がすこともあります。

監督がいない分、すべて自分次第。そこが最大の魅力

——梶山さんはいつ、どういうきっかけでディスクゴルフを始めたんですか。

梶山

もともとスポーツが好きで、小学生の頃にはサッカーを、中学生の時には野球をやっていました。高校受験の時期になり部活動を引退したのですが、ずっとスポーツ漬けの生活だったので退屈になってしまって。
そしたら、7歳上の幼なじみが「アルティメットを始めたんだけど、一緒にやってみる?」と誘ってくれたんです。

——アルティメットも、フライングディスクを使うスポーツですよね。以前be-topiaでも取材しました。

▼2028年オリンピックの追加種目!?現役選手が考える「アルティメット」の醍醐味と将来性
https://be-topia.finbee.jp/hobby/1998/

梶山

当時はディスクスポーツ全般の競技人口が少なくて、複数のディスク競技に取り組む選手が多かったんです。アルティメットの練習会に参加するうちに「ディスクゴルフもやってみる?」と誘われて、そこで初めてディスクゴルフを体験しました。そしたら、すごく面白くて! そこからどんどんハマって、気づけば競技生活20年を迎えていました。

競技歴約20年、国内外での優勝経験は100回以上!

——ディスクゴルフにハマった理由を教えてください。

梶山

指導者がいない状況で好きなことを好きなだけやれる点が、ディスクゴルフにハマった最大の理由です。
部活動でサッカーや野球をやっていた時には、監督が組んだカリキュラムに沿って練習をしていました。そのトレーニングが自身の成長に繋がっている実感はありましたが、どこかで「やらなければいけないからやる」という意識があったんです。

——自主的なトレーニングではない分、言われてやっている……という意識があったんですね。

梶山

ディスクゴルフには監督がいません。試合を経て自分の欠点が見えてきたとしても、見て見ぬふりをして好きな練習だけをすることもできます。でもそこで自分は、「欠点を克服するために、苦手な練習にも取り組もう」と思ったんです。
誰かに言われたからではなく、自分自身で必要性を感じたからこそ、自然とその選択を取れるようになったんだと思います。

より良いプレイのコツは「自然体」。自分を深く知ることが重要

——ディスクゴルフの「楽しい!」と感じるポイントを教えてください!

梶山

ボールは投げると落ちますが、ディスクはすぐに落ちずに空中を漂ってから落下します。独特の浮遊感を味わえるのは、ディスクゴルフならではの面白さです。
あとは、私にとってはディスクゴルフは、自分自身をより深く知ることができるものでもあるんです。そこも魅力ですね。

——「自分自身をより深く知る」というのは?

梶山

より良いプレイをするコツは、自然体でいることなんです。たとえば「試合で結果を出したい」という思いが強過ぎると、体が硬くなり実力が発揮できません。自分の状態を見極め、意識をニュートラルな状態に保てるかどうかが重要になってきます。
ディスクゴルフを続ける中で、競技以外の場面においても自然と自分を見つめる機会が多くなりました。

——プロとしてディスクゴルフに取り組む中で、厳しさや難しさを感じることはありますか。

梶山

自分にとっての「プロ」の概念は、競技で結果を出すことやそこから収益を得るだけではなく、「社会に価値を提供する役割を果たせているか?」なんです。この点を常に考えながら競技活動や練習会などいろいろな活動を行っていますが、やはり難しさは感じますね。

——ちなみに、ディスクゴルフをやってきたことで身についてしまった癖は、何かありますか?

梶山

街中でも「ここでディスクゴルフをやるなら、どう投げるか……」とつい考えてしまうことは多いですね。障害物をうまくよけて投げるのが面白い部分でもあるので、ビルとビルの間の狭い隙間を見ると、ディスクを投げたい! と思ってしまいます(笑)。

選手活動と並行し、ディスクゴルフを通じた社会貢献活動も

——普段はどういった練習をされているんですか?

梶山

最近は練習会を頻繁に開催していることもあり、仕事をして人に指導もして……となると、練習の時間がなかなか取れないんです。
ディスクを投げる練習をするのは、多くても週に1回程度。フィジカルトレーニングも今は行っていません。
その代わりに、イメージトレーニングをしています。

——イメージトレーニング、ですか?

梶山

ディスクゴルフ上達のためには、最初のうちは反復練習や筋力トレーニングが必要ですが、ある一定のレベルに達すると成長が止まるんです。
更なる成長を目指すには、自分の体をいかにうまく使うかが重要になってきます。そのために私が行っているのが、イメージトレーニングです。

——なるほど……鍛えるにも限界がありますもんね。

梶山

20年近く競技を通じて自分の体にずっと向き合ってきたので、「体のどの部分をどう動かすと、どんな風にディスクが飛ぶのか」というのが実際に体を動かさなくてもイメージできるようになったんです。
公園で練習をすることもありますが、イメージした通りにディスクが飛ぶかどうかの確認作業として投げています。

——上達するためのアプローチの仕方が一般的なスポーツ選手とは違う印象ですが、今の練習方法を思いついたきっかけは何ですか?

梶山

読書が趣味で、脳の情報処理と体の動きの関連性について学ぶために、脳科学にまつわる本を読んだのがきっかけです。数々の文献の中でも、イメージすることの重要性は語られています。

——スポーツの上達のために脳に着目する、という発想はすごいですね……!

梶山

実際にイメージトレーニングを実践するようになって以来、ディスクの飛距離はどんどん伸びています。まわりの選手には、「体も大きくないしハードな練習もしていないのに、どうしてそんなにディスクを飛ばせるの?」とよく不思議がられるんです(笑)。

——選手としての今後の展望を教えてください!

梶山

選手としての活動は一生涯続けていきたいのですが、それに加え、ディスクゴルフを日本にもっと普及させたいです。
競技の存在を知っていただくのはもちろん、実際にディスクゴルフを体験していただける場を設けたいとも考えています。競技として取り組みたい方向けの練習会も開催していますが、最近は地域に根ざした練習会を開催させていただくことも増えてきました。

——地域に根ざした練習会というのは?

梶山

過疎化・高齢化が進んだ場所で町おこしの一環として行う練習会です。
たとえば先日は、鹿児島県の鹿屋(かのや)市で、ご高齢の方に向けて健康促進を目的としてディスクゴルフをレクチャーする機会がありました。
練習会は、活動拠点である福岡を中心に、富山、徳島、東京、鹿児島など、日本全国で開催しています。

——ディスクゴルフは、生涯スポーツとしての側面もあるんですね。

梶山

昔は「この大会で優勝したい」など具体的な目標を掲げていた時期もありましたが、競技生活を20年続ける中で、「社会に貢献できるような活動をしたい」という思いが強くなっていったんです。
ディスクゴルフを教えることを通じて、その人の人生がより良い方向に行くきっかけを少しでも提供できたら、と考えています。

自然の中で楽しみながら運動をして、心身ともに健康に!

——ディスクゴルフはどんな人に向いているスポーツですか?

梶山

ディスクを投げるシンプルな動作が基本で、コース内の移動も徒歩なので、スポーツ経験がない方でも気軽に楽しめます! 競技をやっている人の中には「スポーツが苦手だった」という方も多いんですが、みなさん自分のペースで楽しみながら取り組んでいます。

——やりたくなったらまずはなにから始めたらいいんでしょうか?

梶山

日本ディスクゴルフ協会のWebサイトに、各都道府県の協会一覧が掲載されています。お住まいの地区の協会に連絡を取って練習会などに参加してみるのがいいと思います。
私は福岡在住ですが、福岡以外でも練習会は開催しているので、私あてにご連絡いただいてもOKです!

▼梶山学さんTwitter
https://twitter.com/manabukajiyama

——ディスクゴルフを行うにあたって必要な道具を教えてください。

梶山

必要なのは、フライングディスクと運動できる服装、運動靴くらいですね。
ディスクはネットで1枚2,000円程度で購入できますが、貸し出しをしている施設も多いので、最初はレンタルのものを使うのがいいと思います。レンタル料は、施設により異なりますが200〜500円くらいです。

——ディスクをもし自分で購入する場合は、どんなものを選べばいいんでしょうか?

梶山

パター/アプローチ/ドライバーの3種類のうち、最初の1枚はパターかアプローチどちらかを選ぶのがおすすめです!

——最後に、ディスクゴルフを始めてみようと考えている人へメッセージをお願いします!

梶山

自然の中で体を動かすのはそれだけでも楽しいので、ぜひ一度体験してみてほしいです。
運動の習慣がない方にとっては、普段の生活で1km歩こうと思うとなかなか大変かと思いますが、ディスクゴルフをしながらだと意外と辛さを感じずに歩けてしまうんですよ。楽しみながら運動したい方におすすめです!

——自然の中で運動すると、気分もリフレッシュできそうですね!

梶山

人間って、大昔には自然の中で生活していたじゃないですか。それが今や情報化社会になり、パソコンやスマホを常にチェックするような生活になっていますよね。
「自然に触れながら体を動かす」という、人間がもともとやってきたことを意識的に取り入れることでバランスが保てて、心身の健康にも繋がるんじゃないかと思うんです。
興味がわいた方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。お待ちしています!

ディスクゴルフを始めるのにかかる費用

ディスク(購入)約2,000円〜
ディスク(レンタル)約200〜500円 ※施設により異なる
コース利用料約1,000円 ※施設により異なる

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