2020年誕生!新スポーツ「ラピッドボール」の気になるルールや特徴を考案者に聞いた【マイナースポーツ特集#28】

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2020年誕生!新スポーツ「ラピッドボール」の気になるルールや特徴を考案者に聞いた【マイナースポーツ特集#28】

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今年、新たに誕生した「ラピッドボール」。フットサルとハンドボールを足したようなルールで、体だけではなく頭も使うスポーツです。考案者である芥川大樹さんは、福岡でエンジニアとして働きながら一からルールをつくりあげ、2020年2月に初の体験会を開催しました。その後、ラピッドボール協会、マイナースポーツ普及委員会を設立。現在はマイナースポーツ全般の普及活動に注力しています。

今回はそんな芥川さんに、ラピッドボール考案のきっかけや実際にプレーしてみて感じたこと、今後の展望などを伺いました!

エリアによって体の使える部位、シュートの得点が変わる


――ラピッドボールとはどんなスポーツですか?

芥川

フットサルとハンドボールを合わせたようなスポーツです。6対6で行われ、試合時間は10分×4本。相手のゴールにボールが入ると得点が加算され、時間内により多くの得点を獲得したチームが勝ちです。特有のルールとしては、自陣では全身が使えますが、ハーフウェーラインをこえて敵陣に入ったら手と腕が使えなくなります。


――自分のいる位置によって体の使える部位が変わるんですね!

芥川

はい。シュートの得点も変わります。敵陣からのシュートは1点、自陣からのシュートは2点。ロングシュートが増えたほうがプレイヤーも観客も楽しいだろうと思い、自陣からのシュートの得点を増やしたんです。



――反則行為はありますか?
芥川

ボールを持った状態で4歩以上歩くこと、持っていたボールを離した後に再度手で触れることはできません。また、過度な身体接触は禁止としています。

「スポーツを離れた人に戻ってきてほしい」という思いから生まれた


――ラピッドボールをつくったきっかけはなんだったんですか?

芥川

僕は9歳でサッカーを始めたのですが、足の骨の成長異常でスポーツをすることはおろか日常生活を送るのも大変になってしまい、1年足らずでやめざるを得なかったんですね。中学校に入ってからもスポーツをする気はなかったのですが、友人からしつこく野球部に誘われ、しぶしぶ体験入部について行ったらすごく楽しくて!

――体を動かすのが楽しかった?

芥川

はい。足もだいぶ良くなっていたので、3年間がっつり野球に打ち込み、最高の中学校生活を送ることができました。この経験から「何かしらの理由でスポーツを離れた人にもう一度スポーツを楽しんでもらいたい」と思うようになり、あらゆるスポーツ経験者が一緒にプレーできるようなスポーツをつくろうと考えたんです。



――スポーツで挫折し、スポーツに救われたご自身の経験がきっかけだったんですね。ラピッドボールの構想を始めたのはいつ頃からですか?

芥川

2019年の7月です。競技人口が多いスポーツや今流行っているスポーツを抽出し、「このスポーツが面白い理由は?」と分析して、それぞれの良いところを取り込んでいきました。通勤電車の行き帰りで思いついたことをスマホにメモしたりして。やり始めたら楽しくて、毎日のようにラピッドボールのことを考えていました。

――どんなスポーツからヒントを得たのですか?

芥川

フットサル、ハンドボール、バスケットボール、野球……。意外なところでは、フィギュアスケートも参考にしました。

――フィギュアスケートですか!

芥川

フィギュアスケートって競技人口は少ないけど、観客やファンは多いですよね。それがなぜかと考えたときに、「転んだら減点」という競技に詳しくない人でもわかりやすいルールがあるからだと気づいたんです。

――たしかに、初めて見たとしてもそれはわかりますね。

芥川

ラピッドボールも普及させていくためには、わかりやすくてインパクトのあるルールが必要だと思い、いろいろと考えた結果、「自分のいる位置によって体の使える部位が変わる」というルールにたどり着きました。

――面白いルールですよね!

芥川

構想を始めて2ヶ月目くらいにパッとひらめいて、「これだ!」って思いました(笑)。さらに、老若男女に楽しんでもらえるよう、特殊な道具は一切使わずにボールと「投げる」「蹴る」「捕る」「走る」「跳ぶ」の基本的な動作だけでできる構成にしました。

――体の使える部位が変わるスポーツって他にもあるんですか?

芥川

さまざまなスポーツを調べましたが、メジャースポーツの中にはなかったですね。

 

――「ラピッドボール」という名前の由来も気になります!

芥川

「rapid」には「高速」や「目まぐるしい」といった意味があります。自分のいる位置によって全身が使えたり、手と腕が使えなかったりと、ルールがめまぐるしく変わることから「ラピッドボール」と名付けました。



――なるほど!

芥川

あとは「パピプペポ」の音が入っていると耳なじみがいいかなと。ラピッドボールの構想を始めた頃、タピオカがブームだったので、「タピる」のように「ラピる」という言葉が流行ったらいいな…なんて思いもありました(笑)。

――「ラピる」いいですね!名前の候補は他にもあったんですか?

芥川

はじめは直径約13cmの1号球を使おうと考えていたので、仮で「スモールボール」と名付けていました。でも、一度プレーしてみたときに、ボールが小さいと投げるのはいいけど足で扱いにくいことがわかって。直径約19cmの3号球を使うことにしたので、名前も考え直しました。

左から1号球、3号球、5号球

――ボールの大きさも重要なんですね。

芥川

そうなんです。いろんなサイズで試してみて3号球に落ち着きました。いつかラピッドボール専用のボールを開発するのが僕の夢です!

投げる、蹴る、捕る…ひとつでも得意なことがあればヒーローになれる

――体験会を開催できるようになるまでに大変だったことはありますか?

芥川

人集めですね。周りに「新しいスポーツを考えたから一緒にやろう」と声をかけても怪訝そうな顔をされたし、得体の知れないものに貴重な休みを使いたくないという気持ちも伝わってきました。それでも声をかけ続け、SNSで興味を持ってくれた人もぐいぐい誘って……。なかなかガッツが必要でした(笑)。

――今年2月に初めて体験会を開催されたんですよね。

芥川

はい。ラピッドボール単体で来てもらうのは厳しいと思ったので、「午前中にラピッドボールをやって、昼からは景色の良い場所でランチをする」とツアーのようにして、なんとか無事に開催できました。

――実際にプレーされてみていかがでしたか?

芥川

攻めて戻ってを繰り返すのと、「ここは手を使える」「ここは手を使えない」と考えながら動くので、頭も体も疲れました。考案しておいてなんですが、めちゃめちゃきついです(笑)。

――頭も体もフル稼働ですもんね(笑)。体験会にはどんな方が参加されたんですか?

芥川

男女の割合は半々で平均年齢は24歳くらい。大学生がいたりと、比較的若いメンバーが集まりました。

――男女混合で楽しめるところもいいですよね。

芥川

ありがとうございます。過度な身体接触は禁止としているので、女性や子どもでも安心して楽しんでいただけると思いますね。

――参加者の方からはどんな感想がありましたか?

芥川

他のスポーツだと経験者ばかりが活躍して、初心者は楽しめないことが多いけど、ラピッドボールは初心者でもうまく頭を使えば活躍できるから楽しいとおっしゃっていただきました。

――誰にでも活躍のチャンスがあるんですね。

芥川

はい。蹴るのが苦手でも投げることができれば活躍できるし、投げるのが苦手でも捕ることができれば活躍できる。何かひとつでも得意なことがあればヒーローになれるんです。自分で言ってしまいますが、すごくいいスポーツだと思いますよ(笑)。

――逆に改善点や今後の課題などはありましたか?

芥川

ボールを保有できるのは何秒までというルールを設けていなかったのですが、参加者の方から「1点決めた後にボールを持ったまま相手に取られないようにすれば勝ててしまうのではないか」とご指摘をいただき、たしかにそうだなと。さっそく改善して今は5秒までとしています。

――体験会を終えてどんなことを思いましたか?

芥川

自分の頭の中で思い描いていたものが形になって、すごく楽しさと達成感がありました。とはいえ、まだ未完成のスポーツなので、これからも参加者の方からのフィードバックを受けて、ルールの改良や改善を重ねていきたいです。僕だけではなく、みんなで一緒にラピッドボールをつくりあげていけたらと思っています!

――ラピッドボールをやり始めてから変化したことはありますか?

芥川

スポーツの見方が変わりましたね。例えば、野球ってピッチャーがボールを投げる前から観客は「ここで三振をとったら勝ち」「ここでホームランを打たれたら負け」と考えていますよね。「スポーツは想像させることも大事なんだな」と、スポーツの面白さや魅力を分析しながら見るようになりました。

――今後の展望を教えてください。

芥川

関わってくれる人数が増えたら、チームをつくり、大会をつくり、リーグをつくり……と、どんどん広げていきたいです。各地でチームができれば全国大会もできるし、奇跡が起こって海外でチームができれば世界大会も!夢は膨らむばかりですが、そのためにもまずはコツコツと情報発信を続けていきたいと思います。

マイナースポーツの中に向いているものがあるかも。子どもたちの選択肢を広げたい

――マイナースポーツの普及活動を熱心にされているのはなぜなのでしょうか?

芥川

学生時代の「別にやりたいスポーツはないけど、とりあえずこの部活に入っておこう」という思考ってもったいないと思っていて。知らないだけで、マイナースポーツの中に向いているものがあるかもしれないじゃないですか。子どもたちの選択肢を広げるためにも、マイナースポーツの認知度を上げたいと思っているんです。

――今年設立された「マイナースポーツ普及委員会」とは?

芥川

どのマイナースポーツも根本的に人が足りないという問題を抱えています。まずはいろんなマイナースポーツの関係者を集めて横のつながりをつくり、一致団結して人を増やしていけたらと思い、Facebookで「マイナースポーツ普及委員会」というグループをつくりました。

――どんな方が参加しているんですか?

芥川

メンバーは現在75名で、アスリートだったり、スポーツ関連事業者だったり、マイナースポーツを応援したいという大学生や主婦の方もいらっしゃいます。主に情報発信の場として活用しているのですが、すでにたくさんのつながりが生まれていて。いつか別のスポーツとコラボして体験会を開催するのも楽しそうだなと考えています。

ラピッドボールに関する情報は惜しまず提供。各地で自由にプレーしてほしい

――ラピッドボールはどんな方に向いているスポーツですか?

芥川

野球やサッカーの経験者が有利ではありますが、子どもから大人まで楽しめるようにつくったので、どんな方でも大歓迎です。今はまだ全員が初心者なので、これまでスポーツをしてこなかったという方も馴染みやすいと思いますね。



――ラピッドボールをやってみたいという方はどうしたらいいですか?

芥川

福岡県の福岡市や糸島市の体育館で体験会を行なっているので、参加したい方はホームページからご予約いただくか、僕のTwitterアカウント(@owlisrhyming)にメッセージをいただければと思います。

――福岡在住ではない方は?

芥川

ルールや体験会の様子を撮影した動画など、ラピッドボールに関する情報はすべてオープンにしているので、自由にプレーしていただいて構いません。先日も愛知の方から「仲間とプレーしてもいいですか?」とご連絡をいただき快諾しました。いずれ各地で体験会を開催したいですね。



――最後に、この記事を読んでラピッドボールに興味を持った方にメッセージをお願いします!

芥川

ラピッドボールは、一芸さえあれば誰もがヒーローになれるスポーツです。体だけではなく頭も使うので、見た目以上に楽しいと思います。興味を持っていただいた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。まだ競技人口が20人程度なので、これから始めてもトッププレイヤーになれる可能性は十分にありますよ!

ラピッドボールを始めるのにかかる費用

ボール(3号級)約3000円
体験会参加費無料
※動きやすい服装、室内用シューズ持参
 

 

 

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