ラケットスポーツ界の異種格闘技!日本ランク1位の選手が語る「クロスミントン」の魅力【マイナースポーツ特集#20】

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ラケットスポーツ界の異種格闘技!日本ランク1位の選手が語る「クロスミントン」の魅力【マイナースポーツ特集#20】

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「クロスミントン」は、バドミントンを屋外でプレーするために考案された、ドイツ発祥のラケットスポーツです。

ラケットとスピーダー(球)があれば屋内外問わずにプレーできるのが魅力です。海外では、暗闇で音楽をかけながらプレーする「ブラックミントン」や、雪山やビーチでプレーする「スノーミントン」「ビーチミントン」など、いろいろな形で楽しまれています。

今回インタビューしたのは、クロスミントン日本ランキング1位で、世界大会での優勝経験もある西村昭彦さん。西村さんはYouTubeの動画でクロスミントンを知り、「このスポーツを日本に広めたい!」と単身ドイツにわたった行動力の持ち主。現在はバドミントン業界に携わりながら、クロスミントンの競技活動に取り組んでいます。

西村さんに、クロスミントンを始めたきっかけやクロスミントンの魅力を伺いました!

スマッシュは時速200km以上!スピード感あふれるラケットスポーツ


——「クロスミントン」はどんなスポーツなんでしょうか。

西村

バドミントンを屋外でプレーするために考案された、ドイツ発祥のラケットスポーツです。スピーダーと呼ばれる羽つきの球を相手選手と打ち合い、得点を競います。スピーダーはバドミントンのシャトルと形は似ていますが、シャトルよりも重く風の影響を受けにくいので、屋内外含めいろいろな場所でプレーできるのが特徴です。

——たとえばどんな場所でプレーできるんですか?

西村

海外、とくに発祥の地であるドイツではポピュラーなスポーツで、公園でプレーする姿もよく見かけられます。
暗闇の中、音楽をかけながらプレーする「ブラックミントン」や、雪山やビーチでプレーする「スノーミントン」「ビーチミントン」など、エンターテイメント性をプラスした形でも楽しまれています。

——バドミントンとは、どんな違いがあるんでしょうか?

西村

まずは道具の違いについて。スピーダーが重く、ラケットの形もバドミントンとは異なります。持ち手が短く、面の形が杓文字型なのが特徴です。スカッシュのラケットの形に近いですね。

西村

あとはスピーダーが重い分、ラリーの速度が早いんです。バドミントンの場合、初速は速いのですが、その後失速します。一方クロスミントンは、初速はそこまで速くありませんが、スピードが落ちません。スマッシュの速度は時速200km以上とも言われています。
コートの形も違います。各プレイヤーは、12.8m離れた5.5m四方のエリア内でプレーをします。ネットが必要ないので、テープ等でエリアをマークすれば、場所を問わずプレーが可能です。

——ルールについて教えてください!

西村

基本的なルールはバドミントンと似ていて、スピーダーが落下する前に一回のショットで相手コートに入るように打ち返し、試合を進めていきます。
サーブがアンダーハンドのみなのも、バドミントンと同じ点ですね。
1セット16点、2セット先取で勝ちとなります。互いに15点になった場合はデュースとなり、2点連取したプレイヤーがそのセットを取れます。

大会はまるで異種格闘技戦?!幅広いプレースタイルがクロスミントンの魅力

——クロスミントンを始めたきっかけを教えてください。

西村

小学校〜大学までずっとバドミントンに打ち込んでいて、その後アディダスのバドミントン部門の正規代理店を担う会社に就職しました。そちらで勤務しながら、引き続きバドミントンの選手活動にも打ち込む日々を送っていたんです。
しかしアディダスが日本でのバドミントン事業から一時撤退することが決まり、会社もなくなりました。今後どうしていこうか……と思っていた時に、偶然YouTubeでブラックミントンの動画を見たんです。そこで初めて、クロスミントンの存在を知りました。

——元々バドミントンをやっていたんですね。

西村

調べていくうちに、室内に限らず公園や雪山、ビーチなど様々な場所で楽しめるスポーツというのに魅力を感じて、「このスポーツを日本で広めたい!」と思いました。
すぐにドイツのクロスミントン用具メーカー・スピードミントン社の日本の代表(ドイツ在住)に連絡を取り、日本でクロスミントンを展開したい旨を伝えました。そして、本場のクロスミントンを体験するためドイツに足を運び、1ヶ月間トレーニングに励みました。

——すごい行動力ですね!

西村

その後はスピードミントンジャパンとして日本の市場を任せてもらい、用具の販売や大会/イベントの企画をし、クロスミントン協会と共に普及活動を行っていました。
現在は、アディダスが日本でバドミントン事業を再開したので、そちらの代理店企業にて勤務しながら、クロスミントンの選手活動を行っています。

——クロスミントンの楽しいと感じるポイントを教えてください。

西村

バドミントンやテニス、スカッシュなどいろいろなバックグラウンドを持った選手がいて、それぞれプレースタイルが違うのが面白いなと感じます。
テニス出身の人はラリーにスピード感があり試合の展開も早いのですが、上から打つのは苦手な選手が多い印象です。バドミントン出身選手は上から打つのは得意な一方、早いラリーにはあまり慣れていません。またクロスミントンとスカッシュはラケットの形が似ているので、スカッシュ出身の人はラケットの操作がうまく、一撃が強烈な選手が多いですね。
大会ではそれらの選手が一挙に集まり、まるで異種格闘技戦のような雰囲気を感じます。

——出身スポーツによってプレースタイルはかなり違うんですね!

西村

ただ面白い反面、幅広いプレースタイルに対応する難しさもあります。
日本はバドミントン出身の選手が多いのですが、海外はテニス出身の選手が多いんです。日本ではまだマイナーなスポーツということもあり、海外選手と戦える機会は年に1〜2回ほど。世界で戦えるレベルに日本を引き上げるにはどうすればいいのか、選手同士で相談し合いながら日々取り組んでいます。

目指すは世界ランク1位。日本のクロスミントンのレベル向上にも尽力したい

——西村さんは会社員としてフルタイム勤務もされていますよね。練習やトレーニングはどのように行っているんでしょうか。

西村

平日は仕事が終わった後、2時間半ほどトレーニングの時間を取っています。体育館での実践練習か、屋外での走り込みまたはフィジカルトレーニングのどちらかです。
土日も基本的には練習に時間を費やしています。

——クロスミントンを続ける中で印象的だった出来事はありますか?

西村

2019年の世界選手権と、その前哨戦として開催されたオーストリアオープン、この2つの大会がそれぞれ印象的でした。
オーストリアオープンでは、準決勝で世界ランク1位の選手と初めて対戦しました。その時、超高速サーブを3本まったく同じコースに打たれ、手も足も出せず3本とも決められてしまったんです。
その後なんとか対応しラリーまで持ち込めましたが、ぎりぎりのところで負けてしまい、悔しかったですね。ただ「もっと海外のプレーを経験した上で臨めば勝てるのではないか」という手応えも感じました。

——世界選手権での戦績はいかがでしたか?

西村

シングルスは二回戦で敗退してしまいましたが、ミックスダブルスで優勝できました。
2017年に世界選手権に初めて出場した際、接戦の末負けてしまった対戦相手が優勝をしていて、自分はベスト8でした。「あの時自分が勝っていたら……」と悔しい思いをしました。
しかし2019年の世界選手権で同じ相手と当たり、勝つことができたんです。そこで勢いがついて、ミックスダブルスで優勝できました。2年前の負けが悔しかった分、優勝の喜びは大きかったです!

 
 
 
 
 
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——クロスミントン選手としての今後の展望を教えてください!

西村

次の世界選手権でのシングルス優勝と、世界ランク1位獲得を目指したいですね。そのために、日々練習に励んでいます。
また、日本のクロスミントン選手全体のレベル向上のため、トップレベルのメンバーを集い海外のクラブチームへの遠征や大会参加を考えています。海外のトップ選手とプレーする機会を増やし、全体的なレベル向上に努めていきたいです!

日本代表として海外で活躍できるチャンスも?!ぜひ気軽に始めてみてほしい

——クロスミントンは、どんな人に向いているスポーツですか?

西村

ラケットスポーツの経験者は、すぐに本格的なプレーを楽しむことができます。でも、これまでラケットスポーツにあまり触れてこなかった方や、普段運動をする機会が少ない方も、比較的気軽に始めやすいスポーツですよ!
本格的な試合をするのであれば練習が必要ですが、公園などで気軽に遊ぶくらいなら、ある程度打ち合いをすればラケットの扱いにもすぐに慣れていただけるかと思います。

——やりたくなったらまずはなにから始めたらいいんでしょうか。

西村

趣味として気軽に始めたい場合は、ラケットとスピーダーを購入していただければすぐに始められます。ネットが不要でバドミントンやテニスのように専用のコートを予約しなくていいので、初心者の方も気軽に始めやすいかと思います。
本格的に取り組みたい場合は、クロスミントン協会やクラブチームが主宰する練習会などがあります。SNSやネットで探していただくか、協会に問い合わせていただければと思います。

——クロスミントンを始めるのに必要な道具を教えてください。

西村

まず必要なのは、ラケットとスピーダーです。ラケット2本とスピーダーのセットは6,000円くらいのものからあります。協会やクラブチームが開催する練習会では貸し出しを行っている場合もあるので、事前に確認をしてみてください。あと必要なのは、動きやすいウェアと室内用シューズくらいですね。

西村

ちなみに……実は今、クロスミントンのラケットを開発しているんです。「CRES」というブランドを秋から展開予定です。詳細は随時Instagramでお知らせしていきますので、もしよければ、こちらもぜひチェックしてみてください!

2020年秋から展開予定の「CRES」。詳細はInstagramでチェック!

 

——クロスミントンを始めようとしている人へメッセージをお願いします!

西村

バドミントンやテニスの場合は、海外で活躍できるのはひとにぎりの選手ですが、まだ競技人口が少ないクロスミントンであれば、日本代表を狙えるチャンスはあります。競技をきっかけに友達の輪が広がりますし、海外の選手とも交流できるのは大きな魅力です。

——日本代表として国内外の選手と交流できるのは、大きな魅力ですね。

西村

また、室内スポーツであるバドミントンをずっとやってきた自分にとっては、屋外でプレーできる点も魅力に感じます。
たとえば、ビーチでプレーする「ビーチミントン」。灼熱の太陽のもと、砂浜で汗だくになりながらクロスミントンをやり、そのまま海に飛び込んで泳ぐのは、すごく爽快なんですよ!

——海水浴とセットでも楽しめるんですね!

西村

何も予定がない休日に、友達やカップル、家族などで公園に行き、クロスミントンを楽しむのもいいと思います。クロスミントンを生活に取り入れて、健康的で楽しい余暇を過ごしてほしいですね。
趣味として楽しみたい方も競技として追求したい方も、ぜひ気軽に始めてみてください。一緒にクロスミントンを盛り上げていただけたら嬉しいです!

クロスミントンを始めるのにかかる費用

ラケット2本・スピーダーセット6,000円〜
練習会参加費500円〜2,000円程度 ※練習会による

 

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