コートもラケットもコンパクト!初心者も楽しめるテニス型スポーツ・タッチテニスの魅力と可能性【マイナースポーツ特集#18】

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コートもラケットもコンパクト!初心者も楽しめるテニス型スポーツ・タッチテニスの魅力と可能性【マイナースポーツ特集#18】

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タッチテニスはイギリス発祥のテニス型スポーツで、ヨーロッパを中心に、海外では幅広く親しまれています。近年は日本でも認知度が上がってきており、競技人口は徐々に増えています。

今回お話を伺ったのは、プロテニス選手であり、タッチテニス日本ランキング1位の笹原龍さん。笹原さんはプロテニス選手として海外を拠点に活動され、日本帰国時には世界で戦えるジュニアの育成にも携わっています。また、タッチテニスを始め、ラケット競技の普及活動も積極的に行っています。

笹原さんに、プロテニス選手になったきっかけやタッチテニスの魅力、今後の展望についてお話を聞きました!

初心者でも楽しめる!海外で人気のテニス型スポーツ

——「タッチテニス」はどういったスポーツなんでしょうか?

笹原

タッチテニス は、2002年にイギリスで生まれたテニス型スポーツです。ヨーロッパを中心に、海外では幅広く親しまれています。
基本的なルールはテニスとほとんど同じですが、コートの広さやボール、ラケットがテニスとは異なります。

——ルールについて、テニスとの違いも含め、詳しく教えてください。

笹原

全体の流れとしては、4点先取で1ゲーム取得、4ゲーム先取で1セット取得となります。4-4(互いに4ゲームずつ取得)になった場合は、5点先取のタイブレーク(先に5点先取した選手がそのセットを取得)となります。最終的に2セット取った方が勝ちです。

サーブが1本のみ、かつレット(ネットに当たってインしたサーブ)は有効でプレー継続となるのは、テニスと大きく違う点ですね。また、40-40のデュースになった時には、次の1点を取った方がゲーム取得になります。この1点は、レシーバーが左右どちらからリターンを始めるかを決めることができます。

 
 
 
 
 
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——コートの広さやボール・ラケットはどんな点が違うんでしょうか?

笹原

タッチテニスのコートは、テニスコートの70%ほどの広さなんです。バトミントンコートとほぼ同じくらいのサイズですね。

ラケットは、21インチのものを使用します。21インチラケットはテニスの場合は小学校低学年くらいのお子さんが使用するサイズで、通常のラケットよりも持ち手が短いものです。ボールは、硬式テニスのボールよりもやわらかくて大きい、スポンジボールを使います。

コートが小さく、ラケットやボールも硬式テニスのものより扱いやすいので、初心者でもラリーが続きやすいのが、タッチテニスの特徴です。硬式テニスの場合はある程度練習を積まなければ試合にはなりませんが、タッチテニスなら初めての方でも簡単に楽しめます。

「打ち方がカッコ悪い」で奮起しテニスに熱中!プロテニス選手の道へ

——笹原さんは、タッチテニス日本ランク1位を獲得されていますが、本業はプロテニス選手なんですよね。テニスを始めたのはいつ頃ですか?

笹原

小学5年生の時です。お兄ちゃん子だったので、水泳やサッカー、バスケなど、兄がやるスポーツは何でも真似してやっていて、その中のひとつにテニスがありました。

——いろんなスポーツを経験した中で、なぜテニスを続けようと思ったんでしょうか。

笹原

「打ち方がカッコ悪い!」と友達に言われたのがきっかけです(笑)。
他のスポーツは、ある程度練習を積めばすぐに上達したんです。でもテニスはなかなか上達しなくて、打ち方がカッコ悪いよ、と周りに笑われたことで、スイッチが入りました。ひたすら練習に打ち込むうちに、本格的にテニスに取り組むようになっていきました。

——プロの道に進んだきっかけを教えてください。

笹原

高校卒業後、国内の大会に出場していた時に、ロサンゼルスのテニスアカデミーからスカウトを受けたのがきっかけです。

元々「自分はずっとテニスに携わって生きていくんだろう」という思いは、漠然とありました。でも、アカデミーで世界各国の選手と練習をし、海外の試合に出場を重ねていくうちに、「テニスの道で生きていく」という思いがより明確になったんです。
そして、20歳の時にプロフェッショナル登録を行い、プロテニスプレイヤーとして活動を始めました。

——主に海外を拠点に活動をされているとのことですが、決まった拠点はあるんでしょうか?

笹原

直近で拠点にしていたのはスペインのアカデミーですが、ずっと同じ場所にいるわけではありません。スペインの他にはオランダ、ドイツ、フロリダやロサンゼルス……試合の開催場所によって、都度拠点を変えています。

——素朴な疑問なんですが……海外での「拠点」って、どうやって作るんですか?

笹原

アカデミーからスカウトを受けたケースもありますが、スペインの場合は、自分からアポなしで交渉しました。
そのアカデミーで練習をしていた時、真横のコートでラファエル・ナダルも練習していたんです。世界のトップ選手と共に練習ができる環境に一目惚れをして、「アカデミーの手伝いをするので、ぜひここに所属したい」と伝えました。

今の自分の状況や思いを包み隠さず伝えれば、心を開いてくれる人は多いんです。過去に所属していたアカデミーも、「いつでも戻ってきていいよ!」と言ってくれています。

——日本帰国時には、ジュニアの育成もされているそうですが、どんな活動をされているんでしょうか。

笹原

海外のアカデミーで自分が受けた指導をもとに、世界で戦えるジュニアを育成する活動として、練習会などを開催しています。

海外と日本の大きな違いは「自主性」です。日本では1から10まで練習メニューが細かく決められていますが、海外ではコーチの言葉を1〜2まで聞いたら、その後の練習メニューは自分で作っていくような自主性を求められます。自分で考えて動くことは、実戦の場においても重要なことなので、自主性を養えるような指導を心掛けています。

老若男女・経験問わず楽しめるのがタッチテニスの最大の魅力

——ずっとテニスをやってこられた中で、タッチテニスを始めたきっかけを教えてください!

笹原

海外遠征時に早い段階で負けてしまって、空いている期間があったんです。そういった場合、落ち込んでずっとホテルで過ごす選手も多いのですが、僕は「この国でできることを楽しもう」と気持ちを切り替えて観光をしていました。そうしたら近場で偶然、タッチテニスナショナルトーナメントが開催されていたんです。

タッチテニスをプレーしたことはありませんでしたが、存在自体は知っていたので、「面白そうだな」と思って飛び入りで参加してみることにしました。

——飛び入りでいきなり試合ですか! 結果はどうだったんですか?

笹原

シングルスは3位、ダブルスでは優勝しました。その試合の獲得ポイントによって、2020年度7月に開催予定だった「Touch tennis Grand Slam」への出場も決定していました。(※2020年度は開催中止が決定)

「Touch tennis Grand Slam」は、ウィンブルドン選手権の会場横の公園で、ウィンブルドンとまったく同じスケジュールで開催される、かなり大規模な大会です。他にも、ヨーロッパを中心に世界各国で、タッチテニスの国際大会が数多く開催されています。

趣味として楽しみたい方だけでなく、競技として本格的に取り組みたい方にとっても目指す場所があるスポーツなので、日本でももっと普及してほしいなと思っています。

 
 
 
 
 
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——タッチテニスの一番の魅力は何でしょうか?

笹原

コートが狭くてラケットやボールも扱いやすいので、ラリーが続きやすく、初心者の方でも楽しめる点ですね。

以前イベントでタッチテニスを教える機会があったのですが、参加者が幼稚園から年配の方までと幅広く、「ちゃんと打ち合いになるかな……?」と最初は不安でした。でも実際にやってみると、意外とラリーが続いたんです。
参加者の方も「すごく楽しい!」「またやりたい!」と喜んでくれました。老若男女、幅広い方が楽しめるのが一番の魅力です。

——「テニスと比べて、タッチテニスのここが難しい」というポイントはありますか。

笹原

基本的にはテニスよりも簡単なんですが、強いて言うならサーブが1本しか打てないところですね。入らなければ即失点になるので、失敗できない緊張感はあります。

あとは、コートが狭い分返球が早いので、瞬発力がより必要になります。卓球に近いテニス、というイメージです。ジュニアの指導の合間に、気晴らしがてら生徒たちとタッチテニスをやることもありますが、瞬発力を鍛えるトレーニングにもなると感じます。

ラケット競技の普及を進めつつ、テニスの大会にも積極的に挑戦していきたい

——タッチテニス選手としての今後の目標や、やりたいことはありますか?

笹原

国内でもっとタッチテニスを普及していきたいです。ラケット競技に難しいイメージを持つ人もいると思いますが、タッチテニスなら初心者も始めやすいので、ラケット競技に触れる入り口として、まずは体験してもらいたいですね。

現状は大規模なイベントや体験会の開催が難しい状況ですが、落ち着いたらイベントなども開催していきたいです。タッチテニスが、サッカーでいうフットサル、バスケでいう3on3のように、多くの人がプレーするスポーツになっていったらいいなと考えています。

——プロテニス選手としての今後の展望を教えてください。

笹原

コーチとしての活動も行ってはいますが、今一度選手活動に力を入れ、大会に積極的に出場していきたいと考えています。

現在27歳ですが、27歳はテニス選手としては年齢が上なんです。コーチ活動に専念しようか……と考えた時期もありましたが、以前レッスンを受けてくれた生徒のご家族からSNS経由で連絡をいただいたのがきっかけで、「もう一度チャレンジしてみよう!」と覚悟が決まりました。

——生徒のご家族から連絡というのは、どんな内容が来たんですか?

笹原

以前、テニスクラブ主催のイベントレッスンでコーチをした時に、定員枠が1人余っていたことがあって。それで、お兄さんのレッスンを見学しに来ていた女の子に声をかけて、一緒にテニスをしたんです。

イベント後にその子のお母さんから、実はその女の子には持病があった、という話を聞きました。かなり驚きましたし、何事もなくてよかった……とほっとしました。

——持病ですか……! 知らなかったとはいえ、ヒヤリとしますね……。

笹原

それまで運動は控えていたらしいんですが、その時のレッスンがすごく楽しかったようで、その女の子は次の週から、テニスクラブに入会してくれたんです。

その後ずっと会っていませんでしたが、去年の秋ごろにSNS経由で彼女のご家族から連絡が来ました。
メッセージには「娘はあのレッスンがきっかけでスポーツに興味を持ち、無理と思わずやってみよう! といろいろなことにチャレンジするようになりました。ありがとうございます!」と書かれていました。今は高校生になり、運動部のマネージャーをしているそうです。

——レッスンでの体験がなければ、スポーツに触れる機会はなかったかもしれませんね。

笹原

自分の活動が、彼女にとって一歩踏み出すきっかけになったことが、すごく嬉しかったです。自分自身も、年齢を理由に諦めず、試合にどんどんチャレンジしていきたい! と勇気をもらいました。

今は、コロナの影響で大会の中止が相次いでいますが、落ち込んでいても仕方がないので、「練習期間が伸びた」とポジティブに考えるようにしています。トレーニングなど準備を進めておいて、ツアー再開時には万全の体勢で臨めるようにしたいです!

合う・合わないは体験しないとわからない。興味が湧いたらまずはチャレンジ!

——タッチテニスをやりたいと思ったら、まずは何から始めたらいいんでしょうか。

笹原

タッチテニスのレッスンを設けているテニススクールがあるので、そちらに参加していただくのがいいかと思います。

「イージーテニス」や「ショートテニス」という名称が使われているケースもありますので、スクールを探す際には参考にしてみてください。また、日本タッチテニス協会でも、不定期で体験会を開催しています。

あとは、タッチテニス用のラケットとボールがあれば、公園などでも手軽に始めることはできますよ!

 
 
 
 
 
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——タッチテニスを始める前に、揃えた方がいいものを教えてください!

笹原

まずはラケットですね。タッチテニスで使用する21インチラケットは、だいたい3,000〜5,000円程度です。
ボールは、直径8cmのスポンジボールを使用します。こちらは2〜3個セットで数百円〜1,000円ほどです。

初心者向けの体験会であれば、ラケットやボールはレンタルしている場合もあります。あとは、運動着と運動靴があればOKです!

——最後に、タッチテニスを始めようとしている人へメッセージをお願いします!

笹原

タッチテニスは、老若男女、初心者からテニス経験者まで、幅広い方が楽しめるスポーツです。ラケット競技は挑戦するハードルが高い……と思っている方にこそ、ぜひやってみてもらいたいですね。
実際にやってみないと自分に合うかどうかはわからないと思うので、興味がある方はまず一回、体験してみてください!

タッチテニスを始めるのにかかる費用

レッスン、体験会数千円(※スクールによる)
ラケット約3,000〜5,000円
ボール数百円〜1,000円

 

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