リアル鬼滅の刃!?元忍者女子高生・世界ランク1位のアスリートに聞く!パルクールの魅力とは【マイナースポーツ特集#17】

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リアル鬼滅の刃!?元忍者女子高生・世界ランク1位のアスリートに聞く!パルクールの魅力とは【マイナースポーツ特集#17】

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アクロバティックな動きが印象的な「パルクール」は、元はフランス軍のトレーニングとして生まれたものです。現在はそこから派生して、パフォーマンスとしてイベント等に取り入れられたり、競技として扱われ、大会が開催されたりするようになりました。

今回は、2019年ワールドカップで世界ランク1位(スピードラン部門)を獲得し、CMやTV番組への出演など幅広く活躍している、泉ひかりさんにインタビュー。
泉さんがパルクールを始めたきっかけや、パルクールの魅力、運動神経に自信がなくても大丈夫なのか……など、気になるお話をたっぷり伺いました!

「パルクール」はフランス軍のトレーニングが起源

(C)全日本パルクール連盟

——「パルクール」とは、どういったスポーツなんですか?

スポーツというより、正確には「トレーニング文化」なんです。フランス軍のトレーニングが起源で、道具を使わず、走る・飛ぶ・登るといった移動動作を用いて、心身を鍛えることを目的としています。

現在はトレーニング文化から派生して、パフォーマンスとしてイベント等に取り入れられることも増えました。競技として扱われ、国内外で様々な大会が開催されるようにもなっています。

——泉さんは2019年のワールドカップで、スピードラン部門1位・フリースタイル部門2位を獲得されたと伺いました。種目ごとの違いを教えてください!

「スピードラン」は障害物を超えてゴールに着くまでのタイムを競う競技で、「フリースタイル」は会場内に設置された障害物を利用して自由に演技を行って、得点を競う競技です。

世界大会でメインに行われているのはこの2種目ですが、ほかには「スキル」「チェイスタグ」という種目もあります。

——どういった種目なんですか?

「スキル」は、パルクールの基本動作の飛距離や速さ、高さなどを競う競技で、少しマイナーな種目です。

「チェイスタグ」は障害物が設置されたエリア内で、2人のプレイヤーが「鬼」と「子」に分かれ、鬼が子を捕まえるまでの時間を競います。パルクールを用いて鬼ごっこをするようなイメージです。

「忍者女子高生」として出演したWebCMが話題に!

(C)全日本パルクール連盟

——泉さんがパルクールを知ったのはいつ頃ですか?

高校生の時に、メガネのCMで男性がパルクールをしているのを見たのが最初のきっかけです。

ビルからビルへと飛び移ったり、高い場所から飛び降りたりするシーンを見て、最初は「きっとワイヤーやCGを使っているんだろう」と思っていたんです。でもそれが「パルクール」というもので、ワイヤーもCGも使っていないことを後々知って、驚きました。

元々体操や空手などいろいろなスポーツをやっていましたし、アクション教室に通っていた時期もあったので、「やってみたい!」と興味がわいて。ネットで練習会を探して、そこからパルクールを始めました。

——現在「パルクールアスリート」として活躍されていますが、パルクールを仕事にしようと思ったきっかけを教えてください!

19歳の時に、「忍者女子高生」というサントリーのWebCMに出演したのがきっかけです。

その時はパルクールを始めてまだ2年くらいでしたが、女性でパルクールをやっている人がかなり少なかったこともあり、たまたま私にオファーが来たんです。

表に出るのが苦手でしたし、パルクール歴も浅かったので不安はありましたが、滅多にない機会だと思って挑戦してみることにしました。

——『忍者女子高生』はすごく話題になりましたよね! 私はこのCMがきっかけでパルクールを知りました。

そう言ってくださる方はすごく多いんです。あのCMがきっかけで「女性でもできるんだ!」というイメージが広がって、初心者向けのワークショップへの女性の参加者が増えました。

自分の活動がきっかけで、色々な人に一歩踏み出すきっかけを作ることができるのはいいなと思って、そこからパルクールに本格的に取り組むようになっていきました。

また、女性のパルクールアスリートが少ないこともあって、CMをきっかけにパルクール関連のオファーをいただくようにもなりました。オファーが徐々に増えていくにつれ、仕事として取り組むようになっていった、という流れです

『鬼滅の刃』コスプレでのパルクール動画が100万回再生突破!

——パルクールのお仕事ってどういったものがあるんでしょうか?

CMやMVなどの映像作品への出演や、一般の方向けのワークショップの開催、ライブやトークショーなどでのパフォーマンス依頼ですね。パルクール関連のイベントで招待選手として演技をしたり、大会の審査員をしたりすることもあります。

——先日『鬼滅の刃』のコスプレでパフォーマンスする動画がUPされて話題になっていましたが、こちらもお仕事ですか?

 
 
 
 
 
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これは仕事ではなくて、仲間内で作った動画です。大阪の桜雲(AUN)というパフォーマンスチームに所属している友達に、「今度コスプレでパフォーマンス動画を撮るんだけど、どう?」と誘われたんです。
元々趣味でコスプレをしていたこともあるので、楽しそう! と思って参加しました。

——お仕事以外にも、いろいろな活動をされているんですね!

私のYouTubeチャンネルに『鬼滅の刃』関連の動画はいくつかUPしていますが、どれも100万回再生以上されていて、予想以上の反応にびっくりしています!
この動画をきっかけに、たくさんの人にパルクールを知ってもらえたら嬉しいですね。

人と競うのではなく、動きそのものを楽しめるのが魅力

(C)全日本パルクール連盟

——パルクールをやっていて「楽しい!」と感じる、一番の魅力を教えてください。

純粋に動きそのものを楽しめるスポーツというのが、一番の魅力ですね。

昔からいろいろなスポーツをやってきましたが、結果を残すために教わった通りのことをやる……というスポーツには、いまいち打ち込めなくて。
もっとスポーツそのものを純粋に楽しみたかったので、パルクールはすごく合っていたんだと思います。

大会に出場することもありますが、成績を残すためというより、今の自分がどれだけ動けるのかを確認したいから、という面が強いですね。

——人と競うのではなく、純粋に動きを楽しめるところが魅力なんですね。

あとは、自分のレベルに合わせて一つずつステップを踏んで練習ができるので、できないことができるようになった感覚も得やすいと思います。

たとえば、「台を飛び越える」という動作ひとつでも、障害物の大きさや高さを変えるだけで難易度は変わります。シンプルな動作が基本なので、難易度が低いものであればすぐに習得できます。

自分の技術レベルに合わせて少しずつ難易度を上げて、クリアしていくのは面白いですよ!

——パルクールをする中で、大変に感じることはありますか。

練習場所が少ないことですね。パルクールができるジムは都内に5〜6箇所ほどと少ないので、私はよく公園で練習しています。
でも、動きを見て真似する子どもがいると危ないので、子どもがいない時間帯を見計って練習に行きます。

普段から、街中で公園を見つけたら「練習場所になるかな?」とチェックするようにしていますね。

 
 
 
 
 
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——練習では、どういったトレーニングをしているんでしょうか。

毎回環境を変えたほうが楽しいので、色々な公園に足を運んでいて、その場で使えそうなものを探して練習しています。
「今日はジャンプを練習する」と決めて、同じ動きに集中的に取り組むこともあれば、「フロー」という、障害物を使って移動していく一連の流れを考えて、練習を進めていくこともあります。

——パルクールをやっているからこそ、ついやってしまう癖ってありますか?

駅のホームで電車を見て「屋根から屋根に飛べるな」とか、つい考えてしまうことは多いですね(笑)。

あとは、靴の裏に砂やゴミが付いているとすべりやすくなるので、パルクールでは動作に入る前に靴の裏を手でぬぐうんです。友達とアスレチックに遊びに行った時などに、その動きをついやってしまいます……。
周りから見たら「何やってるんだろう?」と思われているかもしれませんね(笑)。

メディア出演、YouTubeにSNS……幅広い人に、パルクールを正しく広めたい

(C)全日本パルクール連盟

——パルクールをやってきた中で、印象的だった出来事はありますか?

高校3年生の時に、パルクールを通じてオーストラリアの女の子と知り合ったんですが、4年越しにその子と世界大会で再会した時のことが、すごく印象に残っています。

当時の私はパルクールを始めて1年ほど、その子は3ヶ月と、お互いパルクール歴が浅い状態でした。その時はまだ英語が話せなくて、「英語ができるようになれば、海外の選手とも交流できる」と感じて。

その子との出会いがきっかけで、卒業後にロサンゼルスの大学に、勉強とパルクールのために留学することを決めたんです。

——その方との出会いが、進路を決めるきっかけになったんですね。

世界大会で再会した時にそのことを伝えたら、「私はひかりの姿を見て、『パルクール歴1年でこんなに動けるようになるんだ』と刺激をもらって、パルクールへのモチベーションがあがったのよ!」と言われました。

私との出会いが、世界大会に出るようなレベルまでパルクールに打ち込むきっかけになったんだ……とびっくりしましたし、嬉しかったです!

——今後の目標や「こんな活動をしたい」という展望を教えてください!

以前よりパルクールの認知度は上がりましたが、「女性にはできない」「運動神経がよくないと無理」というイメージを持つ方は少なくありません。でも、海外では老人ホームでのリハビリや、幼稚園の体育の授業に取り入れられているケースもあるんです。年齢や性別に関係なく、幅広い方が楽しめるスポーツということを、もっと伝えていきたいですね。

メディアへの出演や、大会やイベントへの参加はもちろん、YouTubeやSNSなど、いろいろな手段を使いながら、パルクールのことを正しく広めていけたらと思っています。

今が一番若い!「やってみたい」と思ったら一歩踏み出してほしい

(C)全日本パルクール連盟

——パルクールはどんな人に向いていますか?

好奇心があって、コツコツと練習を積むことができる人に向いていると思います。
パルクールは、どの障害物を使ってどんな風に動くかを自分で考えられるのが面白いところなんです。「こんな動きをしてみたい」と好奇心を持って取り組める人なら、楽しめるんじゃないかな、と思います。

また、基本動作がシンプルな分、技術を上げるには地道な練習が必要です。
たとえば、パルクールでは障害物から障害物へ飛び移る動きをよくするのですが、飛べる幅を広げるために、ひたすらジャンプを繰り返す練習をすることもあります。コツコツ練習に励める人のほうが、上達は早いと思います。

——パルクールをやってみたくなったら、まず何から始めたらいいんでしょうか。

近隣で練習会やジムを探して、初心者向けの講習を受けていただくのがいいと思います。独学で始められなくはないのですが、やはり危険が伴うスポーツなので、基礎を人から教わってから取り組んだほうがいいです。

基礎を学んだあとは、近所の公園で体を動かしてみたり、練習会で知り合った仲間と一緒に練習をしてみたりするのがいいかと思います。

最初のうちは、「自分はどのくらいの距離ジャンプできるのか」「どのくらいの距離だと怖さを感じるのか」など確認しつつ、無理のない動きからチャレンジしてみてください。

——パルクールを始めるにあたり、準備するものってありますか?

運動靴と動きやすい服装くらいでしょうか。運動靴は、すべりにくいものを選んでください。できればソールがゴム製のものだといいですね。

服装は、裾や袖が障害物に引っかかってしまうようなものは、避けたほうがいいです。最初のうちは長袖長ズボンだと怪我をしにくいと思います。

——パルクールを始めようか迷っている人へメッセージをお願いします!

もし少しでも興味があって迷っている状態なら、すぐに始めることをおすすめします!

「この年から始められるかな?」と迷われる方もいらっしゃいますが、これからの人生の中で今が一番若い時なので、興味を持ったタイミングでやってみていただきたいですね。

理想が高すぎると最初の一歩を踏み出しにくいので、最初は簡単な動きを習得するところから始めるのがいいと思います。最初の一歩は小さくてもいいので、「やってみたい」と思ったら、まずは一歩踏み出してみてほしいですね!

パルクールを始めるのにかかる費用

ワークショップ無料〜数千円 ※場所により異なる
運動靴、ウェア数千円〜

 

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