小さいころ、乗り物の運転手に憧れたことはありませんか?なかでも飛行機のパイロットは、なかなか手が届かない憧れのお仕事。
「一度はあのカッコいいコックピットで操縦してみたい……」
そんな夢をかなえてくれるフライトシミュレーターが、東京都品川にあるんだとか。
変わった乗り物が大好きで、帰省時は必ず飛行機に乗るフリーライター・ツマミ具依が体験してきました!
目次
SkyartJAPAN「ボーイングB777-300ER」フライトシミュレーター
品川駅から徒歩12分。オフィスビルの一角に、空への窓口はあります。
SKY ART JAPAN株式会社が運営するフライトシミュレーターでは、パイロット養成にも使われている本格的な2つのフライトシミュレーターを体験することができます。
「ボーイングB777-300ER」のシミュレーターは世界にわずか20台。新しく導入した「ボーイングB737MAX」は一般利用できる施設では世界に5台!そんな貴重なシミュレーターが揃っているなんて、飛行機好きにはたまりません!

「ボーイング777」の前で記念撮影。
フライトシミュレーター体験前に、本物のパイロットの制服に着替えて準備万端です。 機体も本物さながらでテンションが上がります。
スタッフの伊藤さんが案内をしてくれました。なんと、スタッフ全員がパイロットの免許を持っているそうです。

スタッフの方々。皆さんパイロット資格を持っているなんてかっこいい……!

フライトシミュレーターには、エンターテインメント用とプロ用があるのですが、ここはパイロットの訓練も可能なプロ用です。コックピット内のあらゆるものが再現ではなく実物と同じもので、スイッチのサイズからソフトウェアや操作まですべて本物の航空機と同じになっています。

プロも使う代物なんですね!!
飛行ルートは自分好みにカスタマイズ可能!
受付を済ませたら、飛行ルートを選びます。選べる空港はなんと約4万5000ヵ所。世界中の空港データが登録されていて、なかには今はもう使われていない空港もあるのだとか。さらに驚くのが、フライト時の天候・季節・時間帯まで指定できるという点です。

時間帯に希望はありますか?昼か夜が選べますよ。

時間と場所を自在に決定できるのすごい。神みたいだ……。

同乗するパイロットが、フライトコースを一緒に組んでくれる
迷った末、コースは馴染みのある羽田空港と、アメリカのケネディ空港を選びました。今回は全体で30分の体験なので、15分ずつのフライト。空港の滑走路から離陸し、上空を旋回して、同じ空港に着陸するというコースです。
ついにコックピットへ!ドキドキです……!各種飛行ラインセンスを持つ本物のパイロットがインストラクターとして同席してくれます。
まずは、帰省のときにおなじみの羽田空港の景色をコックピットから堪能したいと思います。
モニターの範囲が広いので、前も横も実際に景色が広がっているかのよう。
エンジンを制御するスラストレバーをあげて、離陸!
「ゴゴゴゴゴゴ」という音がとってもリアル。それもそのはずで、サウンドは実際のボーイングB777エンジンから直接サンプリングされたものだとか。

操縦かんを手前に引いていただくと、上に上がります。下に押すと下に下がります。

おお~スゴイ!連動して視界も変わりますね。

操縦かんは、実機に近い操縦の感覚が再現されているんですよ。

操作盤も実機と同じ操作音や照明とのこと

頭上にもボタンがびっしり
このボタンの多さ。パフォーマンス性能、電気系統、風圧、エンジン、空調などを統制するボタンは全部で100個以上。これらをパイロットは全部把握して操作しているわけです。すごすぎる。

一周ぐるっと回るようにしてみましょう。右手にスカイツリーみえますよ。

おぉ~上空からの景色が細かく再現されてますね。実際、飛行機を操縦しているときって景色を楽しむ余裕はあるんですか?

現実はちょっと厳しいですね。操縦しながら、コンピューター関係のことも同時にチェックしています。それに有事に備え、常に臨戦態勢を整えておかなきゃいけないので、「あぁ景色いいな~」とか思える余裕はないんですよね(笑)。

「スカイツリーだー!」ってテンション上がって何かあったら問題ですもんね(笑)。

はい(笑)。

そういえば、他の乗り物は運転手って普通1人ですよね。飛行機だと操縦席に2人いるのはなぜなんですか?

メインで操縦するのは1人で、もう1人はモニターをしているんです。パイロットは何百人というお客さまを乗せている、ものすごく責任の重たい仕事。コックピットでの仕事に1つもミスがないように、役割を2人に分けているんですね。これをツーマンコンセプトといいます。

めっちゃテストに出そう用語きた……!

では、滑走路に着陸します。

あれ、え、え?滑走路から位置がちょっとズレてませんか?

いま修正します。操縦かんを少し左に動かして、ゆっくり引きましょう。

おおお??

はい、そんな感じです。いいですよ。

細かい操縦が難しい!!この感じ、イライラ棒を思い出すな。
なんとか無事に着陸。大きな機体を扱っているのに、"微調整"が多くてすごく大変でした。いつも無事に地元やら取材先やらまで送り届けてくれてありがとうございます……!
この後、ケネディ空港を出発し、マンハッタンを一望するルートも体験。実際よりも高度を下げたフライトにしてもらえたので、エンパイアステートビルを間近に見ることができました!シミュレーターならではの光景も嬉しいですね。
以上で合計30分のフライトが終了。本物さながらでほどよい緊張感がありながら、とっても楽しく貴重な体験ができました!
コックピット以外にも”本物”がたくさん

備品も本物。フィリピンエアラインの「安全のしおり」

とってもリアルで大人向けVIPキッザニアって感じでした!ちなみに体験者はどんな方が多いんですか?

客層でいえば男性が多いですね。北海道から沖縄まで全国からいらっしゃいます。

えー!はるばる!

通常コックピットは立入禁止なので、一般の方はコックピットの中に入っただけでもかなり喜ばれますよ。
あとは、実際のパイロットの方が利用することもあります。実機のコックピットに乗せることはできないので、家族と一緒に来て、自分の仕事姿を子どもに見てもらったり、体験してもらったり。

うわ~最高の家族サービスですね。

もちろん、パイロットになるのが夢で、いろんな理由で叶わなかったけど、やっぱり操縦かんを握ってみたいという方もいらっしゃいます。パイロットは、学校へ行くのにもお金がかかりますし、身体検査をクリアする必要があるので、夢を断念せざるを得ない場合もけっこうあるんですよね。

ここでなら叶えられなかった夢が叶うってことですね。きっと感動ものなんだろうなあ。
「エアバス320」を再現した機内もレンタルが可能。ファーストクラスのゆったりフカフカな座席に座ることもできちゃいます。
グッズコーナーには他では見ないものがたくさん。実際に使用されているのと同じ型のパイロット用制服が買えたり、使用されていた機体から作ったキーホルダー、機内食を運ぶミールカートまでありました!

ミールカート
実際に使用されていたものだというから驚きです(しかも、買い手がついてた……)。
ここまで読んで、やってみたい!という人もいるかと思いますが、実は体験料が30分11,000円!かなり本気度が試されるお値段……!
ですが、本物のコックピットで操縦ができるなんて、航空ファンなら絶対に行っておきたい場所には間違いありません!パイロットに一度でも憧れたことがある人なら、思い切って奮発して行ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに贈り物用のギフトフライトコースもあるので、特別なプレゼントとして贈るのもいいかもしれませんよ。
フライトシミュレーター体験にかかる費用
30分 | 11,000円 |
60分 | 20,000円 |
制服レンタル | 2,000円 |
※キャンペーンで割引になっている場合もあるので、詳細はSKY ART JAPANのHPを確認してみてください!