「ソサイチは性別や年齢、経験に関わらず、誰でも気軽に始められるスポーツ。見るのもやるのも楽しいですよ!」
そう語るのは、ソサイチ日本代表の中川貴晴選手。
ソサイチを始めた2016年から第一線でプレーし続けており、2018年と2019年は関東リーグ1部の得点王に輝きました。さらに、スポーツ・エンターテインメント番組『SASUKE』に3回出場した経験を持つなど、多方面で活躍しています。
中川選手に、ソサイチとの出会いや現在の活動、競技としての魅力、初心者はどう始めたらいいのかなどを語っていただきました。
目次
「ソサイチ」はサッカーとフットサルを足して2で割ったようなスポーツ
――「ソサイチ」という名前を初めて伺ったのですが、ソサイチとはどんなスポーツなんでしょうか?

1950年代頃にブラジルのリオデジャネイロで発祥した7人制のサッカーで、社交的サッカーを意味する『Football Society(フットボール ソサエティ)』が語源となっています。
コートは縦45~55m×横25m~35m、ゴールはジュニアサッカーと同等サイズ。人数、サイズ感ともにサッカーとフットサルの間くらいです。
原則的にはサッカーのルールを適用しますが、交代自由、オフサイドなしといったフットサルのルールや、コーナーキックに相当するものはコーナースローで行うなど独自のルールも適用しています。なので、「サッカーとフットサルを足して2で割ったようなスポーツ」と言われることが多いですね。
――ルールやコートの大きさが変わると、試合の雰囲気もサッカーやフットサルとは変わりそうですね。

サッカーでは大量得点が取れる試合はなかなかないですが、ソサイチの場合はコートが小さいのでゴール数が多いです。1試合あたり両チーム合わせて平均で7ゴールくらい。0対0の試合はほぼないですね。
――中川選手はどのような経緯でソサイチと出会ったのでしょうか?

出会ったのは2016年です。もともとサッカー1本で人生を歩んでいましたが、一線を退きトレーナーとして働くことにしました。それでもボールを蹴ることが好きだったので、趣味レベルで楽しもうとフットサルのコミュニティに参加したんです。
ただ、コミュニティ自体は「フットサルを楽しもう!」という思考が強くて、スポーツとして取り組むにはレベルが物足りないと感じていました。そんなとき、なんとなくネットサーフィンをしていてソサイチを知ったんです。
――趣味でもスポーツには全力で取り組むタイプなんですね。ソサイチと出会った際には、どんな印象を抱きましたか?

7人制のサッカーとのことで、単純に面白そうだと思いました。僕が読んだページには「選抜チームを作って国際大会に参加する」とも書かれていたので、長年のサッカー経験から「もしかしたら」と思い、一度チャレンジしてみようとセレクションを受けました。
――セレクションを受けた結果はどうでしたか?

晴れて選抜チームのメンバーに選ばれスペイン遠征には行ったものの、結果は全敗。不甲斐ない結果で悔しさはありましたが、一方で「もっとできる」という自信も持ち帰ってきました。そして同年、再度選抜されたときのタイ遠征で日本チームが優勝し、自分の道がソサイチに決まった感じです。
日本一&得点王。目指していたものが現実に
――始めてすぐに二度も選抜チームのメンバーに選ばれたんですね!これまでの競技人生の中で、特に思い出に残っていることはありますか?

2019年に、始めてからずっと宣言していた「日本一になる」「得点王になる」の2つの目標を達成することができたことです。2017年に最終節で逆転されて得点王を逃していたので、より嬉しかったですね。
――2018年、2019年と2年連続で関東リーグ1部の得点王に輝きましたが、選出された時はどんなお気持ちでしたか?

本当に嬉しかったです!周りのサポートがなければ絶対に達成することができなかったので、とても感謝しています。僕が1人でドリブルをしてシュートした回数より、他の選手が一生懸命ディフェンスをしてボールをつないでくれた回数の方が圧倒的に多いですからね。
信頼関係が築けているからこそ、「あいつにボールを渡せば点を取ってくれる」とチームメイトからいいパスをもらえるので、ソサイチはコミュニケーションやお互いへのリスペクトも大事なスポーツですね。
――ソサイチをやっているからこそ身についた能力はありますか?

足元の技術が確実に上がりましたね。1対1のシチュエーションでのドリブルの仕方やトラップのコントロールは、昔サッカーをやっていた頃よりうまくなったんじゃないかと思います。
サッカーよりもコートが狭いので、これまで強みになっていた足の速さがソサイチでは活きないことに気づいたんです。それで、体の動きや相手との間合いなどをよく考えるようになったんですよね。
――ソサイチを始めてより成長できたということですね。中川選手は、あの人気番組『SASUKE』にも出場されているんですよね?

はい。2017年に初出場してから、ソサイチと並んで人生の軸になっています。
最初に出場したときは1stステージで脱落してしまいましたが、その後は自宅にセットを作って練習をし、2回目の出場でクリアすることができました。その後も、2ndステージでリタイアしたエリアを自宅に作り、3回目の挑戦で攻略しています。2019年は残念ながら呼ばれなかったですが、また出場させていただけるようトレーニングを続けていきたいです。
実は、SASUKEに出場する際の肩書きを「ソサイチ日本代表」にしているんですよ。そこを面白いと思ってもらえたことが初出場につながったようなので、自分のストロングポイントだと自覚して、ソサイチでも良い結果を出し続けなければならないと思っています。
疲れたら交代OK!人を集めやすいところも魅力
――中川選手が思う、ソサイチの良いところはなんでしょうか?

個人的には、7人制なのでメンバーを集めやすいのも魅力のひとつだと思っています。交代が自由で疲れたら交代したりと自分のコンディションを考えながらできるので、年齢に関係なく楽しめるところもいいですね。
――メンバーが集まりやすいのはチームスポーツにとってありがたいですね。練習や大会の頻度はどのようになっているのでしょうか?

普段は都内のサッカーコミュニティに入っていて、別に仕事を持っている人や他のフットサルのチームに入っている方たちと試合をしています。ソサイチのチーム活動への参加は月に2回ほどで、主に戦術の確認や技術的な練習をしています。
公式のリーグ戦は月に1回で、僕が所属している関東リーグ1部の場合は第一土曜日に試合を行なっています。10チームあるので、全9試合。さらに、10月に上位リーグと下位リーグの入れ替え戦プレーオフがあり、11月にチャンピオンカップという全国大会が行われます。
自分に合ったレベルを選んで参加可能。プロサッカー選手とプレーできるチャンスも!
――日本一、得点王を達成された今、どのような野望を抱いていますか?

これまで2シーズン連続で違うチームのメンバーとして得点王になり、また移籍をすることが決まったので、来期のチームでも得点王を狙います。それで優勝したら、自分の存在によってチームの成績が上がったということになりますよね。価値のある選手となって来年の表彰式でもスピーチをしたいです。
SASUKEでは、3rdステージのクリフハンガーという難度の高いエリアまで到達したいです。SASUKEは上半身の筋肉が必要になるエリアが多く、下半身を使うスポーツ選手は不向きだと言われているのですが、ボールを蹴ることが本職の人でも努力次第で戦えるということを証明したいですね。まったく違う分野であるソサイチできちんと成功をおさめながらSASUKEでも良い結果を残すのが理想です。
――ソサイチをやってみたいと思った場合、まず何から始めたらいいですか?

『エフチャンネル』というサイトにソサイチのイベントや大会の情報が掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。超初級・初級・中級・上級と4つのカテゴリーに分かれているので、初心者でもサッカー・フットサル経験のある人でも、自分に合ったレベルを選べますよ。
プロサッカー選手がオフシーズンの12月〜2月頃に、体を動かすために一般の方に混じってソサイチの大会に出ることもあります。テレビの中の選手とプレーできるのは楽しいですし、きっと負けてもいい思い出になると思いますよ。
――最後に、これからソサイチを始めようと考えている人へメッセージをお願いします!

老若男女、経験有無問わず、気軽に始められるスポーツなので、まずはイベントやワンデイの大会に足を運んでほしいです。「いきなりやるのはちょっと…」という方は、各地域で行われているリーグ戦を見に来ていただいて、「ソサイチってこんなスポーツなんだ」と楽しさを知っていただけたら嬉しいです。入場無料で1日に5試合くらい見ることができます。1試合40分で、点数もたくさん入るので、見ていて飽きないと思いますよ。
僕ら選手もこれからの活動や活躍でソサイチの認知度を上げて、どんどん盛り上げていけたらと思っています!
――今後のご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました!
ソサイチ体験にかかる費用
ワンデイの試合への出場 | 1,500円〜3,000円 ※1万5,000円〜2万円の会場・参加費を出場人数(7〜10人)で割って計算 |
すね当て(レガース) | 500円〜 |
シューズ(室内は体育館用のシューズ、芝会場はスパイク可) | 2500円〜 ※すね当てもシューズも、スポーツショップで購入可能です。会場にて販売・レンタルがあるので、手ぶらでの参加もOK! |