スリル満点の心理戦!元日本代表キャプテンが語る「カバディ」の奥深さ【マイナースポーツ特集#05】

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スリル満点の心理戦!元日本代表キャプテンが語る「カバディ」の奥深さ【マイナースポーツ特集#05】

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インド発祥のスポーツで、南アジアを中心に行われている「カバディ」。日本では漫画や映画の題材にもなっているため、競技名を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、カバディ日本代表の元キャプテン、本場インドのカバディプロチームにも在籍していた下川正將(まさゆき)選手です。

下川

「カバディは本当に奥が深くて面白いスポーツ。だからこそ、たくさんの人に知ってほしいです!」

カバディの話をする下川選手は、まるで少年のように瞳をキラキラと輝かせていました。

今回はなんと、日本代表の強化指定選手が集まる練習会に潜入!
練習の様子と合わせてカバディの魅力をたっぷりと語っていただきました!!

シンプルながら、圧倒される激しさもあるスポーツ

攻める下川選手

——練習を見学させていただきありがとうございました!あらためて、カバディとはどんなスポーツなのか教えてください。

下川

各チーム7名がコートに入り、2チームで争うスポーツです。ルールはとてもシンプル。

攻撃側の1名が守備側の陣地に入り、守備側のメンバーにタッチして自チームの陣地に戻ってこられれば、タッチした人数分の点数が入ります。一番の特徴は、攻めている間は「カバディ、カバディ」と言い続けなければならないこと。審判に言っていないと判断されると、攻撃手はアウトになり守備側に1点入ってしまいます。

守備側はタッチされないように避け、隙をみて攻撃手をつかまえにいきます。自陣に戻らせなければ守備側に1点、守備側が3人以下の時に捕まえると2点入ります。

「鬼ごっことドッジボールが融合したようなスポーツ」と言われることが多いですね。

激しい!攻撃側が陣地に戻らないよう、守備一体となってつかまえる

——ありがとうございます。思っていたより激しくて驚きました……!

下川

そうですね。守備側は攻撃側の選手を陣地に戻さないように、タックルをしたり、足首をつかんだりします。数人で手をつなぎ、相手を囲んでつかまえる場合もありますよ。

個人競技と団体競技の両方を味わえる

——下川選手がカバディを始めようと思ったきっかけは何ですか?

下川

大学に入るまでカバディというスポーツ自体を知りませんでした。それまで野球をやっていたのですが、大学では部活をする気はなかったんです。それが興味本位でカバディの見学に行って以来、すっかりハマってしまいました。

——ハマってしまった理由は……?

下川

「自分にもできそう」と思ってやってみたところ、想像以上に難しかったんです。タッチできそうなのにできない。体の使い方を工夫しないと、タッチできてもすぐにつかまえられてしまう……!

シンプルなルールの中に、一瞬も気を抜けないスリルや駆け引きがあって。知れば知るほど奥深い世界で、熱中するようになりました。

駆け引きと身のこなしが重要

——運命的な出会いだったんですね。特に魅力を感じるのはどんなところでしょうか?

下川

攻める時は1人、守る時はチーム。個人競技と団体競技の両方を味わえるのが面白いです。

また、失点したらアウトとなりコート外に出なければならないのですが、味方が点数を取ったら復活できるというルールがあります。チームとしての団結力や一体感を感じられるところも好きですね。

——大学3年生の時に日本代表に選出されていますが、カバディを始めてすぐに日本代表を目指されたのですか?

下川

いえ、最初のうちはカバディがとにかく面白くて、「もっと強くなりたい」という気持ちだけでやっていたんです。

しかし、日本代表選手と同じ体育館で練習する機会があったり、身近な先輩が日本代表に選ばれて世界大会で日の丸を背負って外国人選手と戦っている姿を間近で見たりといった機会があり「なんてかっこいいんだ!」と。自分も日本代表を目指したいと思うようになりました。

——これまでの競技人生の中で、もっとも印象に残っている出来事を教えてください。

下川

初めての海外遠征でインド代表を生で見たときの衝撃は今でも忘れないですね。技術が凄まじくて、攻撃も守備もアクロバティック。「カバディってこんなスポーツなんだ」と思うほどでした。

さらに、点数を取れずにいたら、わざと失敗して点数をくれたんです。「あまりにも点差がつくとかわいそう」という感じで。あれはかなり屈辱的でした……。自分たちがやってきたカバディがどれほど甘かったかを思い知らされた瞬間でしたね。

——その挫折を糧に強くなっていったんですね。カバディをやっているからこそ身についた癖って何かありますか?

下川

さわり癖といいますか……。攻撃側にまわったときに相手をタッチする感覚で、電信柱やポールがあると、ついさわりたくなってしまいます。手を伸ばして「届くかな?」と距離感を確かめたりもしますね。

——ちょっと、それ、おもしろすぎます!(笑)

下川

もちろん、知らない人を触ったりはしないですよ!

エレベーターのボタンを押すのも、さわれるかどうかギリギリの距離で、あえて遠くから。変人だと思われてしまいそうだ……。(笑)

道具もスキルも不要!体ひとつで誰でも挑戦できる

——普段はどういった場所で練習をしているのですか?

下川

体育館を借りることが多いです。走り込みや腕立て伏せなどの基礎トレーニングのほか、相手の足をつかむなど、カバディに必要な動作の練習もしています。あとはチーム分けをして試合形式での練習ですね。

基礎トレーニング・タックルの練習

——カバディを行うにあたって必要なものはありますか?

下川

体ひとつでできるスポーツで、道具やスキルは必要ありません。体の大きい、小さいも強さには関係がなく、たとえば小さいからこそ相手のふところに入り込めたり、狭いコートの中で素早く動くことができたりもします。

カバディは誰でも挑戦でき、個人の特性や過去にやってきたスポーツをを活かせる競技だと思います。

日本代表の強化指定選手では、もともとラグビーをやっていて体幹の強さを守備に活かしている選手や、バドミントンの経験を活かして俊敏な動きが強みの選手などがいます。

バドミントンから転向した選手の攻め、足の開き方が特徴的

——2014年から2018年の4年間、日本代表のキャプテンを務められましたよね。どんなことを感じていましたか?

下川

最初に日本代表に選ばれた時は、先輩たちについてくような形だったので、日の丸を背負っているという実感は正直薄かったです。自分がキャプテンになり、チームを引っ張っていかなければならない存在になってみて、周囲の応援や支えをより強く感じるようになり、「日本代表に恥じない戦いをしなければならない」という気持ちも大きくなりました。

——今後はどのような目標を描いていますか?

下川

アジア競技大会でメダルを獲得することが目標です。以前メダルを取ったときは控えだったので、今回はコートに立ち、活躍したいですね。
同時に、より多くの人にカバディのことを知ってもらうための活動も、積極的に行なっていきたいと思っています。

今から始めても日本代表選手になれる可能性あり!

——下川選手はカバディの普及活動にも熱心ですよね!

下川

メダルを取ったりなど良い結果を残しても、カバディのことを知らなければ、「へぇ」の一言で終わってしまいますよね。それが悔しいというか寂しくて。

もっとカバディのことを知ってほしいので、こうして取材を受けたり、自らSNSで発信したり。交流会への参加や講習会で話をしたりして、カバディの魅力をアピールしています。

——テレビ出演をされたこともあるのですね!

下川

はい。ほかにも、まだアイデア段階なのですが、カバディをもっとエンタメ化したら面白いんじゃないかと考えているんです。音響やライトを使って、観戦するのが楽しいと思ってもらえるようにできないかと。いやぁ、やりたいことが盛りだくさんです!

すみません、一気に話しすぎました……。カバディの話をしてると楽しくなっちゃうんですよね(笑)

はにかむ笑顔でカバディを語る

——いえ、カバディについてもっと知りたくなりました!実際にカバディをやってみたいと思った場合は、どうしたらいいのでしょうか?

下川

日本カバディ協会主催の体験会が月に1回あるので、ぜひそちらに申し込んでください。見学だけでも大歓迎です!

初心者も参加可能な有志練習を週に1〜2回行なっているチームもあり、体験会を経て、さらにカバディを続けたいという方が参加しています。

東京レイズ

下川

費用はだいたいが500円以下で、無料のところもあります。あまり費用をかけずに始められる気軽さも、カバディの魅力のひとつですね。最近は『灼熱カバディ』という漫画の影響で、体験者がかなり増えています。

下川

また、2019年4月に日本初のカバディスクールが横浜に開校しました!現カバディ女子代表の監督が代表を務めていて、小学生から大人まで受講できます。費用は月会費1,000円です。

カバディ教室(横浜カバディクラブ)

——最後に、これからカバディを始めてみようと考えている人に向けてメッセージをお願いします!

下川

「カバディという競技名はなんとなく聞いたことがあるけど、どんなスポーツなのかは知らない」という方が多いのではないかと思います。体を動かすことが好きであれば、きっと楽しめるはず。まずは一度体験してみてほしいです!

また、競技人口がまだ少ないので、日本代表になれるチャンスもあります。実際に漫画がきっかけで体験会に来て、日本代表に選ばれた選手が何人もいますからね!

7年後のアジア競技大会の舞台は日本。今から始めても日の丸を背負って活躍できる可能性は十分にありますよ!

——それはすごく夢のあるお話ですね。ありがとうございました!

カバディにかかる費用

体験会300円〜500円(保険料含む)
カバディ教室(横浜カバディクラブ)1,000円/月会費
練習への参加無料(有料の体育館を使用する場合を除く)
日本カバディ協会の入会費4,000円(学生は2,000円)

 

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