日々色好日 #77 「茅色-kayairo-」

特集

日々色好日 #77 「茅色-kayairo-」

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自分の部屋の家具やものの配置は、お洒落さよりも居心地のよさに重きをおいています。

背の高い家具を置かないようにし、お気に入りの本はタイトルがしっかり見えるように並べる。掃除は好きですが、埃がたまることはそれ自体がストレスになるので、細かいものは全て引き出しへ。

どうやら、私の居心地のよさは「スッキリ片付いている」「掃除が行き届いている」からくるところが大きいようです。

部屋でビデオ通話をしていると、家族や友達に「なんだか物が少ないね」「殺風景だね」と言われてしまうことがありますが、自分では自室の居心地のよさについて100満点だと思っているので、そのたびに「そう?」とすまし顔でこたえることにしています。


それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:茅色-kayairo-

茅色とは、葺きかえたばかりの茅葺き屋根のような赤みを帯びたくすんだ黄色のことです。別の表記では「萱色(かやいろ)」という字も当てられています。名前の通り、枯れた茅に由来する伝統色です。

茅色のほかにも枯れた植物に由来する伝統色は「枯色」や「枯野」などがありますが、華やかさのないこういった色に美しさを見出す、日本人の感性の豊かさを感じとることができる伝統色だと思います。

作品紹介:『ダカフェ日記』森友治

『ダカフェ日記』は、写真家・森友治による何気ない家族の日常を撮影した写真集。夫婦と子供二人と犬一匹の、やわらかくあたたかな毎日の空気が伝わってくる写真が印象的です。

十八歳の時に初めて自分の一眼レフカメラを手に入れてから現在まで、私にとって写真は特別な時に撮るものではなく、日常の何気ない一瞬を切り取るものとして存在しています。

撮り続けていると撮った写真は結構な枚数になり、外付けハードディスクの中身はこの十年間の日記のような感じになっていて、その中には懐かしい気持ちになる写真ではないものも混じっています。

行かなくなったカフェ、割ってしまったお気に入りのマグカップ、疎遠になってしまった友達、この世を去ったもう会えない人。

そこには私が失ってしまった何かがはっきりと残っていて、過ぎた時間がまき戻るような錯覚に陥ります。


見つめていたいような、目を背けたくなるような、複雑な気持ちになる写真というものがあるということ。ここまで写真を撮り続けていなかったら決してわからなかっただろうなと感じています。

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