日々色好日 #72 「青白磁-seihakuji-」

特集

日々色好日 #72 「青白磁-seihakuji-」

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あなたは、自分に何かがあった時、誰かに頼ることは得意でしょうか。

私はずっとそれが苦手でした。自分が誰かに頼ることは、自力で問題を解決できない未熟さの象徴であると思っていたからです。

それが変わったのは最近のことでした。

身近な人が困っていた時「何かできることはない?」とさりげなく訊いたら「ないよ~!大丈夫!」の一点張りをされたことでした。

大丈夫ではなさそうなのに大丈夫と言われ、壁を感じてしまい少し寂しい気持ちになったのです。

誰かに頼ることは、自分が未熟なことの象徴ではない。

「手伝って」「助けて」「お願いしてもいい?」この一言がナチュラルに言えるようになることは、相手のことを信頼していると同時に自分自身を信頼している証でもあると感じます。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:青白磁-seihakuji-

青白磁は、春の雲が霞む空のような淡く薄い青緑色のこと。名前の通り、焼き物である「青白磁(せいはくじ)」の美しい青みのある肌色に由来しています。

もともとは焼き物の方の青白磁の色合いを表す形容詞だったそうで、伝統色名として定着したのは近代からです。

焼き物に由来する伝統色は他にも「白磁(はくじ)」や「青磁(せいじ)」「秘色(ひそく)」「織部(おりべ)」など多く存在しますが、どれも透明感と深みのある美しい色となっています。

作品紹介:『雨の塔』宮木あや子

(あらすじ)ここでは衣服や食べ物は好きなだけ手に入る、でも情報と完璧な自由は与えられない。資産家の娘だけが入学できる全寮制の女子大「岬の学校」に入学した少女たち。同級生と心中未遂を起こした過去を抱える矢咲、有名ファッションデザイナーの母親に捨てられた小津、本妻の子ではない三島、母親がいない都岡。重たく深い孤独と絶望を抱えつつ、四人の少女それぞれが自分の生きている意味を探し出そうとする、美しく繊細な物語。


『雨の塔』は、自分がちょうど登場人物たちと同じくらいの年齢のころに初めて手に取った作品です。大好きで何度も何度も読み返し、現在も自室の本棚で大切に保管しています。

閉ざされた環境で絶望を抱えて生きることの痛みと、それでもこの先に歩む道に希望を探してしまう登場人物たちの姿が強く印象に残っています。

舞台設定や登場人物たちの個性、彼女たちの感情の機微とそれぞれの絶望、細かい日常の描写など、すべてがみずみずしい文章で書かれた、美しくもどこか寂しく虚しい気持ちになる物語です。

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