日々色好日 #69 「白百合色-shirayuriiro-」

特集

日々色好日 #69 「白百合色-shirayuriiro-」

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小さい頃はぬいぐるみをたくさん持っていました。

中でもお気に入りだったのがクリーム色の電池式で動く犬のぬいぐるみで、「シロ」という名前をつけて遊んでいました。

シロの右前足の骨が折れてしまったことがあり、子供ながらに添木をして包帯をまいたりと色々な処置をしていたのですが、ある時どこにもシロの姿がないことに気づきました。

母に訊いてみたところ、なんと「壊れていたから捨てちゃった」という衝撃発言が出てきました。気づいた時にはもう遅く、悲しみで怒る気力すらなかったことを鮮明に覚えています。

余談ですが、シロの首輪は遊ぶ時に外していたので可燃ゴミ行きを免れていて、今でも大切にとってあります。

大人になってからはぬいぐるみを買う機会はほとんどありませんが、時々シロに似たクリーム色のぬいぐるみを見つけると、それがどんな動物であろうが手に取ってしまうことがあります。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:白百合色-shirayuriiro-

白百合色は、白百合の花のようなわずかに黄色みのある白色のこと。

古くからの伝統色名ではなく、明治時代以降に西洋から伝わってきた色名「リリー・ホワイト」の訳語です。「リリー・ホワイト」という色名自体は、14世紀初めから西洋で使用されているそう。

白百合色の色みを日本の古くからの伝統色名で言うと、「卯の花色」がもっとも近い色です。

作品紹介:『吉野朔実は本が大好き』吉野朔実

(作品について)読書が大好きな漫画家・吉野朔実による読書エッセイ漫画『吉野朔実劇場』のシリーズ全8巻を、著者の没後に合本版として1冊に集めた作品集。書き下ろし6編も収録。


書店に行くたび、図書館に行くたび、本棚にぎっしりと詰め込まれた本ほど美しいものはない、と感動してしまいます。家族や友人たちにあまり共感されない感動なのですが、本が好きな(かつ収集癖の気がある)人にはわかってもらえるはず。

吉野朔実さんは2016年に亡くなっていますが、この読書エッセイ漫画を読んでいると彼女もまた、その類の感動を感じ、本を愛した人だったのだということが伝わってきます。

この厳しい世界を生きていくため、本、あるいは物語がなくてはならない、という人たちは意外と多いものです。かくいう私もそのひとり。

本を開いてページを捲るだけで、知らない場所、知らない人、知らない空気、知らない時間が流れる場所に行くことができます。それにどれほど助けられたことか。

現実の世界で心が暗闇に囲まれてしまい前が見えなくなった時でも、これまで読んできた全ての本、全ての物語が一点の光としてあったから生きてくることができた気がしています。

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