日々色好日 #63 「常盤色-tokiwairo-」

特集

日々色好日 #63 「常盤色-tokiwairo-」

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濃くたちこめる、湿った土と緑のにおい。

すごく好きな場所というわけではないのに、実家の裏庭に関する思い出は沢山あります。

どこまで深く穴を掘れるかというひとり遊びをしたことや、飼っていた犬と泥だらけになるほど遊んだこと。

タイムカプセルを埋めたこともあるし、夏休みに朝顔を育てたり、シャボン玉を飛ばしたり、母の植えたゴーヤを収穫したりもしました。

右端はユキヤナギと紫陽花で、そこから左へ順にサザンカ、ナンテン、モッコウバラにアイビー、カリンの木とサルスベリ。

どこに何の植物が植えられているのか、何がいつ咲くのか、そんなことまでちゃんと記憶していることがなんだか面白く、時々遠く離れたあの場所に立っていることを想像します。

触れることができるほど鮮明に思い描く。

不変のものなど何もない世界で、それでもあの庭だけは、いつまでもしっとりと緑豊かにあり続けてほしいと願ってしまいます。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:常盤色-tokiwairo-

常盤色とは、常緑樹の葉の色のような茶色味を含んだ濃い緑色のことです。

「常盤」は常に変わらないことを指す言葉。移ろう四季の中で変わらない緑の葉の色は古来から長寿や不変の象徴とされ、同系統の伝統色「千歳緑(ちとせみどり)」と同様に、緑を讃え長寿と繁栄の願いが込められている伝統色名です。

江戸時代には縁起の良い吉祥(このうえなくめでたいこと)の色として好まれていたとされます。

作品紹介:『Wall, Window』People In The Box

『Wall, Window』は、文学的な歌詞と確固たる音楽性でリスナーを惹きつけるスリーピースバンド・People In The Boxの5thアルバム。

People In The Boxの音楽はどれも大好きですが、特に『Wall, Window』はお守りのような存在で、何もかもがうまくいかないときには必ず聴いています。

すごく勇気が出るとかすごく前向きになれるというわけではないのに、今まで何度もこのアルバムに救われてきました。

自力で何かをなせずとも、存在に意味などなくても、自分が生きていることを肯定してもらえるような気がするのです。

なかでも特に思い入れがあるのは『もう大丈夫』『月』『風が吹いたら』という楽曲。曲にただよっている寂しさや優しさや美しさは、人生というものに存在しているそれと少しだけ似ている気がします。

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