日々色好日 #56 「弁柄色-bengarairo-」

特集

日々色好日 #56 「弁柄色-bengarairo-」

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「人として完璧になりたい」

欠けや歪みのない人間などいないと頭ではわかっているのですが、どうしてもそう考えてしまうことがよくあります。

見つめれば見つめるほど自分の不完全さが許せなく、いま自分が生きていることに意味を見出そうとしてしまう。

そうやって勝手にネガティブな方向へ行ってしまうのです。

そんな状態に陥っていることに少しでも気づいたら、友達や家族、好きな人たちの顔を思い浮かべるようにしています。

生きてる意味などなくただ不完全なだけの私に、これほど笑顔をくれている人たちがいる。

そこにあるあたたかさを踏みにじってはいけないなと思い、丸まった背中をぐっと伸ばす力が湧いてきます。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:弁柄色-bengarairo-

弁柄色とは赤みを帯びた暗い茶色のことを指し、「弁柄」以外にも「紅柄」「紅殻」と書かれることもあります。

ベンガラとは土中の鉄が酸化してできる「酸化第二鉄」を主成分とする顔料で、染料としてだけではなく、食品の着色料としても使われています。

弁柄色の「ベンガラ」という名前の由来は、インドのベンガル地方で弁柄色の良質な成分が取れたことからだそうです。

作品紹介:『Monster』chilldspot

自分の中にいる怪物を飼い慣らすのは簡単なことではない。

『Monster』はバンド・chilldspotによる2021年リリースの楽曲です。

この曲を聴いてから、自分の中にいる「もう一人の自分」の存在に目がいくようになりました。

わがままで気分屋でプライドが高く、感情の抑制がきかずにすぐ泣く人。

当然彼女も私の一部ではあるのですが、その存在が強く表に出てくるたびに「これは一体誰なのだろう?」と不思議に思っていました。

何気なく子供のころのことを思い出していた時、理由もないのに泣きだしてしまったことがありました。

口から出てくるのは「~してほしかった」という言葉ばかり。

そこでようやく、私はあの彼女が自分の「子供のころに満たされなかった記憶」であることに気づきました。

噛んで飲んで過去になったと思っていたのは今の自分だけで、消化できない満たされなさは全て彼女へ押し付けていただけだったのです。

人間が複雑な多面体であることを自分を通して実感した出来事でした。

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