日々色好日 #54 「裏葉色-urahairo-」

特集

日々色好日 #54 「裏葉色-urahairo-」

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何かを目指していても、夢があったとしても、確実にうまくいくかはわからないし、最悪の場合うまくいかないかもしれない。

いくつもの失望と挫折、そして絶望。

それでも明るい未来を望んでしまうこと。

自分のことがだんだんと情けなくなってくる日々が続いても、頼りない今の自分とこの場所から、いつかまっすぐで美しい花が咲くこと。

それを漠然と信じていたあの日々を思い出します。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:裏葉色-urahairo-

裏葉色は、木の葉や草の葉裏のようなくすんだ渋い薄緑色のことで、「うらはいろ」の他に「うらばいろ」とも呼ばれます。

同じ緑系統の伝統色である「草色」を薄めた染色につけられた色名で、平安時代にはすでにその名前が見られたそう。

裏葉色は上品な色合いなので、着物や乳幼児の御包(おくるみ)などの色として現代でも愛されよく使用される身近な伝統色です。

作品紹介:『浮き草デイズ』たかぎなおこ

『浮き草デイズ』はイラストレーターのたかぎなおこによるコミックエッセイ。会社をやめてフリーランスのイラストレーターを目指すため、ツテもコネもないまま上京。アルバイトに明け暮れ「これでいいんだっけ?」と思い悩むものの、生活のためには仕方がない。そんな作者のデビューまでの「浮き草」だった日々を描く作品。全2巻。

本作は可愛らしいタッチで描かれるイラストのコミックエッセイですが、内容は切実。

特に、目指すものがあるのに生活のためにそれとは違う労働をしなければならないことへの違和感や、周りの同年代や同じ道を志す人たちと自分を比べ募っていく劣等感、このままでいいのだろうか?これは正解だったのだろうか?と考え続けてしまう様子が丁寧に描かれていて、思わず「わかる!!」と何度も頷いてしまいました。

私自身ももともと写真家を目指し勢いで実家を出て横浜でアルバイトをしていたので、この作品を読むとどうしても当時のことを思い出し、あれはとても苦しい時期だったなと感情移入しています。

最終的に写真の道は諦めてしまいましたが、なんだかんだでそれが今のものを書く仕事につながっていった部分もあり、人生は無駄なことなどないのだと感じることも少しずつ増えてきました。

ただ年齢を重ねて鈍くなってしまったのか、それとも挫折して自由になれたのかはわかりませんが、遠回りも無駄ではなかったこと、誰かの作った「正解」は誰の人生にもあてはまらないことを、今なら理解できるようになったと思っています。

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