【今週のことばたち#23】幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる(ショーペンハウアー)

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【今週のことばたち#23】幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる(ショーペンハウアー)

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ミモザを買いました。

こんにちは。5月になり、いよいよ素敵な季節になってきました。春から夏の間って、途中梅雨が来てしまうのもあり、本当に一瞬ですが、素晴らしい季節だと思います。この文章を書いている今は、3月半ばということもあり、花粉症に悩まされながらも春の訪れを肌で感じ、少しワクワクするような、そんな日々です。

近況報告をすると……先日、観葉植物を買いました。きっかけはTwitterで流れてくる犬や猫、小鳥の動画です。ありきたりな話で申し訳ないのですが、なんであんなに動物って可愛いんでしょうか。田舎育ちで、野良犬に追いかけ回された経験から、動物は昔から苦手だと思っていたんですが、最近は可愛い動画に癒やされすぎて、そのトラウマも消えつつあります。

「あぁ、いつか子猫とかお迎えしてみたいな」と思う日々……なのですが、僕自身はまだまだ売れない新米脚本家。自分のご飯を用意するので精一杯で、責任をもってワンちゃんや猫ちゃんを迎え入れることはできそうにありません。なので、(前置きは長くなりましたが)先日、観葉植物を買いました。「ミモザ」という植物です。ミモザは5月頃に(そう、まさに今、皆さんが過ごしている季節です)黄色い小さな花を咲かせる植物で、お話や歌なんかにもちょこちょこ出てくるのでご存知の方も多いかもしれません。

仕事用のテーブルの小脇にある窓の縁に乗せようとしたもののバランスが悪く、今は本棚の上に置いてあるのですが、毎日様子を伺います。土が乾いていれば霧吹きで水をあげます。毎朝、声を出すわけではありませんが、心のなかで「おはよう、元気かい?」と訪ねます。そうすると、「ぼちぼちですよ」「今日はおひさまが出てていい気分です」などと言っている気がします。自由な仕事なのでこれまでもストレスが多かったわけじゃないんですが、子犬・子猫代わりにお迎えしたミモザさんは凄くしなやかで、青空に向かってすくすく育つその姿を見ていると、なんだか人生の彩りが少し増えた気がして。これまでより、ほんの少し明るい日々を過ごしています。

……と、いつも以上雑談が多いのですが、今日はこうした他愛もない幸せなこと、明るいことに関する名言を取り上げたいと思います。

今週の名言は……

今週の名言は、ドイツの哲学者・ショーペンハウアーの残したことば、『幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる』です。

ショーペンハウアーは、1788年生まれの哲学者で、『意志と表象としての世界』などが主著として著名であり、また、仏教やインド哲学にも造詣が深く、日本でも森鴎外をはじめ、多くの小説家・哲学者に影響を与えた存在らしいです。ただ、ショーペンハウアーは難しい哲学書だけではなく、『幸福について』という幸せについて考えた本などもあり、その思想は哲学に普段、縁のない方にとっても興味深い、役に立つ内容が多いのではないかと思います。

そんなショーペンハウアーが残したことば、『幸せを数えたら、あなたはすぐ幸せになれる』について、これから考えていきたいと思います。

今、目の前にある幸せはなんですか?

突然ですが、今、このコラムを読んでいるあなたにとって、「目の前」にある幸せってなんでしょうか。今っていつ? 今です。まさに、この文章を読んで下さっている今です。

「軽くて楽しいコラムを読めている」なんて思ってくださった方は本当に優しい素敵な方ですが、それ以外で全く問題ありません。少し、スマホなり、パソコンから目を話し、周囲を見渡してみて下さい。……いかがでしょうか? ある人は、「そういえば、このスマホ先週新しいのにしたばっかなんだよな」と思ったかもしれませんし、「窓から差し込んでくる土曜のお昼の陽の光があたたかいな」と思った人もいるかもしれません。あるいは電車の車内で「向かいに座っている親子が楽しそうにしていて幸せな気分になった」なんて人もいるかもしれません。きっと、この文章を読んで下さっている人の数だけ、「目の前」にある幸せがあるはずです。そして、今回の名言は、この「目の前にある幸せ」「見渡せばそこにある幸せ」こそが鍵になると思うんです。

幸せを幸せと認識する難しさ

私たちは普段、悪いところに目が行くようにできています。テレビをつければ、凄惨な事件をはじめ、さまざまな社会問題が取り上げられています。SNSを利用していても、話題になるトピックの多くは何らかの不祥事や事件、事故だったりします。もちろん、社会や現実を知るという意味で、こうした悪いニュースを知ることは大切ですが、刺激的な事件に身体が馴染んでしまい、小さな幸せに目が行かなくなってしまうのは、本当にもったいないです。とはいえ、世間で大きな問題が取り沙汰されているときに、あたたかいお茶を飲んだ時のなんとも言えない安心感をわざわざ認識するのって、なかなか難しいです。でも、そこにはきっと、幸せに生きるためのヒントがある。ショーペンハウアーはそう言っているような気がするんです。

幸せを「数える」ということ

ショーペンハウアーは、この名言の中で幸せを「数える」と言っています。この表現から分かるのは、ショーペンハウアーは幸せを単なる状態ではなく、具体的な事象1つ1つであると考えているということです。要するに、色んなことをあわせての「幸せ」だけでなく、◯◯がこうだから幸せ、と1つ1つを幸せと数えることができる、と言っているということです。そして、なぜショーペンハウアーは幸せを数えることができるものだとしたかといえば、(最初の話に戻るのですが)まさに、「目の前」にある幸せに気づいてほしかったから何じゃないかと思います。人は、「数えなさい」と言われると、それを可能なこととして、目の前に集中します。普段は意識していないことを意識化し、集中するようになります。そのようにすることで、ショーペンハウアーは自分の日々がいかに幸せが溢れているのかに気づかせようとしたんじゃないかと思うんです。

幸せを数えてみました

せっかくなので、今、僕も簡単に幸せを数えてみることにします。全部は取り上げられませんが、思うがままに、あげてみます。「お気に入りのオーディオから大好きなビル・エヴァンスの曲が掛かっている」「オレンジ色の電灯が好きな色」「夜の窓の外の静けさが落ち着く」「来週締切の脚本の仕事があり、一応脚本家として仕事ができているのを実感する」「明日、好きな詩人の本が家に届くので楽しみ」「冷たいルイボスティーが美味しい」「5月に咲くミモザの花が楽しみ」……。本当に思いついたままにあげてみましたが、実際やってみて自分でも驚きました。まさかこんなにも自分が幸せに溢れているなんて。

ということで……

ということで、今日はショーペンハウアーの名言を取り上げ、幸せについて考えてみました。先程あげた幸せは、どれもはあまりにも小さな、他愛もない幸せです。ですが、そんな小さな幸せを1つ1つ集めて、大切に抱きしめていく生き方というのは凄く素敵だし、なんだかとても豊かな気がします。なかなか苦しい日々は続きますが、このコラムもまた、皆さんにとって小さな小さな幸せの一つになれたら嬉しいです。

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