日々色好日 #48 「白銅色-hakudouiro-」

特集

日々色好日 #48 「白銅色-hakudouiro-」

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昔からずっと寝付きがいいほうではないので、眠れない夜の過ごしかたのパターンをいくつか持っています。

その中のひとつで気に入っているのが、妄想の世界に少しだけ足をつっこむこと。

例えば近い未来にみなとみらいの建物群が風蝕し、あの一帯が砂漠になる様子を想像したりしてはちょっとだけどきどきしています。

趣味がいい妄想とは言えないし、SF小説の読みすぎなことは確か。でも、白っぽい砂漠とぼろぼろの崩れかけのビルを想像すると、どういうわけだか不思議と安らかな気持ちになっていくのです。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:白銅色-hakudouiro-

白銅色は青みを含んだ明るい灰色のことです。

使用されるようになったのは近代からで、明治時代以降の新しい色名とされています。

金属の「白銅」にちなんだ伝統色名ですが、実際の白銅の色は白銅色よりも金属的な光沢があります。

作品紹介:『夜とコンクリート』町田洋

『夜とコンクリート』は漫画家・町田洋による短編漫画集。表題作『夜とコンクリート』のほか、『夏休みの町』『青いサイダー』『発泡酒』の3編が収録されています。

『夜のコンクリート』では不眠症の建築士が出会うビルの声が聞こえる男の話を描き、『夏休みの町』では66年前に失踪した戦友を連れ戻すために別の世界から来た人物と友人たちとの夏を、『青いサイダー』では屋上にいる謎の「センニン」という男と少女の交流を、『発泡酒』では時間が流れることの切なさを描いています。

この作品をじっくりと読んでいくと、どこまでが現実でどこまでが現実ではないのか、その境界線がだんだんとわからなくなってきてしまいます。

誰かの夢の中、あるいは誰かの妄想の世界の中に入ってしまったような、ぼんやりと不確かな気持ちになる世界観が続いていくのです。

それでいて決して怖いわけではなく、むしろとても穏やかな印象が残る不思議な読後感があります。

表題作の『夜とコンクリート』では「建物が眠る時間」が存在するという台詞が出てきますが、それを読んで以来、午前3時から夜明けまでの静寂がより一層美しく感じられるようになり、真夜中から明け方に目が覚めたら必ずじっと耳を澄ませて静寂を味わうようになりました。

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