日々色好日 #45 「素鼠-sunezumi-」

特集

日々色好日 #45 「素鼠-sunezumi-」

特集

駅から離れた場所に引っ越しました。

新しい部屋には広めのベランダがあって、少し遠くにある規模の大きい建設現場がよく見えます。

何を建てているのかはわかりませんが、いくつもの重機がゆっくりと動くのは眺めがいがありますし、あんなに大きなものを人が動かしている!という驚きもまた楽しいです。

よく晴れた日はとくにクレーンの赤と白のコントラストが美しく、つい何度もベランダに出てしまいます。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:素鼠-sunezumi-

素鼠は他の色を含まない鼠色のことで、中明度の無彩色です。

素鼠の「素」は「混じりけのない」という意味で素顔や素肌と同じ使い方をされます。

江戸時代後期、「鼠色」は「四十八茶百鼠」と呼ばれるように様々な色味がある人気の色でした。

作品紹介:『バベル九朔』万城目学

(あらすじ)主人公の「俺」は、亡き祖父の残したおんぼろ雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら小説家になるべく日々を過ごしていた。気味の悪いカラス女、巨大ネズミの出没、空き巣事件と、ドミノ倒しのように様々な出来事が起き主人公を巻き込んでいく。世界の一大事と「バベル九朔」の本当の姿とは。

『バベル九朔』は『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』など多くの話題作を世に生み出し続けている作家・万城目学による長編小説です。

作家になりたいのに文学賞にはかすりもせず燻っている主人公を見て、そういえば自分にもそんな時期があったことを思い出しました。

情熱と陶酔、嫉妬と羨望、苦悩、焦燥。そしてやがて訪れる挫折。

今なら当時の経験を無駄ではないと思えますが、夢だけでは食べていけない現実を受け入れた時の虚しさはとても大きかったのです。

それは私が人生で経験した初めての絶望でした。

人気記事Ranking
  • 月間

  • 週間

  • すべて

menu

したい・ほしいを探す

したい・ほしいを叶える