日々色好日 #31 「勿忘草-Wasurenagusa-」

特集

日々色好日 #31 「勿忘草-Wasurenagusa-」

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映画館を出て歩きながら余韻を味わっていると、自分がハイティーンの時に感じていた孤独の気配を思い出そうとしていることに気づきました。

寂しさや疎外感、理解者を求める気持ち、承認欲求……。あれもこれも真剣で切実だったはずなのに、10数年経った今思い出すと恥ずかしいことばかり。

みなさんはどんな気持ちであのころを過ごしたのでしょうか。

少しだけ開いた窓の中へ声をかけるように、今隣にいる人がどんなふうに過ごしてきたのかを聞いてみるのも面白いかもしれません。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:勿忘草-Wasurenagusa-

勿忘草とは植物のワスレナグサの花のような可憐な明るい青色のこと。明治時代からの比較的新しい伝統色名です。

上田敏の訳した『海潮音』でドイツの詩人ウィルヘルム・アレントの『勿忘草』が紹介され、それがそのまま花の名前と色名として日本で知られるようになったとも言われています。

ちなみにワスレナグサの花言葉は「私を忘れないで」と「真実の友情」です。

作品紹介:『mid90s ミッドナインティーズ』ジョナ·ヒル

(あらすじ)1990年代のロサンゼルス、主人公のスティーヴィーは兄と母と暮らしている。兄と物々交換をしスケートボードを手に入れたスティーヴィーは街のスケートボードショップを訪れ、そこでたむろしていた少年たちと出会う。何者にもとらわれず自由な彼らとスケートボードとの出会いがスティーヴィーを変えていくが。映画スタジオA24とタッグを組んだ、監督ジョナ・ヒルのデビュー作品。

10代後半の少年少女には、家庭や学校といったいつもの場所以外の待避所が必要なのだということに大人になってから気がつきました。

私自身は本の中の世界が待避所で、この映画の主人公であるスティーヴィーにとってはスケボーとスケボー仲間がそれにあたります。

そういう場所があると少しだけ楽に息ができるようになることをこの映画を観て久々に思い出しました。

そして友達の存在です。仲良しであることだけが友達ではなく、ぶつかったり喧嘩したりするのも友達だということもすっかり忘れていました。

嫉妬、尊敬、憧れ、焦燥、劣等感、苛立ち、喜び……。懐かしくも複雑。そういった感情をしっかりと思い出しましたが、それと同時に私の「あのころ」はもう過ぎ去ったものであることにも気づき、少しだけ寂しい気持ちになりました。

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