日々色好日 #24 「桑の実色-Kuwanomiiro-」

特集

日々色好日 #24 「桑の実色-Kuwanomiiro-」

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ドドメが桑の実の別名であると知ったのは大人になってからでした。

ずっと昔の話。養蚕業が盛んな地域だったからか、私の祖父は桑の木が群生している場所をいくつか知っていて、私と姉が子供のころにはよくドドメを食べに連れていってくれました。

木からもいで食べたドドメはやわらかく甘く、酸味は少なく、微かに土の香りがする野趣あふれる味。指と舌を紫色にしながら夢中で食べたこと、祖父がなんとなく嬉しそうな顔をしていたことを、今でもよく思い出します。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:桑の実色-Kuwanomiiro-

桑の実色は名前のとおり、熟した桑の実のような暗い赤紫色のことを指します。

桑の実色は平安時代には「桑染(くわぞめ)」「桑色(くわいろ)」という呼ばれ方をされていたようですが、桑の木の樹皮を使用して染めた黄褐色も同様の色名で呼ばれていたので混同しないために江戸時代から「桑の実色」と呼ばれるようになったそうです。

作品紹介:『ポップライフ』南Q太

(あらすじ)半休業中の漫画家でありシングルマザーである北野さくらは、元々飲み友達の千葉明海と三年前からルームシェアをしている。さくらの息子であり通信制高校二年生のかえで、明海の息子で小学生のたいち、同じく小学生の娘るる。五人暮らしの穏やかに過ぎる日々の中で、それぞれが少しずつ変わっていく様子をやわらかに描いた南Q太の漫画作品。

ただいまやおかえり、おはようやおやすみ、今日あったこと、愚痴や笑い話、いつもの散歩コース、好きなケーキ屋さん。時々喧嘩をして、それでもまた笑ってしまって、真面目な話もくだらない話も尽きることはなく日常が続いていく……

『ポップライフ』は誰かと生活をわかち合うことの穏やかな安心感を描きつつ、それぞれが歩いていくことや変化していくことの切なさを少ない言葉や登場人物の表情で丁寧に表現しています。

この作品を読むと、どんなにありふれているような日常だとしても、いまこの瞬間を憶えていたいと強く思います。

いつか「いま」が過去になって何かを失ったとしても、思い出した時にきらめくそれはきっと力になるような、そんな気がしているからかもしれません。

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