日々色好日 #22 「紅赤-beniaka-」

特集

日々色好日 #22 「紅赤-beniaka-」

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綺麗なビーズを見るとついつい買い集めてしまいます。色別にケースに収納して、時々取り出して眺めたり、光にかざしたり……

何かに使うわけではなく、生活するのに絶対に必要なものでもない、ただの安価なビーズ。

それはいってしまえば「無駄」なものですが、そんな美しい無駄を大切にすることによって何かが豊かになることもあるはずだと信じています。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:紅赤-beniaka-

紅赤はわずかに紫味のあるあざやかな赤色のことです。

江戸時代、紅色は「紅一匁、金一匁(べにいちもんめ、きんいちもんめ)」と金に並べて呼ばれるほど高価なもので、庶民は比較的安価な「蘇芳(すおう)」や「茜(あかね)」を紅の代用としていたそう。

紅赤はベニバナから黄色の色素をのぞいて染め、大量のベニバナを使用することから最も価値のある高価な色でした。

紅赤は現在も人気の色として存在し、また、サツマイモの品種名としても知られています。

作品紹介:『いくつもの週末』江國香織

(作品について)「いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木端微塵だ。南の島で木端微塵。ちょっと憧れないこともないけれど」

サラリーマンの夫との日々の生活を綴った、恋愛小説の名手による瑞々しくやわらかなエッセイ集。

「無論結婚は”struggle”(努力・闘い)だ」と著者は述べます。

一緒に食べるご飯やくっついて眠る夜、高頻度で発生する喧嘩、幸福とわずらわしさ、そして迎えるいくつもの週末。

このエッセイには誰かと生活を共にすることのあざやかな幸せと深い孤独が描かれていて、「結婚してから生活が色つきになった」という一文にそれらがすべてつめ込まれていると感じました。

人生における美しい無駄を愛すること、そしてそれを信じることを丁寧に描く、ビターチョコレートのように甘くて苦いエッセイ集です。

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