日々色好日 #18 「白群-byakugun」

特集

日々色好日 #18 「白群-byakugun」

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優等生ではなかったので夏は水泳の授業をサボってばかりいた記憶があります。塩素の匂いも、足裏に張り付くような更衣室の床も、ぬるい水たまりがそこかしこにあるプールサイドも、何もかもが憂鬱で仕方がありませんでした。

それでも夏の終わり誰もいなくなったプールだけは好きで、校舎の三階の窓からよく眺めていたことを覚えています。あのころ、日の光を反射して白っぽく光るプールは少しだけ寂しそうな顔をしていました。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:白群-byakugun-

白群は白味を帯びた柔らかい青色のことです。

群青色の岩絵の具に用いる顔料の「藍銅鉱(アズライト)」を砕いて作られた粒子を、さらに細かく粉砕してできる白味を帯びた淡い青色を指します。

同じ顔料を用いて作られる色ですが、粒子の細かさや色の濃淡で『群青(ぐんじょう)』、『紺青(こんじょう)』、『白群』と色名が変わるそうです。

作品紹介:映画『イン·ザ·プール』三木聡

(あらすじ)

精神科医の伊良部一郎は伊良部総合病院の息子で、デブ、マザコン、注射フェチ。運動のためにプールに通い始めたはずが依存症になってしまう男性や、継続性勃起症のサラリーマン、火の始末の確認行為がやがて過剰になってしまう強迫神経症のルポライターなど、様々な問題を抱えた患者を「いらっしゃーい」と能天気な声で迎える。

『イン・ザ・プール』は作家・奥田英郎の同タイトルの小説を原作に、『亀は意外と速く泳ぐ』などを手がける監督・三木聡がメガホンをとった2005年制作の映画です。主演は松尾スズキ、共演は田辺誠一、オダギリジョー、市川実和子。

この映画を初めて観たのは中学生の時で、デリケートなテーマをコミカルに描いていることに驚きました。

精神的な重いテーマをこんなに面白おかしくして大丈夫なのだろうか……とハラハラしていましたが、松尾スズキ演じる伊良部一郎のかもし出す無責任に陽気でふざけた空気と訪れる患者の深刻さの真逆のバランスがとてもよく描かれていて、観終わった後は不思議と肩の力が抜けていました。

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