やってはいけないことほどやりたくなってしまう。
越えてはいけない境界線があると越えたくなり、押してはいけないボタンも押したくなり、壊れやすいので触ってはいけないものも触りたくなってしまいます。
それらは大事につながることもあり決していいこととは言えないのですが、私も人間なので大事にならないであろう小さなルールを破る事は時々あります。
小さなルールを破るそのときの迷いや不安、そしてルールを破ったときの快感というか清々しさは、今回の紹介作品『アメリ』の主人公・アメリの小さないたずらと少しだけ似ている気持ちだなと思いました。
それでは、本日の伝統色を紹介します。
目次
伝統色紹介:緋-ake-
緋(あけ)は黄色味のある鮮やかな赤色で、平安時代から使用された歴史の深い伝統色です。
アカネ科の多年草の植物であるアカネの根を染料に用い灰汁で媒染(染料を繊維に定着させること)していたそうですが、平安中期から染色方法が変わったことで色調がより鮮やかな色となり、読み方も「緋色(ひいろ)」に変化していきました。
「あけ」という名前は日の色や火の色を指し、大和朝廷時代に官人の服装の色として定められ、紫についで位の高い色とされていたそうです。
作品紹介:『アメリ』ジャン=ピエール・ジュネ
(あらすじ)
人生というものは、ドラマチックに平凡で驚くほど美しい。
パリ・モンマルトルのカフェで働く主人公・アメリは空想が大好きな少し変わった22歳。好きな事はクレームブリュレのカリカリした部分をスプーンで割ること。ひょんなことをきっかけに、アメリは他人を幸せにするためのお節介や悪戯を仕掛けることに喜びを見出していくが……。
映画『アメリ』は2001年4月に公開されたフランス映画。脚本・監督はジャン=ピエール・ジュネ。主演はオドレイ・トトゥ。
この映画を初めて見たのは確か15歳の時だったと思います。
当時の私はこれから先なんとなく勉強して、なんとなく進学して、なんとなく働いて、特に劇的なこともなく毎日毎日同じことをして暮らしていくのだろうと思っていたし、そういう単調で平凡な人生がつまらないと思っていました。そんな人生に喜びなんてないと。
そんな時にテレビで見たのが『アメリ』でした。最初は興味もなく見ていましたが途中からぐっと引き込まれ、ラストシーンからエンドロールまで真剣に見たこと、派手なシーンや劇的な展開があるわけではないのに深く感動したこと、私の単調で平凡でな人生も悪くないのかもと思ったことを、今でもしっかりと覚えています。
ちなみに、私のやってしまう小さな悪事は冷凍庫に入っている誰かのアイスを勝手に食べること。食べた後に同じアイスを買ってバレないように戻しておくのがミソで、ちょっとだけうしろめたくドキドキハラハラするあの感じがくせになります。