日々色好日 #16 「紺碧-konpeki-」

特集

日々色好日 #16 「紺碧-konpeki-」

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車窓から見えるやわらかな光。緩やかに角を曲がると海が見える。

海が好きです。あたたかく晴れた日の凪いだ海は特に美しく、何度見ても大袈裟に感動してしまいます。

いつだったか鎌倉駅から江ノ電に乗った時に、隣に座った海外旅行客の女性が海を眺めてぽつりと「グッデイ」と呟いているのを耳にしました。

日差しが反射してきらめく海とあたたかで静かな江ノ電、夢の中のようにぼんやりとして美しい今この瞬間を表すのにぴったりな言葉だと感動したことを憶えています。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:紺碧-konpeki-

紺碧は深く濃い青色のことを指す色名で、濃い青色である『紺色』と強い青緑色の『碧色』という、青を表す二つの色名の頭をとって成り立っています。

「紺碧の空」「紺碧の海」など、濃く美しい青の表現によく使用される馴染みの深い伝統色です。

紺碧は英語では『azure(アジュール)』と呼ばれますが、『azure』は紺碧よりも幅広い青色を表す色名だそう。

また反対に、『azure』を「紺碧」と和訳する場合は海の色を表現していることが多いようです。

作品紹介:『ガールズ・ブルー』あさのあつこ

(あらすじ)

教室に漂う気怠さ、肌で感じる日差し、夏の空気、夏のにおい。生温い風が制服のスカートを揺らす。

落ちこぼれ高校に通う理穂と美咲と如月。理穂は誕生日目前に失恋してしまい、授業中に寝てばかりいる如月は天才と呼ばれる野球選手の兄となにかと比較される。病弱で入退院を繰り返している美咲は同情されることをなにより嫌悪している。揺れ動く夏、不確かで不安定で不完全な17歳の夏を、繊細に捉えて描いたあさのあつこの青春小説。

あの夏の日、自分が何を考えて、何に悩んで、何をしていたか。

短くしたスカートの丈、バレない程度の色のマニキュアをこっそり塗ること、あの子とあの子は仲が良くてあのグループはどうこうといった噂話、踏み潰した学校指定のローファーの踵、教室から見えるグラウンド、授業中にまわされるルーズリーフをハート型に折った手紙。

私自身の17歳の夏から、すでに10年という月日が経ちました。

今ではその全てがもう過ぎていってしまったことであると感じていますが、それでもこの小説を読むと、わずかに記憶に残っているあの夏を思い出して少しだけ感傷的な気分になってしまいます。

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