日々色好日 #13 「群青色-gunjoiro-」

特集

日々色好日 #13 「群青色-gunjoiro-」

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小さな窓から見える景色にはいつだってときめきを隠せません。飛行機は3年に1度乗るか乗らないか、という頻度でしか利用しない交通機関ですが、だからこそ乗る機会がある時は何もかもにワクワクしてしまいます

数年前の夏に北海道へ旅行した時の景色は特に美しく、低層の雲と地形が見えたことや、上を見ると深く美しい青が見えたことがずっと記憶に残っています。

高いところが苦手で飛行機に恐怖心がないと言ったら嘘になりますが、怖さよりも好奇心が勝ってしまい、フライト中は小さな窓の外をじっと見つめてしまうのでした。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:群青色-gunjoiro-

群青色は深い青色のことを指します。色名の由来は日本画の画材である岩絵具の「群青」だそう。

岩絵具の群青はもともと鉱物のラピスラズリ(瑠璃)が原料となって作られていましたが、ラピスラズリは宝石としてとても高価だったため、代替として鉱物のアズライトを使用するようになっていったとされています。

岩絵具としての群青は江戸中期の画法書にも名前が見られますが、染色名として使用されはじめた年代は不明とされています。

作品紹介:『夜のカフェテラス』フィンセント·ファン·ゴッホ

【作品について】『夜のカフェテラス』は『ひまわり』で有名な画家のフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた油彩画。モチーフとなったカフェテラスは南フランス・アルルに実在する。1888年制作、クレラー・ミュラー美術館収蔵。

ゴッホの存在を知ったのは小学校の図書室にあった伝記を読んだ時でした。それはとても衝撃的な体験だったことを憶えています。画家としての不遇の人生と、自分の耳を切り落とすなどの狂気じみた行動の数々。幼い自分には理解が及ばないことばかりで、恐怖に近い感情がわきました。

今回ここでゴッホの作品を取り上げるにあたって、大人になってからふたたび彼の人生をなぞる機会を得ることになりました。

フィンセント・ファン・ゴッホというひとりの人間の、圧倒的な孤独と弟や恋人や友人に見捨てられるかもしれないという恐怖、寂しさ、絶望、絵に対する情熱。およそ20年ぶりに再会したゴッホは以前と全く違う印象で、生きようと必死にもがくその姿にはこみ上げるものがありました。

『夜のカフェテラス』は深く青い夜空と、あたたかな暖色の明かりが灯るカフェテラスを少し離れた場所からの構図で描かれている作品です。

ゴッホは補色(色相環上で対になる色)についての理論を理解して絵を描いていたとされ、短い生涯の中で美しく現実離れした色合いの作品を多く残しています。

 

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