日々色好日 #12 「鮮緑-senryoku-」

特集

日々色好日 #12 「鮮緑-senryoku-」

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初めて自分で電話をかけたのは小学校低学年のころ。スマホなどなかった当時は公衆電話から電話をかける課外授業があって、確か祖母に電話をかけた記憶があります。できなかったことができるようになっていくのが嬉しく、祖母は孫からの急な電話に驚きつつも一緒に喜んでくれました。

緑の公衆電話がぐっと身近になり、どこかで何かがあったとしても公衆電話があれば自分で電話をかけることができるのだ、と感動したことが20年ほど経った今でも強く印象に残っています。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:鮮緑-senryoku-

鮮緑は鮮やかな緑色。緑色の中でも純色(もっとも彩度が高い色)に近い色とされています。若い緑のように力強く、新鮮さを感じる緑色です。

ちなみに平安時代に使用されていた「みどり」という語は「瑞々しさ」を表すものだったとされていて、それが転じて新芽の色を指すようになったと言われています。

作品紹介:『夏の庭―The Friends』湯本香樹実

(あらすじ)小学6年生の夏、人が死ぬ瞬間を見るために、ぼくらは町外れに住むおじいさんを「観察」し始めた。それに気づいたおじいさんは最初こそ憤慨するものの、いつしかそこに深くあたたかな友情が生まれるようになる。

数年前に買ったまま読んでいなかった本『夏の庭―The Friends』。これは少年たちと老人のひと夏の交流を描いた小説で、少年たちの成長の物語でもあります。

出会いと別れ、変わることと変わらないこと。少年たちが夏の終わりに少し大人びた顔でそれぞれの道を歩き出すのが印象的な作品となっています。

そういえば小学生の頃の夏休みってこんな感じだった、汗をかいて走りまわって毎日が冒険のようだった……。そんなことを思い出しながら読み進めていくと、そしてかつての私自身にも存在したあの夏は、大人になった今もう二度と戻ってこないものなのだということを突然理解しました。

それを「成長」と呼ぶこともできますが、何故だかほんの少しだけ寂しい気持ちもあるのでした。

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