日々色好日 #10 「支子色-kuchinashiiro-」

特集

日々色好日 #10 「支子色-kuchinashiiro-」

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「このカーテンは西日が当たると綺麗な色に染まってたなぁ」

そんなことを思い出し、写真データを整理していた手がとまりました。それは10年以上前、姉が大学生、私が高校生で、私たちが同じ家に暮らしていた最後の夏のことです。

その夏はよく姉の部屋に行ってお喋りをしたり、好きなバンドの音楽を教えてもらったりしていました。冬には姉が実家を出ることが決まっていて、こんなふうにすごせるのも最後かもしれないなとうっすら考えたことをよく憶えています。

姉が家を出て数年後、私も実家を出ました。花柄のカーテンはいつの間にか違うものに取り替えられていましたが、教えてもらったバンドの曲はいまでも時々聴いています。

それでは、本日の伝統色を紹介します。

伝統色紹介:支子色-kuchinashiiro-

支子色はアカネ科のクチナシで染めた黄色にベニバナの赤を少しだけ重ね染めした、うっすらと赤みのある黄色です。「梔子色」とも表記します。

平安中期に編集された格式『延喜式』にはクチナシの黄色にベニバナの赤を重ね染めすると書かれていて、これは配合こそ違えど皇太子の御袍の色と使用する染料が同じだったため、皇太子以外の人物が使用することを禁じた「禁色」だったそうです。

また、ベニバナを重ね染めせずにクチナシだけで染めた「黄支子(きくちなし)」という色は禁じられていなかったとされています。

作品紹介:『yellow boost』FINLANDS

あなたを思い出す時のこの気持ちが、偽物なのか偽物ではないのかがまったくわからない。

yellow boost』はFINLANDSのアルバム『BI』に収録されている楽曲です。ボーカル・塩入冬湖にしか出せない緊張感のある独特な歌声と切実な歌詞は、一度聴いたら強烈に印象に残ります。

FINLANDSには恋愛の歌が多いですが、その恋や愛の形は様々で、この曲では恋愛における悲しさや喜びや虚しさが直接的な言葉を使っていないのに情感豊かに表現されています。

恋の記憶は、過ぎ去った途端に自分の中で美しくされてしまうのはどうしてだろう。そんなことを考えてしまう曲です。

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