5月のこの時期に散歩に出るとそこかしこで色々な花が咲き誇り、いい香りについつい足を止めてしまいます。
特にミニバラは思い出深く、毎年初夏に地元のバラ園で開催される「バラ祭り」でミニバラを買って、庭でせっせと寄せ植えを作っていた母の後ろ姿を思い出します。
先日電話をする機会があって実家の庭について話していたら、なんといまはインドア派で園芸に興味がなかった父のほうが庭仕事に積極的だそう。意外な驚きがありましたが、新しい趣味を見つけて嬉しそうな父の話を聞いていたらこちらも嬉しくなりました。
それでは、本日の伝統色を紹介します。
目次
伝統色紹介:躑躅色-tsutsuji-iro-
躑躅色はその名前の通り、鮮やかなツツジのような明るい赤紫色です。
平安時代から名前がみられる日本の伝統色で、着物の色味としてもよく使われました。
古くからの公家の女性の装束である「袿(うちぎ)」に「襲の色目(かさねのいろめ)」というものがありますが、襲の色目とは袿の色の組み合わせのことで、薄い絹の下に様々な色の衣を重ねるとそれが透けて独特の美しい色調になったとされます。躑躅色は夏の色目として愛されたそうです。
ツツジの花には白や紫など様々な色がありますが、一般的に「ツツジの色」とされるのはこの躑躅色。初夏に咲くツツジの花は、都会でも街路樹の下などに見つけることができます。
作品紹介:『春はトワに目覚める (Ver.1) ft.UA』MONDO GROSSO
『春はトワに目覚める (Ver.1) ft.UA』は、アーティストであり音楽プロデューサーとしても活動している大沢伸一のソロプロジェクト・MONDO GROSSOのアルバム『何度でも新しく生まれる』に収録されている楽曲(Apple Music限定トラック)です。
シンガーUAの力強く響く歌声とミニマルで洗練されたトラック、そして何かが生まれる瞬間を想起するようなビートによって芽吹きの季節が美しく巧みに表現されています。
直接的ではないのに情景が見えてくる歌詞は春の歓びに満ち溢れていて、いつ聴いても身体の内側から沸騰するような感覚になります。
初めてこの曲を聴いたのは実家を出てから1年が経った頃で、仕事も生活も何もかもがうまくいかない時期でした。
「どうせ」「だって」が口癖になって日に日に心も荒み、なんのためにこの新しい場所で頑張ろうとしているのかを忘れそうになった時、生命力あふれるこの曲が私の憂鬱をはね返してくれた思い出があります。
アルバムジャケットは鮮やかな赤紫色の花が楽曲に彩りを添え、ミュージックビデオでは世界的ダンサーの菅原小春が舞い踊るなど、楽曲だけではなく楽曲に関わるもの全てが高い技術と安定のクオリティで制作されている作品です。